シリコンウェハーのダイシング

 研究実験に使うため、n-Si(100)ウェハーをダイシング(dicing)しました。賽の目(dice)に切るということです。といっても、ダイシングソー装置などないので、手割りです。

 手割りといっても、空手チョップするわけではありません。瓦を割るのではありません。まず、Siウェハーにダイヤモンドペンで傷つけます。ダイヤモンドペンとは、先端が鋭利なダイヤになっているペンです。ダイヤは硬いので、固体の表面に傷をつけることができます。なお、そのダイヤを盗んでも宝石としての価値はありませんので、悪しからず。

 そして両端を2つのピンセットで持って引っ張るようにして割ると、あ~ら不思議!! (100)ウェハーではキレイに四角に割れます。それは(100)面が四角形の単位になっているからです。

 説明が遅れましたが、(100)はミラー指数面のことです。「n-」とは、n型ということです。いずれも化学結晶のお話ですが、電子工学を学ぶ上では避けて通れません。がんばりましょう。

ミラー指数の説明スライドです。
(100)面の説明スライドです。

 ピンセットは金属製だとSiと金属が反応するので、セラミック製のまあまあ高いものを使います。ブロワー、いわゆるシュポシュポで、割った後の細かい破片を飛ばします。

割った後。割る前の4インチサイズのウェハーが左上に、セラミックピンセット、ダイヤモンドペンとブロワーが、方眼紙トレーシングペーパーの上にあります。方眼紙は、長さの目安にできます。薄いので扱いやすいです。
4インチn-Si(100)の拡大写真です。鏡面仕上げなので、私のカメラと指が映り込んでいますね。

というわけで、4インチウェハーを約20 mm四方のサイズに分けました。何やかんやで、大学院生時代からこのやり方です。

20 mm角に割って、サンプルケースに整理しました。わりと揃えることができました。職人芸・・・までとはいかないかな。

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