Tag Archives: 産学連携

2025年度有明広域産業技術振興会総会

 6/3(火)の前期中間試験初日は、午後から2025年度の有明広域産業技術振興会(通称「振興会」)の総会&懇親会でした。毎年この中間試験の時に催されています。中間試験の時間割は通常時間割と違って比較的余裕があり、時間を作ることができるからです。

 先にも述べましたように、私は常々積極的に企業さん達と関わるようにしています。世の中の第一線で頑張っておられる企業さん達と関わることは、適度な緊張感を味わいながら自身の職務を顧みて、改めて自身の学ぶべき道を見出すことができます。そして最も重要なこととして、背中を押してあげる必要がある学生さんに対して、その時が来た場合に適切に押せるように備えておくことができます。

 国立高専は国立の名を冠しているとはいえ、敢えて地方都市にあることから、地域社会、地域企業に支えられてこその高等教育機関です。大学とは違います。地域に大いに貢献できるからこそ、地域から評価されてその地位が保たれるのです。

 まあ例えるならば、大学は百貨店、高専は地域のスーパーマーケットといった感じでしょうか。規模と華やかさでは百貨店に及びませんが、日常の身の回り生活、すなわち地元地域には欠かせないものです。売っているもの(失礼!!)は同じ、優秀な学生さん達です。

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寄り添うということ ~ 就職編 ~

 高専では、学生さん達をまだ義務教育課程である中学レベルで選抜するため、そのキャラクターは多様です。

 正しい理屈が正しい結果を生むとは限りません。厳しく指導することは必要ですが、厳しくするだけでは良い方向には行きません。とはいえ、甘やかしてばかりでは乱れます。ルールは守らせるが、決して法匪になってはいけません。そのサジ加減が、この手の職のprofessionalであることなんでしょう。日々はその暗中模索です。今年度は3E 51名を率いています。三人行えば必ず我が師ありのところ、51名もいます。

 学生さん達を見ていると、自分でどんどん切り拓いていく者もいれば、背中を押してあげる必要がある者もいます。さらに後者では、誰もが有している潜在的なプライドが少し強めに出て、見える後押しを嫌う者もいます。多様です。

 さて、この時期は最上級生5年生の多くが就職活動中です。方向性を明確にしやすい進学希望者と違って、就職希望者は戸惑います。コースには約800社の求人が来ています。年々増加しています。就職希望者は毎年大体30人くらいのものですから、求人倍率は25倍を超えます。そこから自分に適する企業&職を見出すのは至難の業です。否、まず無理でしょう。

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特許あれこれ

 一昨年に有明高専にて初めて出願した特許が、この度公開されました。当時携わった研究室学生さん達ならびに地元企業との共同発明です。私は博士号を得て研究者すなわち学者として独立してから、偶然ではありますが、企業との共同研究に多くの時間を割いてきました。そこで学生時代に経験することのなかった特許制度を自ずと学び、現在に至ります。というわけで私、機会があれば、論文だけではなく特許をも狙ってきています。

 特許というのは、出願してから1年半後に公開されます。「公開特許」と呼ばれているものです。発明の権利は出願時点から生じますが、重複出願を防ぎ、またその発明がもたらす刺激により新たな発明を社会に促す意味もあって、公開されます。ただし、すぐに公開すると模倣もされやすいので、1年半後なのです。公開特許は、誰でも無料で閲覧することができます。特許は出願時に「特願-○○」という名前が付けられますが、公開後は「特開-△△」に改名されます。○○や△△は整理番号ですが、同じにはなりません。もちろん、相互の関連性は特許内容文に明記されています。

 ただし、特許権を正式に成立させる、俗に言う「権利化する」には、公開後に特許庁に審査請求をする必要があります。特許出願は有料とはいえ誰でもできますが、特許庁は審査請求を受けて、出願された発明が国家として特許権を与える、すなわち独占使用権を与えられるべきもに値するかを審査します。このように特許とは、国家が発明ならびに発明者を保護する制度であり、国家が果たすべき重要な役割の一つです。もし特許制度がなければ、発明は安易に模倣されて発明者の苦労は報われないことになり、科学技術を基盤とする現代社会は廃れてしまいます。

 なお特許の文章というのは独特なもので、たとえ発明者であろうとも素人が容易に書けるものではありません。出願手続きも煩雑です。そのために弁理士制度があります。私は特許を出したい際には毎度、発明内容をスライドなどで弁理士さんにお伝えして案文を書いていただいています。もちろん費用はかかりますが、業務とはいえ、赤の他人の発明をスッキリとした文章に仕上げる弁理士さんの能力には甚だ敬服するものです。自分が弁理士になるつもりはありません。むしろ弁理士さんを通じて、自分の発明(研究)が第三者にどう映るかを楽しみ、学ぶことができます。

