Tag Archives: 電気磁気学

批判すること、されること

 研究活動をしていく際、多分どうしても避けられないことになると思いますが、批判活動をせざるを得ません。すなわち、「先行研究の○△という点が不足、欠点、ないし間違っている」ということです。

 高校時代にある先生が仰せられたこと、「評論家になるな」という言が、今もっても頭に残っています。批判に終始せず、自らの行動をもって示すことです。

 研究活動で、全く未知のフロンティアを自由に進めることはまずありません。必ず先人の活動があり、それを乗り越える形で自らの路を作ります。

 古人曰く、「巨人の肩の上に立つ」です。

 乗り越える懸命さは、時に批判という活動に繋がります。先人には先人の壁があり、それは時に答えを知っている後世の私達には低く見えるかもしれません。その際には、自分がもし同じ立場だったら乗り越えられたかと、厳しく自省しなければなりません。

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Fourier級数とFermi–Dirac分布とこの世の成り立ちな自由な研究

 人類の歴史上で賢い人間を挙げろと言われたら、私は2名の人物を推します。Faraday (ファラデー)とFourier (フーリエ)さんです。

 ファラデーさんは、電気磁気学(電磁気学)がもたらす物理現象を一つ一つ実験的に明らかにしていった人です。電磁気学は後年Maxwell方程式でまとめられたように、Maxwellさんが電磁気学の最終的な勝利者と言えなくもないですが、その基礎を造ったファラデーさんの実験力と観察力にはそれ以上に脱帽です。

 一方のフーリエさんは 、その名を取ったフーリエ級数で有名な人です。フーリエ級数曰く、「あらゆる周期関数は、三角関数の級数和で示される」です。なーんてこと思いつきます? その発想力には脱帽です。

 カクカクした矩形波をフーリエ級数で表すと、

という式になります。これをグラフソフトで描いてみます。愛用のソフトはIgor Proです。∞までの和をとるのは不可能なので、k = 15までに留めると、

という形状になります。

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出ない杭は捨てられる

 電気磁気学や回路設計など、様々な授業を担当しています。しかしどの一つも、大学時代に机に座って教えられたものはありません。研究関係の量子力学も真空工学も物理化学もそう。いや、最後の物理化学は真面目に勉強しておかなきゃならなかったのですが・・・。

 学問とは本来、強いられて行うものではありません。強いられていくら良い成績を取ったとしても、それはほとんど頭に残らず、血肉にはなり得ません。

 誤解を恐れずに言えば、高専生に決定的に足りないもの。それは、学ぶ意欲であり動機。学ばされ、厳しく評価されているから、彼らは見た目には一定以上の学力は身につきます。しかしやらされている立場を続けているならば、所詮は付け焼き刃。卒業したら、いやそれを待たずとも学年が上がると忘れていきます。

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放射線業務従事者教育訓練講習会

 本日は午後から、佐賀県鳥栖市にある九州シンクロトロン光研究センター(SAGA-LS)の放射線業務従事者教育訓練講習会に行ってきました。法律(放射性同位元素等の規制に関する法律第22条及び同施行規則第21条の2)の定めるところにより、放射光実験施設の利用者には年1回の講習が義務づけられています。

 今回はコロナ下のために人数を絞って、校内地域共同テクノセンターの佐藤先生と太田様の3人で行ってきました。

 SAGA-LSでは、こんなことをしています。早くコロナが終息して、学生の皆さんと行きたいものです。結構楽しいと思いますよ。世の中に役立つ電気磁気学の一例でもあります。

玄関です。
全景です。左側は宿泊棟で、泊まり込みで実験できます。逆光で眩しくて、カメラがナナメになってしまいました。

P.S. ノートを忘れてしまい、後日再度取りに訪ねました(ノД`)

教えられなかった不幸と叩き込まれた幸福

 担当授業で受講学生さん達からアンケート評価(匿名)を受けるというシステムがあります。先日結果が出ました。反省する点もあれば、う゛~んと思う点もありました。

 担当している電気磁気学(電磁気学)のような基礎理論は、忌避されるものです。今も昔も。電磁気学を大好きという人はあまりいないと思います。

 しかし、化学を専攻してきたものの立場から見れば、電磁気学ができる電気の人は尊敬に値します。回路理論は何とかなるかと思えますが、電磁気学は一朝一夕にとはいきません。

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翻訳と教科書

 先日、Feynmanさんの「Lecture on Physics」の原書を買いました。言わずと知れた物理学の名著です。

 「今更かよ?」と思うかもしれませんが、日本語訳は昔から持っています。とはいえ、どうにも訳に馴染めずに活用できていませんでした。この度、思い切って大人買いしました。

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電気化学

 毎週、高専教員と地元企業の方々との交流を目的としたオンラインサロン会議が行われています。縁あって、ほぼ毎回参加させていただいております(※忙しいと、時々忘れます。ごめんなさい)。

 先週の回では、「電気化学(Electrochemistry)」の話が出ました。電気化学、そう、私の博士号取得分野です(※正確には、その中の「光電気化学(Photoelectrochemistry)」)。

 とはいっても、博士号を取ってからは、世の流れに身を任せて物理や電気にシフトしてきましたので、今や電気化学とは疎遠になっています。同窓会で話を聞くらいです。でも、当時の電気化学だけの知識力に、己の限界を感じていた(= 独立研究者として生きていけない)のもまた事実ですけどね。

 会議では、ふと企業の方から電気化学について問われることになりましたが、スイスイ答える自分がいました。まあ、そりゃ一応、博士ですからね・・・。川は涸れても、水源はまだ生きているようです。

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偏光サングラス

 先日、佐賀県鳥栖市にある九州シンクロトロン光研究センター (SAGA-LS)に研究打ち合わせに行ってきました。鳥栖プレミアム・アウトレットの正に隣です。アウトレットに行ったことがある人は、すぐ隣が日本有数の研究施設であることに気づかれましたか?

 帰りに、アウトレットで偏光サングラスを買って帰りました。

 有明高専に来てからの生活では東西の移動が多く、車の運転中に朝日や西日がよく目に入ります。前のメガネの時は眩しくて仕方なかったのですが、新しくしてからは耐えられるようになりました。それでも視界が確実とは言えないので、偏光サングラスを探していました。

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設計とそんな時代もあったねと

 後期から回路設計実習の授業が、3E、5E、6Eで始まりました。

 私のような化学(C)出身の人が電気(E)の人に期待することは、主に2点挙げられると思います。

1. 回路が設計できる(つくれる)こと

2. 電磁気学(電気磁気学)がわかること

です。「この実験をしたいんだけど、反応制御には電気回路が必要だ(電気化学でのポテンショスタットなど)。しかし、回路つくれんな~」なんて。

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English

 私、前期は6E(専攻科1年)の英語(生産情報システム技術英語)も担当していました。英語といっても文法云々の話ではなく、英語で書かれた専門分野教材を用いて授業をするというものでした。

 というわけで突然ですが、日本人の英語についてちょっと考えてみようと思います。

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