研究設備

実験しています。

目次
実験装置
測定装置
小道具
テスト回路
消耗品
その他

実験装置

光電子制御プラズマ気相化学成長装置 (Photoemission-Assisted Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition, PA-PECVD) (オリジナル)

 東北大学名誉教授 高桑 雄二先生が独自開発された装置です。初期電子源に深紫外光による光電効果を用いたDCプラズマCVD装置で、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)の成膜ができます。特にナノメートル(nm)のサイズで精密に制御した成膜ができ、電子デバイス作製用途にも使えます。ベース圧力は10-6 Pa台まで下げられる高真空装置でもありますので、各種分析装置をドッキングさせて発展させることが可能です。2台(みずほ号とかもめ号)あります。

みずほ号

 基板ステージは800℃まで昇温できます。6系統の可変ガスラインがあります(現セットアップ: CH4、N2、O2、Ar、CO2) 。

みずほ号の全体写真。
みずほ号におけるN2の光電子制御グロー放電(Photoemission-Assisted Glow Discharge, PAGD)の様子。一般的なグロー放電(蛍光灯の中など)は、放電が全体的に広がるので面積制御が困難ですが、PAGDは放電面積をキッチリ定めることができます。
みずほ号における電流‒電圧曲線の例です。圧力の異なるアルゴン(Ar)雰囲気中で測定したものです。

かもめ号

 基板ステージは400℃まで昇温できます。4系統の固定ガスラインがあります(CH4、H2、N2、Ar)

かもめ号の全体写真。
かもめ号におけるArのPAGDの様子。
かもめ号における電流‒電圧曲線の例です。圧力の異なるアルゴン(Ar)雰囲気中で測定したものです。

高周波同軸変換導波管 (PESTERNACK製 PE9872)

 1.7~2.6 GHz対応のWR-430型同軸変換導波管です。同軸ケーブルからの高周波信号を導波管内に展開します。同軸コネクタはN型ですが、NanoVNA用にSMA-N型変換コネクタを付けています。2個あります。

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測定装置

半導体パラメータアナライザ ((Keysight製 B1500A) + プローバ (雄山製 カスタムメイドモデル))

 トランジスタの電気特性が測定できます。200 Vdcまで印加できるようにしていますので、絶縁破壊試験もできます。インピーダンスアナライザとしての機能もあり、キャパシタンス、つまり比誘電率も測定できます。研究では主に、DLCの比誘電率、抵抗率、および絶縁破壊電界の測定を行います。プローバはカスタムメイドで、専用にあつらえました。


NanoVNA (オープンソースなので各社製)

 超小型のネットワークアナライザです。インピーダンスマッチングの実習や、導波管の評価に使用します。小型とはいっても、ノイズレベルはMHz帯で-60 dB、GHz帯で-40 dBが保証されます。


ネットワークアナライザ較正キット (Keysight製 85515A)

 ネットワークアナライザの一体型較正キットです。SOLT (Short-Open-Load (50 Ω)-Through)較正ができます。端子はN型コネクタのメス(female, jack)です。ネットワークアナライザを使用するにあたり、較正キットは命の次に大事なものです。較正できないと、何もできませんからね。


ACクランプメータ (日置電機製 CM3289)

 電線を挟むことで、流れている交流電流値を非接触で測定できます。おまけで、プローブを使用して直流/交流電圧も測ることができます。


絶縁抵抗計 (日置電機製 IR4051)

 通称「メガー」です。DC 1000 Vまでかけた状態での対象物の抵抗値を測定できます。絶縁破壊して欲しくないところには、たくさん電圧をかけても高抵抗値が維持できるかどうかを調べる必要があります。


ソケットテスター (Aneng製 AC11)

 コンセントの極性が正しいか否かを判断する装置です。LiveとNeutralが逆じゃないかとか、Earthが取れてるかとかを調べます。研究室には自作物が多いので、重宝します。

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小道具

ファインクリスタルカッター・アルタイル (クリスタルベース製 FU-100-S)

 シリコンウェハーを綺麗な四角形にカットするための装置です。ダイヤモンドペンでは真っ直ぐに罫書くのは難しく、ウェハーを希望寸法通りにカットすることは難しいです。これを使うと、真っ直ぐに罫書くことができます。試料に触れるので、素手での使用は厳禁です。クリーンブース内に置いています。


セラミックピンセット (VICTOR製 8501)

 シリコンウェハーを掴むときに使います。金属製のピンセットだと、金属がシリコンと反応してしまうので、反応しないセラミック製を使う必要があります。固いので、主にシリコンウェハーを割る際に用います。試料に触れるので、素手での使用は厳禁です。


テフロンピンセット (フロン工業製 F-5026-002)

 エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)製のピンセットです。セラミックピンセットと同様にシリコンウェハーを掴む際に使用します。特に、実験用に小さく分けたシリコン片を掴む際に便利です。試料に触れるので、素手での使用は厳禁です。


Dポイントペン (オグラ宝石精機工業製)

 芯先端がダイヤモンド単結晶のペンです。シリコンウェハーを割って、小分けする際に用います。これで単結晶シリコンウェハー上に罫書くと、ウェハーはそこから割れていきます。試料に触れるので、素手での使用は厳禁です。


ハンダごて (太洋電機産業製 RX-711AS)