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株式会社旭製作所本社工場見学

 2/20(木)は株式会社旭製作所(AG!)の本社工場を見学に行ってきました。旭製作所はガラス製理化学機器のメーカーです。化学で使用するフラスコや蒸留器などが身近な例です。熊本県荒尾市に本社があり有明高専から遠くない立地ですが、同分野では世界的シェアを有する企業です。

 上記の機器を製作するためのガラス加工は正に職人技で、化学を専攻している学生さん達の中にはその魅力にハマってしまう人も少なくありません。応用化学出身の私には非常に身近な存在であり、学生時代は研究室で必要なガラス加工をしたものです。ま、下手でしたけど。一方で、電気電子工学を学んでいる研究室学生さん達にとっては珍しい存在と思います。

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前略、企業様

 昔から今まで、産学連携とは何かしらご縁があります。以前にも書いてますね

 企業とのお付き合いはwelcomeです。純アカデミック界の中には、企業は短期的成果を求めてくるので敬遠する人もいます。でもアカデミックでの真摯な経験は、後の人生に大切ですよとも。私は、適度な緊張感が得られるという点から、welcomeしています。高専という機関は、地に足を付けた企業が身近な存在なので助かります。我が物顔の大企業ではなくです。

 アカデミック、とりわけ若い学生さん達を相手にする学校という組織にいると、知らず知らずのうちに裸の王様になる恐れがあります。まだ新入社員ですらない学生さん達を基準にすると、教員はさもすごい人間のように見えます。いえいえ、できて当たり前です。威張り散らして何になる? 基準を社会一般に替えたらどうなりますか?

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ありあけ地域企業紹介フェア

 明けましておめでとうございます。年末年始は大風邪の日々でした。ようやく治ってきたかなとはいえ、咳はまだ出続けています。年末ちょうどダウン中にクラス卒業生のOG訪問がありまして、申し訳なかったです。

居室ドアに置き手紙が・・・。

 さて新年一発目の1/8(水)は、ありあけ地域企業紹介フェア、すなわち有明広域産業技術振興会の会員企業紹介事業がありました。これは毎年恒例の事業で、本校有明高専の企業サポーター集団である有明広域産業技術振興会の会員企業の学生さん達への企業説明会です。会員企業は100社を超える中、そのうち60社が今回参加されました。本説明会では、今春就職活動対象となる本科4年生と専攻科1年生の学生さんに出席を義務づけていますので、参加企業の皆様にとっては自社アピールの絶好の機会となっています。ここで心を決める学生さんも多いです。特に今年度は60社と過去最大の規模で、例年の第一体育館だけでなく、第二体育館も使用した大規模なものとなりました。

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3E 工場見学

 アメリカから戻ってきたら、季節は秋になっていました。気候的にですね。暑さはまだ残ってはいますが、夏という感じではありません。内閣も交代し、月末は選挙となっていました。アメリカにももちろんTVニュースはありますが、日本が報道の中心ではありません。浦島太郎の感覚でした。

 そんな10/11(金)、3E副担任として、3Eクラスの工場見学に同行しました。例年3年生は日帰りで企業の工場を見学しています。コロナにより前回の3E副担任(2021)のときはなかったのですが、今回は再開されました。

 午前中は久留米の大電株式会社様を訪れました。各種電線を製造している企業です。個人的には、こちらの(公財)吉田学術教育振興会様には大変お世話になりました。着任して初めての研究助成を受けて、研究を立ち上げることができました。なお、企業内見学ですので写真はNGということで。

 昼はゆめタウン久留米で食事休憩となりました。学生さん達はあっという間に散らばっていきました。私が行くところはもちろん、バーガーキングですね。大牟田サンフランシスコシンガポールと、各地のバーガーキングを訪れています。物価調査です。

お約束です。まじめな経済フィールドワークですよ。
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企業と高専

 何回か投稿しています(これこれ)が、各高専には企業のサポーター集団みたいな組織があります。有明高専では、有明広域産業技術振興会という名称です。会には、地元大牟田・荒尾の企業を中心に100社を超える企業がメンバーとなっています。

 目下、少子高齢化を主要因として、世の中は人手不足が社会問題化しています。各企業においては、人材確保は非常なる死活問題と化しています。「仕事はたくさんあるんだけど人手が足りない!!」という声に満ち満ちています。受注を断らざるを得ない状況だそうです。

