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点灯管 for 蛍光灯

 この年末年始は、ファミリーの実家で過ごしています。仕事もこちらでです。残念ながら、著名な文学者が温泉旅館に長期滞在して傑作を執筆する、というイメージではありません。

 ここの蛍光灯が軒並み点かなくなっていて暗かったので、調べてみたところ、点灯管が切れていました。蛍光灯本体ではありませんでした。異界の者との戦闘での定番ネタ、「本体はあっちか!!」的な。

 蛍光灯って、放電現象によって光らせているんですが、これを開始させるにはちょっと高い電圧が必要です。単純に100 Vをかけただけでは、光りません。一度点いてしまえばそんな高い電圧は要らないのですが、「明日から本気を出す!!」的なモチベーションが要ります。そのモ○スターエナジーが、点灯管です。

 そうでないと、簡単に光る、つまり、世の中熱いハートのやる気人間ばかりとなって、疲れますよね。

 最新の点灯管は、トランジスタを利用した昇圧回路でできています。電子点灯管、と呼ばれています。トランジスタは基本壊れませんので、非常に長生きです。ただし、300円程度でちょっとお高いです。回路も難しいです。

 でも今注目したいのは、バイメタルを使った基本的な点灯管の方。50円程度とお安い。いやねぇ、よくこの仕組みを思いついたなあと、つくづく感心します。ピ○△ラスイッチ的な賢さがあります。

(※電子点灯管の価格は6倍でも、寿命は10倍なので、投資するなら電子点灯管かな。)

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図書館と本

 研究室の学生さんに連れられて、校内図書館へ行きました。卒業研究に関係する真空工学の本を探しに。図書館に行くのは有明に来て3回目です。ほとんど縁がありません。

 本校では真空工学に関する本科授業科目はないですし、館内蔵書は開講授業の教科書に近しいものだけだろうなーと思っていたら・・・、おおーっ、魅力的な蔵書に溢れているではないですか!! スイマセンでした。反省します。

 書棚を眺めていると、時間が経つのを忘れます。図書館は良いものです。

 ただし私、図書館で本を借りるのは嫌いです。学術論文雑誌を除いて、本は「自分で買う」ことをモットーにしています。論文雑誌の場合は、必要な論文はその号内の一報だけなので、一々買い揃えていてはコスパが悪いです。

 「必要なときに、必要な本がすぐ手元にある」状態にしておきたいので、魅力的な書籍は買い揃えます。

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電子工学とECLコース

 以前にも載せたように、今期からCL(応用化学/環境生命)コースに「電気工学基礎II」という科目で、電子工学の基礎を講義しています。ダイオードやトランジスタの基本的なお話です。

 授業をするからには、授業資料をつくるために勉強し直します。私はEコースにはいますが、彼らと同じ化学出身なので、自身の経験を基に授業計画をつくることができます。全ての物事を一気に叩き込んでは消化不良を起こしてしまいますので、必要なものを必要なだけ絞って、根本と基本をと取捨選択しています。

 さて世の中の報道で誰もが耳にするように、日本はかつて電子立国と呼ばれ、電子工学は日本のお家芸でした。しかし現在は、韓国や台湾などの周辺諸国に置いてけぼりにされています。それで、「俺たちは何故失敗したのか?」という様々な反省論は後を絶ちません。

 化学と物理と電気を渡り歩いてきた私からすれば、それは「電気と化学の不融和」にあるんじゃないかと思います。授業を進めていきながら特に最近強く思うようになりました。

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高等教育とテストと卒業研究

 本日から後期中間試験です。試験すなわちテストというものから、高等教育について考えていきます。

 個人的には、4年生までの試験はガチガチに行いますが、以降の5年生と専攻科では比較的楽にするようにしてします。もちろん、後者の方が内容は高度ですよ。その理由は、決して手を抜きたいわけではなく、「高等教育をしたい」からです。

 有明高専では、4年生後期から卒業研究が始まります。一般には5年生になってからなので半年早いのですが、これは素晴らしいことだと思います。それは、「卒業研究が高等教育の象徴」と思うからです。

