Tag Archives: 教育

OUTPUTの厳しさ

 10月になり、卒業研究が佳境を迎えてきました。今までのある意味詰め込み型授業と違うことに戸惑いを覚える学生達がいたりします。

 「中級技術者育成」という当初の高専理念を達成するには、厳しい詰め込み型カリキュラムは当を得ています。しかしながら、大学進学を希望する学生達の増加、進学率の増加、さらには科学技術の著しい高度化に対応するためには、そのシステムを再考する時期に来ているのかなと思います。

 中級と高級の違い、それは「OUTPUTの厳しさ」の有無です。中級ならば、指示されたことすなわちINPUTを懸命にこなせば達成されます。分かりやすいので、褒められます。ゴールは決まっていますので、点数評価のシステム構築は容易です。こういうの、お役人様は大好き中の大好きなので、山盛りにシステムの仕事が降ってきます。

 一方で高級に求められるものは、OUTPUTです。世の中に対して何を披露できたかです。ゴールを一律に決められないので、点数評価できるものではありません。褒められることもあれば、そうでないこともあります。評価は人それぞれです。

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第二種電気工事士受験中!!

 国家資格である第二種電気工事士を取ることにしました。学歴不問の資格ですので、化学系出身の私でも取れます。

 我が有明高専のエネルギーコースでは、本資格技能試験の講習会を開催しています。毎年上期と下期の2回の受験機会両方とも実施しています。学歴不問ですので、早い学生では2年生で取得します。平均的にはコース配属後の3Eが多いようです。工業高校からの4年次編入生諸君は、第一種まで取って編入してきますね。

 今までは端で見ている立場でしたが、担任ということもあり、学生達の輪に交じって勉強するのも良いかと思いました。また、手作り放電プラズマという研究テーマ的に考えると、取得しておいて損はないかなと思いました。これまで技術職員さん達に頼りっぱなしだったのを、自分でも考えていかないとですね。

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信頼性工学、始まるよ

 後期が始まりした。5E割り当ての授業「信頼性工学」が始まります。

 この科目、選択科目です。第2/3種電気主任技術者になるための認定用科目ではありません。電気の専門でもありません。さらに卒業間近の5E後期において開講ということは、つまりは重要性の低い科目です。無理に取らなくても卒業できます。

 しかしながらこの科目、私が最も気を遣う科目です。なぜなら、社会へと巣立つ彼らにとって、一番必要で大切な科目と思うからです。事実、卒業生からは最も評価を得ている科目です。

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わらしべ長者

 最近、何かと仕事周りが調子良いです。怖いくらいに。

 装置や実験環境は充実していくし、学生さん達は頑張ってくれるし、学会では評価されるしと。欲を言ったらキリがありませんが、悪くない今現在です。

 こういうときって、大きな落とし穴に落っこちそうで怖いので、気をなるべく引き締めています。好事魔多しですしね。

 そのベースは何かと考えると、ふと見回して、周りに何かと良くしてもらってきたおかげかなと思います。困っていると、どこからか誰かが手を差し伸べてくれて、何かしら身の回りが充実していきます。物だったり、人だったり。正にわらしべ長者です。

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ISATE2023の旅 (3/3)

 発表後翌日の9/14(木)、朝から長崎で線状降水帯が発生したとのニュースで出ましたので、早めに切り上げて帰ることにしました。翌日15日も別の仕事が詰まっていましたので。

 結局期間中は、ずっとホテルにカンヅメでした。翌週に控えた応用物理学会の準備など、宿題が山積でしたので。玉造温泉とかでゆっくりしたかったのですが、そんなヒマ全くなく。そういえば、どこかの国会議員が研修先のフランスで遊んでニュースになっていましたね。羨ましい限りですわ。高専の人手不足は深刻ですよ~。

 珍しくもないことですが、「何しにここまで来たんだ?」でした。

 で、松江駅です。しまねっこよ、すまぬ。

しまねっこよ、また来るよ。指定席だけど。
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ISATE2023の旅 (2/3)

