SPring-8終わりました

 週末のSPring-8実験は無事終わりました。当初の目的の他に面白い成果が得られて、今後の研究展開がとても楽しみとなりました。

 最後に使用システムの展示品を見学しました。実際に実験した後だと、実感がこもっていてよく分かります。

アンジュレータの実物模型を体験しています。アンジュレータは、磁場(磁界)で周回している電子の動きをクネクネさせることにより、より強力な電磁波(放射光)を発生させます。学んだ電気磁気学の知識が遺憾なく発揮されます。
アンジュレータの説明文です。

 SPring-8で使用されている周回電子のエネルギーは、加速電圧 8.0 GeV・電流(電子の量) 99.5 mAです。これら値が大きいほど、放射光は強くなります。この放射光を使って実験するのですが、

  • 測定分解能設定を上げる → 強度が下がる → 得られた実験結果(スペクトル)はシャープだが、S/Nは悪い。
  • 測定分解能設定を下げる → 強度が上がる → 得られたスペクトルのS/Nは良いが、ブロードでよく分からない。

というように、分解能と強度はトレードオフの関係にあります。他の放射光施設では、放射光の素となる蓄積リングへの加速電子投入作業は、一日日中に一回もしくは二回です。ルーレットに球を入れ込むイメージです。そのため夜になると、ルーレット上の球が減速していくように光が弱くなり、測定が難しくなってきます。

 ところがSPring-8では、逐次の投入で常に電流が一定に維持されている24時間運転態勢です。しかも加速電圧が8.0 GeVと大きいので、とにかく光が明るくて(※光が強いことを「明るい」と専門俗語では言います)、とてもスペクトルがノイズなく綺麗でして、初めての私にとっては感動ものでした。

左のモニターに蓄積リングの状況が映し出されています。

 SPring-8は本体の他に、宿泊施設や食堂なども完備された一大研究拠点で、とても広いです。リングは一周1.5 kmですから、下の模型からその広さを実感できると思います。

SPring-8の建物模型を見学しています。

 そうこうしているうちに、帰りのバスが来ました。いつの間にか外は雨でしたが、バス停は屋根付きなので安心でした。

帰りのバスに乗ります。相生駅へ戻ります。

 相生駅からは新幹線です。しかし九州新幹線は停まらないので、一駅先の岡山で乗り換えです。

新幹線に乗り、岡山へ。

 岡山での待ち時間の間、名物デミカツ丼を頂きました。

デミカツ丼です。見た目はよく似ていますが、味噌カツ丼ではありません。味ももちろん全く違います。

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