英語での住所の書き方

 仕事柄、英語で住所を書きます。英語で論文書いてナンボの業界ですから。英語での住所の書き方は、日本語の場合と逆になります。日本語では「都道府県→市区町村」ですが、英語では「市区町村→都道府県」と逆になります。世界観が逆です。

 ただし、書き方についてネットでは混乱しているようです。私のやり方、というよりこれが公式だと思っているんですが(日本郵便のプロフィールからして)、例を挙げてみましょう。

 有明高専では、

  • 〒836-8585 福岡県大牟田市東萩尾町150
  • 150 Higashihagio-machi, Omuta, Fukuoka 836-8585, Japan

となります。以前働いていた東北大学(片平キャンパス)では、

  • 〒980-8577 宮城県仙台市片平二丁目1-1
  • 2-1-1 Katahira, Aoba-ku, Sendai, Miyagi 980-8577, Japan

となります。さらにその前に働いていた広島大学(東広島キャンパス 大学院先端物質科学研究科)では、

  • 1-3-1 Kagamiyama, Higashihiroshima, Hiroshima 739-8530, Japan
  • 〒739-8530 広島県東広島市鏡山1-3-1

となります。

 よく間違える点としては、

  • “× Higashi-Hagio-machi”のように、方位(東西南北)を含んでも単独町名であるならば、ハイフンで分割することはありません。”△ Higashihagiomachi”でも良いとは思いますが、長いのでハイフンを入れた方が良いかと思います。ただし、”Otemachi”(大手町)など短い町名にはハイフンはなくてもよいと思います。そもそも”Higashihagio”は単独で使えますが、”Ote”だけでは意味不明になります。
  • “× 150, Higashihagio-machi”や”× 2-1-1, Katahira”などのように、番地名と町名との間にカンマは入れません。ただし、丁目は数字は町名の一部として漢数字で書く(二丁目)ので、”△ 1-1, Katahira 2-chome”としてもOKですが、マイナーです。この場合は数字が分割されて紛らわしくなりますので、カンマは入れるかなあ。
  • “× Omuta-shi”、”× Omuta city”、”× Sendai-shi”や”× Sendai city”などのように、「市 (-shi)」は付けません。これを英語変換した(city)も付けません。ただし、”Higashihagio-machi”や”Aoba-ku”のように、より小さい行政単位である「町 (-machi)」や「区 (-ku)」は付けます。(-ku)をその英訳である(-ward)にはしません。
  • “Higashihiroshima”(東広島市)は単独地名ですので、”× Higashi-Hiroshima”とハイフンは付けません。一方、山陽自動車道の広島東ICなどでは、広島東という地名はないので、”○ Hiroshima-Higashi”とハイフンを入れます。
  • “× Fukuoka-ken”や”× Miyagi-ken”のように、都道府県名(-ken, -fu, -to)は付けません。ただし、”Hokkaido”は一纏まりの語となっているので例外です。”Hokkai”だけでは意味不明ですよね。
  • “× Fukuoka, 836-8585″や”× Miyagi, 980-8577″のように、都道府県名と郵便番号との間にカンマは付けません。
  • 郵便番号(ZIP code)はその国内だけに通用するものなので、”× Fukuoka, Japan 836-8585″や”× Miyagi, Japan 980-8577″のように、国名の後には付けません。

というところですね。

 時に国名を”JAPAN”のように大文字で強調することがありますが、正式ではありません。

 特例として、仙台市は政令指定都市でありますので、下記のようにMiyagiを省略することがあります。

  • 2-1-1 Katahira, Aoba-ku, Sendai 980-8577, Japan

 東北大学時代の論文では、この表記を使っていました。これは、都道府県名と都市名が一致する場合も含まれます。広島県広島市がそうですね。”Hiroshima, Hiroshima”と続きますからね。ただし、広島市は県庁所在地かつ政令指定都市で問題ないんですが、そうではない栃木県栃木市はしんどいかなあ。

 さて、どうでしょうか。

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