前回の不適合なアウトプットの事例で真っ先に生じる問題が、被害者の保護者からのクレームです。学校へ通うのは学生さんではありますが、授業料を出しているのは保護者です。授業料を出している以上、学校に適切な環境における最高の教育を期待するのは至極当然です。しかし残念ながら、この極めて当然の期待、ISO9001:2015で言う「利害関係者のニーズ及び期待の理解(Understanding the needs and expectations of interested parties)」が分かっていない人も存在します。ISO9001:2015の最終目標が「顧客満足(customer satisfaction)」であることを理解しておけば、造作もないことなのですが。
その品質管理の中核となるISO9001:2015では、「不適合なアウトプットの管理」が定められています。日本語としてはこなれていないですが、原文では”control of nonconforming outputs“です。ISO9001:2015は製造業だけがターゲットではありません。サービス業も対象です。では教育はどうでしょうか?