Tag Archives: 教育

Digital Detoxと恩師の教え

 情報過多の現在、スマホでインターネットを通じてdigital資産を使えば、容易に必要な情報を必要なだけ得られます。かくいう私も日常の忙しさに負けて、そのような情報入手の占める割合が多くなりました。読書の時間がめっきり減りました。

 Digital経由であれば、書籍よりもはるかに容易に情報を得ることができます。しかしながら、自分では賢くなったとは思えません。むしろ知能の劣化を実感する有様です。深い思考が出てこないのです。湧き出すような思考が。

 以前に述べたように、研究室の研究は一段落の時期を迎えています。一つの時代が終わる感じです。最後の仕事である論文化へは、思考の深さに基づく創造性が必要なのですが、我ながら浅さを感じてならないです。老いてしまったのかと。

 そんな時、研究室の学生さんが学士会報を読んでいました。学士会報とは、学士会が毎月発行するオピニオン誌です。学士会は旧七帝大の連合同窓会で、私も会員となっています。会員には学士会報が送られてきます。論考を寄せる方々は旧七帝大のOB/OGで、いずれも感銘する深い内容なのですが、忙しさにかまけて研究室に山積みにしています。それを目にした学生さん曰く、面白いとのことでした。

学士会報は面白いそうです。
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法理の限界と絶対的存在

 現在の社会は、法で詰められた社会です。法で詰めることにより、皆が幸福な社会を作ろうとしています。若い人ほど、白黒をハッキリさせようとします。かくいう私もそうでした。

 しかしながら法を詰めていくと、却ってその盲点、矛盾点がきらびやかに浮かび上がってきます。所謂グレーゾーンです。つまり、法で人間の行動全てを制することはできないということです。

 法の限界線ギリギリにいる人ほど、矛盾を責めて自己に有利な状況に持ち込もうとします。それが良識(common sense)では到底歓迎されないことであっても、法を詰めた社会では罰することができないことがあります。その人を一時的に利することになったとしても、社会が利されることはありません。そう、その利は一時的にしか過ぎません。

 民主主義の世の中は、視点を変えてみれば、法を詰めた世の中です。生きやすいと思われる反面、法匪が跋扈しやすい危険性があります。古代中国、法が定められた秦の社会は瞬く間に滅びました。法三章の漢が取って代わり、長く続きました。人間社会は、個人と同様に、流転するのでしょうか。

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ホームページからの今昔

 当初はいきおいで立ち上げたこのホームページでしたが、いつの間にやら日々の趣味となりました。日々の業務に忙殺されていますので、趣味は欲していません。それよりもじっくり考えることができる自由な時間が欲しいです。・・・が、趣味となりました。

 特にフォロワーを欲しがったわけではないですが、全国の高専、大学、そして企業の方々が閲覧してくださっているようで、まあ人生ボッチではないなと安堵しているところです。

 昔を思い出せば、ちょうど学生さん達と同じ年の頃はインターネットが世に出始めた頃でした。スマホどころか携帯電話が珍しい時代でした。さらには下宿に電話がありませんでした。さすがに電話がないのは不便なので、加入権を買って部屋に引きました。加入権・・・、死語ですね。

 そんな当時、今と同じようにホームページをつくってみたことがあります。大学のサーバを使って、見よう見まねで。まだHMTL 2.0の時代でしたので、デザインは現在のものに遠く及びません。中身は今と変わらないスタイルでした。

 しかしながら若くて世間知らずだったこともあって、語れるネタも少なく、半年くらいで止めたと記憶しています。何か、何でもいいから、語れる人に憧れたものです。

 さて、そんな自分の若い頃と比べれば、目に映る学生さん達は「基本的に」優秀です。今はスマホから色んな情報を手に入れることができて、容易に広いネットワークがつくれて、そして実際に留学などで自由に羽ばたくことができる。良い時代です。

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国際交流に考える (2/2)

 有明高専ではグローバルエンジリアリング講演(GE講演)という制度があり、英語を母国語ないし主要言語としている外国人ないし英語が話せる日本人を講師として招いています。コース別で年2回開催しておりまして、各国際交流担当者が差配しています。エネルギーコースはこの4年間、私です。

 題目は専門的内容に限らず、講師のキャリア形成と将来プランでも良いです。3年生が主対象ですので、前者の内容が深すぎてはついていけません。3E以外にも、2E~7Eのみんなができるだけ聴講できるように段取りしています。