 逆の視点から見れば、学生側としては売り手市場です。学生達を預かる学校・教員側としては助かります。

 しかしながら、教員は只々お茶を飲んで佇んでいてはならず、企業とコミュニケーションを常にして、世の中のニーズや動向の情報収集に努めていかなければなりません。そして得た情報を教育活動へとフィードバックしてUpdateに務めていかなければなりません。人材は頭数があれば良いというものではありませんから、どのように学生達を導いていくかという試行錯誤の日々は終わりません。

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田辺工業(株) 大牟田支店 教育訓練センター開所式と卒業生動向

 6/12(水)、田辺工業株式会社様の大牟田支店 教育訓練センター開所式へ、校長代理として出席しました。一昨年来、有明広域産業技術振興会を通じて縁あって、親しくさせて頂いている企業です。大牟田支店は、高専から車で30分かからない距離です。

 田辺工業様は、新潟県上越市が本拠の独立系プラント企業です。社員教育に特に力を入れられており、各拠点に教育訓練センターを設けておられます。今回、大牟田支店での同センターが完成し、開所式が開かれました。

 校長の代理ですので、大牟田市副市長・市議会議長・教育長・商工会議所会頭等々と、地域のVIPの方々が参列されました。ちょっと早めに着いたので、待合室に案内されていましたが、すでにこれら方々が休んでおられていたので、末席に座りました。なかなか居づらいな・・・と。

 参加者皆さんはガチの正装でした。「平服OK」ということで、いつも通りのノーネクタイ&ジャケットで参加した私は、何か目立ちました。こういうとき、制服(作業服)って便利なんですよねー。有明高専では1~3年生が制服です。世の中、制服の存廃については議論がありますが、こういうとき制服はハズレがないんですよねー。

 ちょっと話がずれました。四山神社の神事に始まり、各人の挨拶となりました。同社四月朔日会長、水澤社長に続いて、上記お歴々が順にされました。私にももちろん順番が回ってきました。有明広域産業技術振興会を通じてのご縁、今春教え子を採用頂いた経緯、そして地域との共存共栄を目指す本校についてのお話をしました。校長代理なんですが、ちょいと自分寄りの話となってしまいました。

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有明広域産業技術振興会と卒業生動向

 6/7(金)午後からグリーンランドのホテルヴェルデにて、2024年度の有明広域産業技術振興会 総会に参加しました。昨年度に引き続いてです。

 今回は、会員企業である田辺工業株式会社様との共同研究を発表しました。昨年の会で田辺様と意気投合しまして、その後特許と論文を出すことができました。地域社会あっての高専、地域社会のための高専ですから、このような産学連携で成果を出すことができたのは大変嬉しいことです。

 パーティーでは多くの企業様とお話することができました。担任は外れましたが、企業様を知りその業界を知ることで、学生さん達の進路の一助になればなと思います。また、教員という立場は実業の世界から離れますので、世間の情報が疎かになりがちです。その情報と自分自身のupdateのためにも、良い機会でした。

 このように、企業様との距離が近いのが高専の強みです。大学だと規模が大きすぎて、こうはいきません。

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【9/27(水)と10/4(水)】有明広域産業技術オンラインサロン

 有明高専には、有明広域産業技術振興会という有明高専の企業サポーター集団みたいな組織があります。会員企業は地元大牟田・荒尾地域だけではなく、東京などの遠隔地の企業もあります。

 どこの高専にも同様の組織がありますが、有明高専では特にお互いの関係が密接です。高専生と企業を結ぶ橋渡しとしての役割も重要です。このような小回りが効くところが、大学とは異なる高専の良さの一つですね。

 そんな企業と有明高専教員を繋ぐツール、もしくは企業同士を繋ぐ協業のインキュベーションの一つとして、毎週水曜16:00-16:30にオンラインサロンという定例の発表会や情報交換をしています。私も常連さんの一人として、毎度色々勉強させていただいており、進路指導を担う5年担任業務にも大いに活かせています。

 次回9/27(水)と次々回10/4(水)の2回分は、鷹林がお話しします。鷹林祭りです。

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よろしくです。

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企業見学会

 8/18(金)、福岡県主催の企業見学会に行ってきました。見聞を深めながら、学生さん達にフィードバックしたいと思いまして。それと、山積しまくる校務からの気晴らしに。

 筑後市のローム・アポロ社様筑後工場と北九州門司区の旭国際テクネイオン様真空機器工場に伺いました。

 ローム・アポロ社さんでは、テレビに映ってきました。

 全然関係ありませんが、帰りのバスの中から撮った福岡貨物ターミナル駅です。いいですね。

福岡貨物ターミナル駅です。

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