 一般に、授業形態は大きく分けて、3つあります。

・卒業研究
・実験、実習
・座学

 座学は、後期中等教育もしくはそれ以下と思います。要するに高校です。何故なら、学ぶというより、座って「学ばされる」からです。高等教育機関が高等教育機関たり得る根拠の一つは、卒業研究すなわち研究活動があるからです。実験、実習は両者の中間です。

 高専(高等専門学校)と同年代の若者が集う学校には他に、私立専門学校と厚生労働省所管のポリテクカレッジがあります。後者には馴染みがない方も多いかもしれませんが、工業職能訓練を主眼にした専門学校です。高専はこの中で卒業研究を行うことができ、そのため他二者に比して社会的評価が高いです。

 研究というものは、テストやナントカ資格とは違って形のないものであり、点数評価しにくいものです。ですから後回しにされる場合があります。しかし、座学や資格の試験勉強、ましてや落とした単位の取得への勉強に卒業研究を削るのは、「本末転倒」です!! 高等教育を自ら否定して、自らをわざわざ低めて一体何がしたいんでしょうか?

 研究活動というものは、決して専門バカをつくるためのものではありません。未知への探求を通じて、「考える力・まとめる力・切り拓く力」を、時間をかけて養っていくものです。社会で評価される能力はこれらの力であって、決してテストで100点を取る力ではありません。座学や資格は、高等教育たり得る研究活動・探究活動の土台にしか過ぎません。

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2期生配属されました

 研究室の第2期生である4E学生さん達(創造工学科3期生)5名が研究室配属されました。宜しくなのです。

 高等教育は、研究室配属されてからが本番です。それまでの生活は序章であり、成績は仮の姿です。

 それまでの成績は特に気にしません。丸暗記で要領よくこなした100点よりも、地道に不器用に苦労して得た60点の方がはるかに価値があるからです。テストなんてものは、正解が既に分かっていることを時間内に効率よく解くことを求められるだけの、クイズの一種です。世の中には、時間をかけないと分からないことや、またいくら時間をかけても分からないことばかりです。クイズ王が世の中を救いますか?

 例えば、電気磁気学で本当に必要なものはMaxwell方程式ですが、これを解くのは時間がかかるので試験問題は作りにくいです。そう、テストは必要悪でしかありません。

 研究室配属されてから大きく成長する学生さんもいれば、その逆もあります。じっくり考える研究活動は、大器晩成を引き出します。

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教材と研究

 教材は全てオリジナルで作っています。教科書は一応指定していますが、これは主に最終確認と自習用です。最終確認というのは、私自身が誤って理解していないかを確認することです。自習用とは学生さんので、私の伝達法だけでは理解が偏ってしまうかなと恐れるからです。高等教育は高度な分、教授法も千差万別です。

 初等教育、たとえば1 + 1 = 2というのは、誰が教えても大差ないと思います。しかし高等教育となり、内容も高度になってくると、上述のように教授法は千差万別ですから、教える側の力量が効いてきます。何を教えるかよりも、「誰が教えるか」です。

 力量がないと、教科書の字面だけを追って授業することになります。教科書というのは、人類が長年に渡って積み重ねてきた知見をコンパクトにまとめたものです。人類は成功よりも失敗を多く積み重ね、その失敗を都度乗り越えてきたことで、現代の高度文明があります。

 教科書は、失敗をほとんどカットして、成功事例のみを集めたものです。皮肉な話ですが、基本的にそれだけを読んで真に理解できるようにはできていません。失敗せずして成功することなんてないのですから。失敗事例まで組み込んでしまうと、分野によっては、教科書の厚さは富士山よりも高くなるかもしれません。

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CLコースにこんにちは

 本日、5年CL(応用化学/環境生命)コースへの乗り入れ授業「電気工学基礎II」の第1週を行いました。

 化学の世界に戻ってくるのは、博士号を取って以来です。どうも、帰ってまいりましたー。

 電子工学の基礎をやります。トランジスタを使うやつですね。電子工学って、化学の素養があると、割合親しみやすいんですよね。だって、トランジスタ材料を用意するのに化学要りますから。

