前回と前々回でまあ、教育指導におけるISOについて考察してきました。
目下就職活動の時期です。この人手不足が叫ばれるご時世、学生さん達の企業内々定は思うがまま・・・というわけではないようです。今年度は進路指導担当ではないので、端から見ているだけですが。
そりゃそうです。かつてバブルでの過剰人員により企業はイタイ目に遭っていますから。バブル世代は私の上の世代です。私は氷河期っていうやつですね。しかしアカデミックが長かったので、実感はないんですけど。
その栄光のバブル世代は、今やリストラ祭りです。正に盛者必衰の理をあらはすです。
しかしながらISO、つまり品質を理解しておけば、企業内々定とその後の人生なんて思うがままだと思います。企業は開発部門がなくても潰れはしませんが、品質がしっかりしてないと明日早々には潰れます。いくら開発部門が旺盛で、野球で例えると重量打線で10点取れるチームであったとしても、守りの要の品質が愚かであれば11点取られて負けます。ご飯が食べられなくなります。
ホームページなどで簡単に情報収集できる企業の概要や製品情報をうまくまとめられても、採用人事の人は「またか・・・」と鼻○○をほじるかもしれませんが、品質について語ると、人事は目を丸くして興味を持ってくれるに違いありません。
組織である以上、企業であれ学校であれ、品質の整備は必要不可欠です。「品質を理解できる者こそが真のエリート」だと思います。
そう、教育現場における品質の導入はとても意味があることなのです。しかし残念ながら、有明高専におけるカリキュラムでは、品質に関する講義は就職活動もほぼ終わった5年生後期です。もっと早く実施すれば良いかとは思いますが、それでは私のライフがゼロになってしまいます。もうやめて、鷹林のライフはゼロよ。
私の主たる担当授業は電気磁気学です。電気磁気学は電気電子工学の最たる基幹科目ですから、エネルギーコースではみっちりと行っています。
しかし基幹科目であるが故に、電気磁気学は私以外の教員でも担当できます。一方品質に関しては、私以外に実施できる人はいないでしょう。企業で実践したことのない人に務めることは不可能だからです。教科書に書いていることを話すことはできるでしょうが、それだけで対応できるほど品質は甘くありません。心から組織を思い、仲間を思うことができなければ、理解することは不可能です。
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