 講師は、人づてに人づてを重ねて毎回素晴らしい方をお招きできています。素晴らしさの基準は、学生さん達にとって有益であるかどうかです。講師の方々の生き方が、学生さん達のうち一人でも良いので、心の柱や人生の目標となってくれればと願っています。

 結局、人は人に育てられます。決してモノではありません。人生の幸福とは、親以外に目標とできる人、「師」とも言いますが、を持つことでしょう。

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国際交流に考える (1/2)

 今週、国際交流に関わる全体会議が有明高専で開催され、参加しました。

 高専生活6年目で、3年目からずっと国際交流に携わっています。別に望んだことではなく、校務としてやっています。しかし、やる以上は精一杯やってきているつもりです。

 かなり大雑把に考えます。先の戦争指導者の世代を第1世代とすると、祖父母は2、父母は3、私は4、学生さん達やお息子さんは5となります。

 現在の世の中を見ると、平和だよなと思えることが多いです。私が子供の頃は、あちこちに戦争を引きずっているものがありました。現に経験者がたくさんいましたし。戦争はひ孫の代(4)まで祟るということです。

 別に「国際交流で世界を平和にするぞ!!」というほどの熱意はありません。人類の歴史は、戦争の歴史です。「人間の歴史に『絶対的な善と絶対的な悪の戦い』など存在しない。あるのは、主観的な善と主観的な善との争いであり、正義の信念と正義の信念の相克である」とは、遠い未来のヤン・ウェンリーも言っています。

 とはいえ、学生さん達へ可能性を提供するのが仕事の第一ですから、なんとか国際交流の仕事やっています。今や国際交流、端的に留学は、遠くの言葉ではなく、すぐ身近にあるものです。何人でも簡単に行ける時代です。

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3E工場見学2025

 10/28(火)は、3Eで恒例の工場見学に行きました。3Eでは日帰りで2社を工場見学することになっています。昨年度は副担任でしたが、今年度は正担任として差配を司りました。

 午前中は、有明高専から程近い田辺工業株式会社の大牟田支店を訪問しました。田辺工業さんは新潟県上越市に本拠を置く独立系プラント企業です。数年前に大牟田に進出して来られて、以来お付き合いがあります。有明広域産業技術振興会の会員企業でもあります。昨年、教育訓練センターが同支店内に竣工しました。今回はその教育訓練センターの見学を目的としました。

 一般に工場見学はその名の通り工場を見学するものですが、学生さん達の理解が追いつかないことがあります。品質管理を習うのはまだ先の5年生ですから、工場の安全管理や作業工程管理などの実務的内容の理解は難しいです。今回は入社後の教育訓練制度のあり方について、学ばせていただくことにしました。5年間の高専生活では、どんなにカリキュラムを詰めたとしても学べることは限られます。入社後どんなことを学ぶのか、また学ばなければならないか、それに対してどのような制度が整えられているかについては、是非知っておきたいところです。福利厚生、つまり与えられることだけ見ていてはいけません。近い将来は与える側になるのですから。

 学生51名という大人数での訪問に際して、大牟田支店ならびに社内関係部署の方々を挙げて対応して頂きました。心より感謝いたします。

大牟田支店長からの締めです。
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世間と研鑽

 夏休みは休みなく終わり、後期が始まりました。夏休みはまず学会を巡り、その後は3E担任として保護者との面談でした。51名も学生がいるので、全てをこなすのに休日返上で2週間かかりました。個々の保護者とじっくり向き合いたく、面談時間は30分を基本にしたので、長い日程を要しました。いずれも教育熱心な保護者ばかりで、学生達を預かる教員として自らを成長させていかなければならないことを考える良い機会となりました。学生達個々に対して何がBestか、何ができるかを考えます。一人一人皆違いますし、一人一人が私の教材です。

 常に同じ若い世代を相手にする教員は、知らず知らずの間に裸の王様になってしまう危険性を孕んでいます。俗に言うと、上から目線ですね。そんな世間ズレした教員に進路を相談ないし委ねなければならない学生さん達は、不幸でしかありません。

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サーキットデザイン教育センター開所式

 9/29(月)、この度有明工業高等専門学校が設置するサーキットデザイン教育センターの開所式が、大牟田アリーナで行われました。はい、ロボコンに続いて3日連続で大牟田アリーナです。

