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真空度の遠隔モニター

 8/11(月祝)本日は、朝からひたすらNHKニュースで大雨の動向を見ています。南隣の長洲町と玉名市に特別警報が出ており、予断を許しません。本日は自宅で仕事かなどうしようかなと思っているところです。用水路見てくるフラグは立てたくないですからね。

 こういう災害の時に最も気にするのが、装置の真空度です。停電ないし瞬停で装置が落ちると、真空ポンプが止まります。我が光電子制御プラズマ装置は高真空なので、24時間真空ポンプで真空引きをしています。真空装置が停電で止まるのは非常に困ります。

 もし止まったら、即座に出動してバルブを閉めて真空を保持しなければなりません。油回転(ロータリー)真空ポンプを大気リークさせて、油の逆流を防がなければなりません。

 以前SAGA-LSに行ったとき、そこでは真空度を遠隔監視できるようにしていました。鷹林研究室でもそうしたいなーと思いつつ、どうすれば良いのか分かりませんでした。この春先は停電が連発して、都度対応に四苦八苦しましたので、何とかしたいと。

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コストと良心

 目下、お盆休み中です。今年度はカレンダーの関係で、長いです。しかし九州は忘れた頃の梅雨状態で、線状降水帯が思いっきり暴れています。お出かけどころではありません。横殴りに打ち付ける雨が、玄関の隙間から染み込んでくる始末です。猛暑&水不足はどこかに吹っ飛びました。

 そんなお盆休みですが、何かとすることはありますし、明けたら学会ラッシュですので、仕事しています。平日は学生さん達の相手で一日があっという間に終わってしまうので(※基本業務ですけどね(^_^;))。休み期間中は落ち着いて自分のしたい仕事ができます。主に研究関係ですね。

 さてさて、公の組織にいて不思議に思うことは、コストの概念がないということです。

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九大から佐賀大を通る帰り道

 以前より、共同研究諸々のために九大伊都キャンパスへよく通っています。筑紫キャンパスも行きますし、伊都キャンパスも行きます。この夏休みでは、前日8/7(木)の九工大に続いて行ってきました。運転しまくりです。有明高専には残念ながら研究に必要な実験装置が不足していますが、有明には福岡・佐賀・熊本3県の研究機関に気軽に足を伸ばせるという立地のメリットがあります。交通至便です。有明になくても近隣の施設にはあるというわけです。必要な設備全てを揃えられたらそりゃ幸せでしょうが、そんなに世の中甘くないです。いや、むしろ足りないからこそ、何とかしようと脳みそを絞り鍛えてきて、ここまでやって来られたのかもしれません。「及ばざるは過たるよりまされり」ですね。

 さて、その伊都キャンパスへは、有明から車で九州自動車道&福岡高速道路(福岡都市高速)を使って1時間半ほどの距離です。ただし高速代がかかりますので、目的を終えた帰りは、一般道を使って帰りたいところです。しかし、福岡市内を抜ける直下の道では大渋滞にハマって非常に難儀をしますので、別の道といきたいところです。

 幸いなことに、南にそびえる福岡県と佐賀県の県境となっている脊振山地を超えるルートを使えば、渋滞に巻き込まれずに帰ることができます。以下、見ていきましょう。写真はドライブレコーダーの映像からです。

九大から戻ります。
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九州工業大学 マイクロ化総合技術センター

 2025年度前期は、8/6(水)に慌ただしく終業となりました。毎度のことですが、キツかった・・・ホント。

 翌夏休み初日の8/7(木)は、九州工業大学 マイクロ化総合技術センター(CMS)へ学生さん達と行ってきました。CMSは、九州工業大学が全国に誇る半導体デバイスの実験研究施設です。CMSは、同学飯塚キャンパス(福岡県飯塚市)にあります。

CMSに着きました。有明からは車で2時間弱でした。

 実は私、飯塚市、正確に言うと当時合併前の庄内町に半年間住んでいました。同市にある近畿大学 福岡キャンパス研究員として働いていました。しかし近畿大学は同市の東側、九工大は西側ということで、当時は全くご縁がありませんでした。まだ現在の研究や半導体に携われる前の無名時代でしたから。あれから早20年が経ち、半導体に片脚以上突っ込むことになろうとは、当時は全く思いもよりませんでした。 どうやって研究者として生きていくか・・・大いに悩んでいた無名時代でした。それが学生さん達を率いる存在になろうとは・・・、世の中は不思議なものです。

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ChatGPT

 最近、研究者仲間内でChatGPTが流行っています。便利だということで。このような人工知能を使った研究としては、膨大な実験データから既存の理論式を経由せずに任意の要素間の関係を見出す「機械学習」が挙げられます。

 人工知能を研究活動に適用することに対しては、賛否両論があります。いつの時代でも新しいことを導入する際には異論は付きものです。全面賛成というわけには行くものではありませんが、世間に揉まれていく中で適切な妥協が見出せれば良いなと思います。

 さて、「実験データ&グラフとひたすらにらめっこ」を基本としてきた私にとっては、時代に取り残されてきたなという感があります。といっても、教え子達に養っていただくにはまだ年月を要するので、ぼちぼちchatGPTを経験してみることにしました。

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フランジの加工と洗浄

 メカニクス(M)コース実習工場に装置フランジの改造を依頼しました。新しい実験展開のためです。

 加工を終えたフランジが返ってきましたので、早速装置に取り付けることにしました。その前に、洗浄です。フランジを含む真空チャンバーは、一般にステンレス鋼(Steel Use Stainless, SUS)製です。SUSを用いるのは、丈夫さと錆びないこともさることなから、磁性の影響がないのと、ガス吸着による真空劣化が小さいためです。真空を悪くするのは、チャンバー内壁に吸着した水などのガス分子です。

