クリスマス仙台研究の旅 (3/3) ~ Nanoterasu見学 ~

 今回の旅の締めくくりとして、現在東北大学青葉山キャンパス内に建設中の次世代放射光施設Nanoterasuを見学しました(令和6年度すなわち再来年稼働予定)。これは、東北地方最初の放射光実験施設でもあります。九州ではSAGA-LSですね。これまで東北地方には放射光実験施設はありませんでした。決して研究不毛の地ではなく、それどころか逆に盛んな地域です。しかしながら肝心の施設がなくて、これまでSPring-8などへ遠出しないとできなかったので、東北地方への誘致は地元研究者達の長年の悲願でした。

 完成してしまうと二度と入ることのできないところも見せていただき、大変勉強になりました。

片平キャンパスから青葉山キャンパスへは地下鉄で移動です。
場所は青葉山キャンパスの南端です。建設中で道路整備も不十分でして、雪道の中を歩いて到着しました。

 到着後、今回の勉強会参加のみんなで内部を見学しました。

2階から1階の実験ホール内部を覗きます。
説明を受けます。
実験ホールは既存ものよりも広く設計されています。
蓄積リングからの放射光出口です。完成すると、放射光が通る細い真空管以外のスペースは埋められます。

 放射線管理区域である蓄積リング内部も見せて頂きました。完成すると、責任者にならない限り、絶対に見ることはできません。

入口です。放射線を遮るために、ごっついコンクリートのフタがあります。完成後は、向こう側に絶対に入ることはできません。
アンジュレータです。磁界により放射光を干渉させて、より強い光にする装置です。とても強い磁界なので、あまり近づくと磁気カード情報が吹っ飛びます。
加速器です。手前のマイクロ波発生装置から発生させたマイクロ波を、奥へと導波管を通しながら電圧を加えて出力を大きくします。
上写真の左壁の向こう側です。多数のマッチングボックスが壁を通して導波管に接続されています。壮観です。
別角度からです。

というわけで、今回の旅はとても密度の濃いものとなりました。参加した学生さん達には良い経験なったのではないでしょうか。計4名分の旅費はなかなか(ノД`)のものですが、これを通じて学生さん達が大きく成長してもらえれば、本望です。

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