 高専機構では、K-semiconという半導体工学に関わる人材の育成教育に関するプロジェクトを進めています。半導体工学、すなわちトランジスタなどの電子デバイスならびにその集まりで所望の機能を有する集積回路(Integrated Circuit, IC)をつくるには、大きく「設計前工程後工程」という3つの工程があります。日本は前工程が強いです。前工程とは、材料を用いて実際にデバイスをつくる工程で、材料科学の一分野とも言えます。私はこちらに入りますかね。後工程は、できた回路を皆が使えるようにパッケージしたり、装置に組み込んだりする工程です。

 残る設計は、つくりたい回路の図面を考える工程です。日本には、何をつくるかという総合マネージメント人材と、実際にそれを絵にする設計人材が不足しています。前工程と後工程はそれを実際の形にするですね。というわけで、高専はサーキットデザイン教育センター(Circuit Design and Education Center, CDEC)という組織を有明につくって、設計者育成を担うことになりました。

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ISATE2025

 9/10(水)に秋の応物は閉幕しました。さあ帰路だと言いたいところですが、さらに1件会議がありました。ISATE2025です。ISATEは、”The International Symposium on Advances in Technology Education”の略で、高専の教育に関する国際会議です。全国の高専の他、友好関係にあるシンガポールポリテク(SP)の先生方が参加されていました。SPは高専のようなものです。

 一昨年、島根県松江市で開催されたISATE2023に出ました。当時は、「高専に来たからには、こういう会議も経験しておかないとねっ」というノリで、積極的に参加しました。しかし帰路に肋間神経痛というとんでもない目に遭いました。

 一昨年の参加でこの会議は卒業だと思っていました。教育関係の研究活動をしている先生方は他にたくさんいますし。ところが、今年も役回りが回ってきました。何故でしょう・・・? 各高専から1名出すということだったらしく、私が再び出ることになりました。教育関係の研究活動は特別してないんだけどなあ・・・。

 名古屋のホテルをチェックアウトして、名鉄に乗って会場へと向かいました。会場は豊田市の豊田市福祉センターでした。今回は地元の豊田高専が幹事でした。

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コストと良心

 目下、お盆休み中です。今年度はカレンダーの関係で、長いです。しかし九州は忘れた頃の梅雨状態で、線状降水帯が思いっきり暴れています。お出かけどころではありません。横殴りに打ち付ける雨が、玄関の隙間から染み込んでくる始末です。猛暑&水不足はどこかに吹っ飛びました。

 そんなお盆休みですが、何かとすることはありますし、明けたら学会ラッシュですので、仕事しています。平日は学生さん達の相手で一日があっという間に終わってしまうので(※基本業務ですけどね(^_^;))。休み期間中は落ち着いて自分のしたい仕事ができます。主に研究関係ですね。

 さてさて、公の組織にいて不思議に思うことは、コストの概念がないということです。

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It’s Media

 7/20(日)は参議院選挙でした。当然ながら私も有権者の一人でして、投票してきました。長年きちんと投票してきていますが、今回初めて出口調査なるものを経験しました。へー、こうやっているんですねー。

 民主主義では、本来全ての有権者が議論に参加する直接民主主義であるのが理想です。しかし古代と違って世の中が複雑化している現代では、自身の仕事だけで手一杯でなので、政治のプロである政治家さんに託すわけです。間接民主主義ですね。今の目の回る業務量に、政治の仕事が入ってきたらもう無理無理無理ですので、政治家さん達に頑張って頂ければと。

 政治と言えば、演説です。演説と言えば、揚げ足取りです。”It’s Media“ですね。一連の話のごく一部分を切り取って叩くというのは、長年マスコミの常套手段でした。しかし昨今はSNSなど他の情報伝達手段が発達して、そんなハーメルンの笛も効かなくなってきました。

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阿加先生Again

 本日7/15(火)は、本2025年度1/2回目のEコースGE講演でした。はい、今年度も引き続いて、ていうかずっと国際交流担当です。

 今回の講師は、東北大学の阿加 賽見(あか さいけん)先生にお願いしました。そう、先生には約2年半前にお越し頂いて以来2回目のご来校でした。当時ご講演を受けた学生さん達は卒業しましたので、メンバーを入れ換えてのご講演となりました。

 ただし、先生は2年半前より一層ご活躍華々しくあり、ご多忙なところを無理にお時間を割いて遠路お越し頂きました。感謝の限りです。

2回目のご講演です。ただし、学生さん達は初回当時と総入れ替えです。
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