 しかしながら、SUSを加工しようとすると、その硬さのために切削油を併用しなければなりません。当然真空にとって、残って付着(残存吸着)している切削油は邪魔者ですので、加工後は洗浄して除く必要があります。また、加工の際に指紋も付いてしまいます。人間の手汗も真空にとって好ましくありません。というわけで、加工していただいたフランジを研究室で洗浄しました。

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実験は最高の教師との対話

 ここ最近、人一倍実験しています。複数の共同研究との兼ね合いもあるのですが、まず目に映る範囲の人達の中では一番実験しています。

 歳を取った准教授です。若い頃、そんな歳の人はひたすらデスクワークで実験しないものだと思っていました。「何で実験しないんだろう?」と疑問に思ったものですが、そういうものだと納得していました。

 歳を取ったら、自分も自ずとそうなるのだろうな・・・と思っていたら、いやいや、目下めっちゃしてますです。さすがにあれこれデスクワークがあり過ぎて若い頃のようにはいきませんが、その隙間をかいくぐってやっています。まあそうすると、デスクワークが滞ったりしますけど・・・、困ったものです。

 実験していると、この歳になっても新たな発見があります。新たな理解、ひいては既存の理解の修正ないし再検討が得られます。机上の書籍で理解していたつもりでも、実際に実験してみると甚だ不足していたことに気づかされます。

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大阪公立大学テクノラボツアー

 7/18(金)は、大阪公立大学で開催された同学のテクノラボツアーに参加してきました。テクノラボツアーとは、同学産官学共同研究会主催の産官学連携を志向した研究講演会です。今回第149回は、昨年度本校にお越し頂いた同学呉 準席先生のグループの医工連携に関する一連の講演ということで、聴講に出かけました。本会はハイブリッド方式なのでわざわざ出向かなくてもオンラインでできるのですが、会合はやっぱり対面が基本です。対面の場の雰囲気に勝るものはありません。直接関係者と接することで何か良いことあるかもしれませんし。

 というわけで、担任としての朝のSHRの務めを終えてすぐに、新大牟田駅へ移動して新幹線で出かけました。新大牟田駅は基本つばめ号のみの停車駅ですが、朝の上りと夜の下りの少しに停車するさくら号があります。今回の往路はそのさくら号で向かいました。新大阪まで直通は楽ですねぇ。

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自分が目指すべきもの

 プロ野球選手は、学生やアマチュア時代にそのチームの4番だったりエースだったりした人が多いと思います。しかしその一流の集まりであるプロに入ったら、そうでもなくなります。自分がそう思っていても、広く世間から見たらそうでもないことは多々あります。自分が果たすべき役割、そしてそれは実は最も自分に向いている役割は、なかなか自分では分からないものです。

 私自身、研究者として何とか今まで生きてこられていますが、研究の世界で自分はどういうポジションであるべきかを考え、また悩んだりしてきました。

 実験は昔から好きだったので、学生時代は座学そっちのけで実験ばかりしていました。「少しは考えろよ」と言われるくらい。その反面、理論に対しては引け目を感じていました。実験は所詮理論の婢だと、劣等感を抱いていました。現象を数式で埋め尽くす姿に、届かない憧れを抱いていました。

 しかし以前にも紹介したように、以下の言葉に衝撃を受けました。

「実験は発見を可能にする技術であり、証明するための道具ではない」

と。

自分の目指すべきものです。
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逃げるは恥で役には立たない

 前期も佳境に入ってきました。月末は前期末試験で、それが終わったら早いもので夏休みです。この夏休みは、こちらの学会に参加する予定にしています。

 まずはKRIS2025です。これは、2023年3月に初回(KRIS2023)開催以来2回目の高専生のための国際会議です。正式名称が正に”Kosen Research International Symposium”です。全国の高専生が一同に介して、国際会議形式(もちろん英語)で発表する会です。

 鷹林研究室からは専攻科生達、7E 内藤君と6E 出村君が出ます(※野田君は九大連携生なので、7Eになってからは九大です)。同じ高専生同士の環境なので、オーラルにチャレンジしてもらいます。いきなりトップレベルの国際会議でオーラル登壇させるのは、如何に彼らが優秀といえどもまだ酷なので、KRISは良い機会と考えました。前回は私も登壇しましたが、今回は2名のオーラル指導の上に座長も仰せつかっているので、手が回らなくてパスとしました。だってライフが・・・。

 専攻科生は学会発表経験が義務です。KRISは良い機会と思うのです。あれ? おかしいなぁ。

 続くそのトップレベルの一つであるICDCM2025では、彼らにはポスター登壇してもらう予定です。こちらは鷹林がオーラルで立ちます。順番次第ではありますが、彼らの前座として。でも昨年は逆にトリとなって計画が崩壊してしまいましたけどね。

 そう、「先ず隗より始めよ」です。

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2025年度日本表面真空学会九州支部学術講演会

 6/28(土)は、「2025年度日本表面真空学会九州支部学術講演会」に参加してきました。2025年初の学会となります。去る2024年12月の「2024年度応用物理学会九州支部学術講演会」と続く「第28回プラズマ・核融合学会 九州・沖縄・山口支部大会」を終えてからは休養期間として、春休み等の学会はパスしていました。昨年度のチームは非常に優秀で研究がどんどん進んだのは喜ばしいことなのですが、ちょっと立ち止まって一旦整理したい気持ちとなりました。では整理できたかというと、別の仕事が色々入ってきて、結局休養とは何だったのかということになった感じですけど・・・。

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