 さて、本番です。発表資料は先週何とか仕上げることができました。3学年にわたる教育プログラムをたった20分弱で説明するために、カットにカットを重ねて、絞り上げた内容となりました。

 国際会議ですから、もちろん英語です。最近は忙しくて発表練習する時間的余裕はないので、イメージトレーニングを軽くこなしてからのアドリブです。イメージトレーニングとは、展開を考えることです。ここでこれをアピールしようとか、ここで間を取ろうとか、色々とイメージします。ドラゴンボールでやっていたやつです。優しい人は気を遣い、ドラゴンボールでは気を使います。

始まるよ。
教育プログラムの概要です。詳しくはお問い合わせください。
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ISATE2023の旅 (1/3)

 今週は、島根県松江市において開催されるISATE2023 (16th International Symposium on Advances in Technology Education for Engineering Education、第16回国際工学教育研究会)へ参加しました。ただし、今回の会議はいつもの研究関係ではないです。日頃行っている授業教育成果を発表するもので、有明高専代表として行きました。せっかく高専教員やっていますから、この手の会議には一度出てみたかったです。大学では経験できないことです。

 さて、移動です。いつものように新大牟田駅からスタートです。早朝からの移動となりました。新幹線通勤の人達もままいて、日中よりもホームには人が多かったです。向かいのホームに下りのつばめ号が入ってきました。ただし800系ではなくて、日中はさくら・みずほ号に使用されているN700系が使用されていました。忙しい早朝ならではですね。

向かいの下りホームに、N700系バージョンのつばめ号です。
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保護者面談、始まるよ

 明日から保護者面談です。有明高専では、全学年全クラス一斉に行います。5年担任なので、渦中です。5年生は最後の面談になります。今月は学会準備で多忙度Max、まぁいつもそうなんですが、何とか時間をつくりました。

 3月の面談は進路が議題でしたので、学生さんと揃ってお越し頂きました。もう卒業を半年後に控えていますので、今回は保護者だけでOKです。だけど最後の機会なので、学生さんと一緒でも一族で揃ってきても構わないです。

会場の居室を片付けました。

 高専はこのように、高校の延長で5年生になっても面倒見が良いです。別の見方をすれば、過保護かもしれません。意見の分かれるところです。

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損して得取れ

 生きていると、自分に不利な状況にいくらでも遭遇します。ある意味、毎日です。

 例えば、「面倒な仕事を押しつけられた」なーんてのが一番分かりやすいですかね。

 しかし、そんな一見不利な状況に際して、それをどのように自分の有利な状況、自分が得する状況に持っていくかを考えることが最も大事なことと思います。実は自分が得する展開になるかもしれない、自分が成長できる機会になるかもしれないと。

 もし不幸な状況に陥っても、それを他人のせいにしても仕方がないです。その人の信用を失うだけで、不幸の上塗りです。それよりも、その状況を如何に克服し、自分にとって有利で得な展開に持っていくか。腕の見せ所です。

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In a taxi

 先日の夜、大牟田市内で知人と会食をしました。教育や研究談義に花が咲き、あっという間にラストオーダーの時間が過ぎました。夜も遅くなったので、タクシーを呼んで帰りました。

最後のデザート

 タクシーの運転手さんともお話をしました。話の流れの中でふと、私が有明高専の関係者であり教員であることを切り出し名刺を渡すと、息子が有明高専卒業生であると言われました。卒業してもう四十歳くらいになるが、東京で働いて幸せに暮らしいてるとのことでした。有明高専には感謝しているとのことでした。

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静岡大学 増澤先生ご来校

 6/13(火)、静岡大学 電子工学研究所 (情報学部 情報科学科兼任)の増澤 智昭先生がご来校されました。3E対象のグローバルエンジニアリング講演のためです。本年度1回目です。昨年度はこちらこちらです。

 新大牟田駅にお出迎えし、そのまま本校へ。校内ご案内と軽い打ち合わせの後、講演へ臨みました。

ご講演中です。

 3E学生さん達にはベクトルが合ったらしく、ご講演は盛況に終わりました。

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