 固体物理的数式祭りやガチガチ回路計算のアプローチではなく、化学をベースにして、できるだけ数式を使わずに視覚的にやっていきまする。

表紙でござる。

 半年間、よろしくです。

 え? 「Eコースでは数式ガチガチでやっているやないか!!」ですって? だってー、仲良くなるのに数式は要らないでしょ。

 さあ、CLでタクトを揮いますよ。

オープンキャンパス2021

 昨日はオープンキャンパスでした。

 中学生と保護者様のペアに、所属Eコースの電子分野の説明をしました。昨年は初年度だったので自身がオープンキャンパスしてましたが、今年はバッチリ説明担当でした。全12回の説明機会のうち、研究室学生達2人と4回ずつのローテーションで。

情報通信をテーマに。理論を添えて。

 説明のコンセプトには「楽しさ」や「分かりやすさ」を求めるのがありますが、私は「これから乗り越える高い壁」をコンセプトにしました。中学生にはちょっと難しかったかもしれませんが、高専生活でできるようになりますですよ。

脳みそのご利用は計画的に

 小中学校は夏休みが終わりましたかね? 夏休みも終わり頃になると「宿題やばいよ、やばいよ」という子達は全国にたくさんいますね。

 大人になると、次から次へと仕事がやって来ます。〆切や難度を踏まえて、優先度を付けて計画的にしないとこなせません。そう、かくいう私はその渦中にあります。

 私は小学生の時に夏休みの宿題を計画的にこなしていた!!・・・・わけでは、ぜ~んぜんありません。残念ながら。歳を取って、そうせざるを得ないように体がしつけられてきました。だって、終わんないもん。

 でも、「良い子の皆さん、大人になったら何とかなりますから、夏休みは遊びまくりましょう!!」・・・とは、立場上言いにくいなぁ (書いてるけど)。

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自由をこなす力と卒業研究

 学生さん達は、夏休み中です。教員って夏休みはヒマなんですかって? いえいえ、と~~んでもございません。むしろ、より忙しいほどです。夏休みの期間は、開講期間にできなかった研究を進めたり、次期の授業準備をしたりと、もう大忙しです。ねこねこ55の手も借りたいです。

 突然ですが、私、博士です。「士」とか「師」とかつく職業の人、つまり士/師族の一人です。略して「S族」にしましょう。S族には、博士、弁護士、司法書士、会計士、医師、歯科医師などなど、色々ありますね。これらS族に共通する能力は何か分かりますか?

 専門知識? それもありますが、もっと大事なものがあります。

 それは、「自由をこなす力」です。

 自由な時間を如何に有効に運用できるか、使いこなせるか、です。S族は、人に指示する立場であって、指示される立場ではありません。ということは、自らを律して自らを管理することが求められます。無論、指示することに驕るというのは、論外ですね。

 S族は、世間からそれぞれの分野でのリーダーシップを求められます。大学院生時代に、恩師によくよく教えられました。「判断し、決断し、実行する力」を求められます。その分、自由な時間裁量が許されています。

 その自由時間を如何に有効に消費できるかが、これら職業の人達のランキングに繫がるでしょう。

 自由を使いこなせない人は、S族を名乗る資格はありません。

 私は自身を忙しくすることもできれば、ヒマにすることもできます。ただし、怠ったツケは自分で償わなければなりません。S族は、生み出す結果が全てで、自己責任です。

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勉強し直して参ります

 期末試験前までの授業が終了しました。本日から4連休です。ただし明けた後の期末試験が5連続ですけど。

 その最後の授業で、学生さん達から資料ミスを指摘されました。よくよく考え直してみると・・・、ごもっともです。何を血迷ったか、私。別の回で教えたことと矛盾しています。

 言い訳してもしょうがない。ミスはミスです。それに大小も上下もありません。直ちに訂正作業とお詫び通知をしました。有明高専ではインターネット環境が完備されているので、連休に関わらず通知出せて良かったです。もしこんな環境がなかったらと思うと、我が身の責任の重さにゾッとします。

 そんな我が身の恥はさておき、指摘されるということは彼らがしっかり勉強してくれているという証拠であり、言うべきことが言えるということは、授業の雰囲気としては良いと解釈しました。我が失態ながら、嬉しく思いました。一方的に正義を押しつけることは、自身が正義であり続けなければならず、自分にとっても苦しいことです。

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