 ハンダごてです。温度調節ができ、最大出力60 Wです。


パワーハンダごて (太洋電機産業製 HP-150)

 高出力(110 W)のハンダごてです。銅板など放熱性材料へハンダ付けする際に使用します(ハンダへの熱が逃げますので)。太いです。


スチロールカッター (INTBUYING製)

 高周波導波管のダミーロードなどに使用する電波吸収体をカットするための装置です。電熱線で三次元的にカットできます。


スポット溶接機 (近藤テック製 KTH-MWS)

 電極用途などで、金属同士をスポット溶接接合させるための装置です。


タイマー (Xflyee製 093)

 PA-PECVD装置では、サンプルを出し入れ等のために、常時運転している超高真空へと誘うターボ分子ポンプ(Turbo Molecular Pump, TMP)を一度停止させる必要があります(※各号2台のうち小さい方のみ)。しかしTMP中の主要部品である回転翼はすぐには停まらないので、スイッチOFF後5分ほど待つ必要があります。そのための備え付け大型タイマーです。USB充電型なので、常時使用できます。

みずほ号用
かもめ号用

温度計 (BOMATA製 3003XT101B)

 PA-PECVD装置でベーキングを行っている際に、加熱温度を計測するための温度計です。料理用ですが、長い計測プローブが便利です。

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テスト回路

RFデモキット (Elikliv製)

 ネットワークアナライザの学習用キットです。手軽に持ち運べるように、技術職員さんにケースをつくっていただきました。


インピーダンスマッチング回路(M/B)とLCRテスト負荷 (TEAM鷹林製)

 実習用に自作しました。


工具一式

 回路を作ったりする用に、一通り揃えています。

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消耗品

シリコンウェハー (キャノシス製)

 成膜試料基板に用いるシリコンの板です。半導体素子や集積回路の基板でもありますね。実はシリコン、これらの用途のために、世の中で「最も平坦」で「最も純度の高い」材料でもあります。基板としては、割って小分けにして使います。使い勝手が良い、直径4インチ (100 mm)・n型(100)単結晶・抵抗率 1 Ω cm以下の重ドープものを使用しています。


トレース方眼紙 (コクヨ製 セ-S9B)

 この上でシリコンウエハーを割る作業などを行います。机上が破片や粉で汚れないように敷きます。方眼がついていて薄いので、作業に便利です。


サニメント手袋 (アズワン製 6-896-01)

 使い捨ての手袋です。素手で触るのが厳禁である真空装置や試料の取扱には必須です。Lサイズで外側がエンボス加工(ぶつぶつ表面)しているタイプです。


2-プロパノール (富士フイルム和光純薬製) + 洗浄瓶 (安元化成製 NT洗瓶B型)

 別名「イソプロピルアルコール (IPA)」です。真空装置の汚れを拭き取ったり、いろんな清掃に使用します。真空漏れのチェックにも使います。小分けする洗浄瓶(洗瓶)は、コック付きです。一般的に有機溶媒は沸点が低いので、洗瓶の内側の気圧が高くなりやすく、溶液が口からあふれ出すことがあります。使用しない場合にはコックを開放しておくことで、溶液があふれるのを防ぐことができます。


キムワイプ (日本製紙クレシア製 S-200)

 言わずと知れた実験室の必需品です。ざらざらとしたティッシュ状のワイパーです。


ベンコット (旭化成製 M-3II)

 キムワイプよりも柔らかな繊維状のワイパーです。クリーンルームで使用したりします。柔らかなので、真空装置のガラス窓などを拭く際に使用します。


アルミホイル (UACJ製箔製 マイホイル)

 いわゆる家庭用のアルミホイルです。真空装置の外壁につけます。真空装置内部の真空度を上げるためには、内壁に吸着している水などの分子を引き剥がす必要があります。この作業を「ベーキング 」(baking)と言い、言葉通り真空装置全体を150℃程度に加熱します。真空装置主にステンレスと窓部分のガラスでできています。これらは熱伝導率が悪いので、熱伝導率の高いアルミ箔で覆うことにより、熱散逸を防いで均一に加熱できるようにします。アルミホイルは、真空装置には欠かせないものです。


ロータリーポンプ用オイル (EDWARDS製 ULTRAGRADE19)

 ロータリー(油回転)ポンプ用のオイルです。車のエンジンと同様に、ロータリーポンプのオイルも定期的に交換する必要があります。半年毎くらいですかね。

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その他

除湿機 (ナカトミ製 DM-10)

 真空装置にとって、湿度は好ましいものではありません。水分は真空度に悪影響を与えます。しかしながら九州地域は雨が多いので、除湿が必要です。この除湿機を用いて、研究室内を湿度60%に管理するようにしています。健康面を考えると、これくらいの湿度が良いようです。備え付けのタンクではすぐ一杯になりますので、外付けで100 Lタンクを用意しました。


冷蔵庫 (Panasonic製 NR-B14FW-W)

 真空に関する実験は、体力を使い、長時間に及びます。食糧補給が必要です。しかし温暖な九州では、食糧の傷みが懸念されます。来客時のおもてなしも考慮して、冷蔵庫を用意しています。


蚊とり黒ブタ (アース製薬製)

 自然豊かな有明高専では、虫さんもお友達です。しかし研究室には遠慮して頂きたくです。


ごきぶりホイホイ (アース製薬製)

 説明は要りませんね・・・。


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