実験は最高の教師との対話

 ここ最近、人一倍実験しています。複数の共同研究との兼ね合いもあるのですが、まず目に映る範囲の人達の中では一番実験しています。

 歳を取った准教授です。若い頃、そんな歳の人はひたすらデスクワークで実験しないものだと思っていました。「何で実験しないんだろう?」と疑問に思ったものですが、そういうものだと納得していました。

 歳を取ったら、自分も自ずとそうなるのだろうな・・・と思っていたら、いやいや、目下めっちゃしてますです。さすがにあれこれデスクワークがあり過ぎて若い頃のようにはいきませんが、その隙間をかいくぐってやっています。まあそうすると、デスクワークが滞ったりしますけど・・・、困ったものです。

 実験していると、この歳になっても新たな発見があります。新たな理解、ひいては既存の理解の修正ないし再検討が得られます。机上の書籍で理解していたつもりでも、実際に実験してみると甚だ不足していたことに気づかされます。

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It’s Media

 7/20(日)は参議院選挙でした。当然ながら私も有権者の一人でして、投票してきました。長年きちんと投票してきていますが、今回初めて出口調査なるものを経験しました。へー、こうやっているんですねー。

 民主主義では、本来全ての有権者が議論に参加する直接民主主義であるのが理想です。しかし古代と違って世の中が複雑化している現代では、自身の仕事だけで手一杯でなので、政治のプロである政治家さんに託すわけです。間接民主主義ですね。今の目の回る業務量に、政治の仕事が入ってきたらもう無理無理無理ですので、政治家さん達に頑張って頂ければと。

 政治と言えば、演説です。演説と言えば、揚げ足取りです。”It’s Media“ですね。一連の話のごく一部分を切り取って叩くというのは、長年マスコミの常套手段でした。しかし昨今はSNSなど他の情報伝達手段が発達して、そんなハーメルンの笛も効かなくなってきました。

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大阪公立大学テクノラボツアー

 7/18(金)は、大阪公立大学で開催された同学のテクノラボツアーに参加してきました。テクノラボツアーとは、同学産官学共同研究会主催の産官学連携を志向した研究講演会です。今回第149回は、昨年度本校にお越し頂いた同学呉 準席先生のグループの医工連携に関する一連の講演ということで、聴講に出かけました。本会はハイブリッド方式なのでわざわざ出向かなくてもオンラインでできるのですが、会合はやっぱり対面が基本です。対面の場の雰囲気に勝るものはありません。直接関係者と接することで何か良いことあるかもしれませんし。

 というわけで、担任としての朝のSHRの務めを終えてすぐに、新大牟田駅へ移動して新幹線で出かけました。新大牟田駅は基本つばめ号のみの停車駅ですが、朝の上りと夜の下りの少しに停車するさくら号があります。今回の往路はそのさくら号で向かいました。新大阪まで直通は楽ですねぇ。

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学会のお知らせ(2025年4~9月) (7/18 update!!)

 2025年4~9月の学会参加予定です。

  • 2025年度日本表面真空学会九州支部学術講演会
    • 6月28日(土) @ 福岡大学 (福岡県福岡市)
    • 6月28日(土) 10:45~11:00 No. 4 (オーラル): 内藤 陽大 (7E), 渡辺 貴之, 鷹林 将, “閉じ込められた光電子制御プラズマの特性評価”. (※田辺工業(株)との共同研究)
    • 6月28日(土) 11:15~11:30 No. 5 (オーラル): 出村 翼 (6E), 内藤 陽大 (7E), 小野 晋次郎, 恵利 眞人, 古閑 一憲, 山本 圭介, 篠原 正典, 鷹林 将, “定電流規制光電子制御プラズマで成膜したダイヤモンドライクカーボンの応力制御と化学構造”. (※九州大学、熊本大学、福岡大学との共同研究)
    • 6月28日(土) 11:30~11:45 No. 6 (オーラル): 関本 晃久 (5E), 出村 翼 (6E), 内藤 陽大 (7E), 篠原 正典, 高橋 和敏, 鷹林 将, “光電子制御タウンゼント放電プラズマによるグラフェンへのドーピング制御”. (※福岡大学、佐賀大学との共同研究)
  • KRIS2025 (第2回高専研究国際シンポジウム)
    • 8月24日(日)~25日(月) @ 一橋講堂 (東京都千代田区)
    • 8月24日(日) 17:35~17:50 F-O-005 (Oral): Haruhiro Naito (7E), Takayuki Watanabe, Susumu Takabayashi, “Current-amplified plasma confinement by photoemission-assisted discharge”. (※Collaborative work with Tanabe Engineering Corporation)
    • 8月24日(日) 18:05~18:20 J-O-006 (Oral): Tsubasa Demura (6E), Haruhiro Naito (7E), Shinjiro Ono, Manato Eri, Kazunori Koga, Keisuke Yamamoto, Masanori Shinohara, Susumu Takabayashi, “Stress control of diamond-like carbon films synthesized by photoemission-assisted plasma”. (※Collaborative work with Kyushu Univ., Kumamoto Univ., and Fukuoka Univ.)
  • 第86回応用物理学会秋季学術講演会
    • 9月7日(日)~10日(水) @ 名城大学 天白キャンパス (愛知県名古屋市)
    • 9月10日(水) 09:30~09:45 10a-S103-3 (オーラル): 関本 晃久 (5E), 出村 翼 (6E), 内藤 陽⼤ (7E), 篠原 正典, 高橋 和敏, “光電⼦制御プラズマによるグラフェンへのドーピング制御”. (※福岡大学、佐賀大学との共同研究)
    • 9月10日(水) 13:45~14:00 10p-N323-2 (オーラル): 内藤 陽⼤ (7E), 渡辺 貴之, 鷹林 将, “⾃発的に閉じ込められた光電⼦制御プラズマの特性評価”. (※田辺工業(株)との共同研究)
  • 表面技術協会第152回講演大会
    • 9月9日(火)~10日(水) @ 福岡工業大学 (福岡県福岡市)
    • 9月10日(水) 10:45~10:00 10C-06 (オーラル): 出村 翼 (6E), ⼤﨑 奎太朗 (5E), 内藤 陽⼤ (7E), ⼩野 晋次郎, 恵利 眞⼈, 古閑 ⼀憲, ⼭本 圭介, 篠原 正典, 鷹林 将, “ダイヤモンドライクカーボン薄膜が基材に与える応⼒ならびに密着性の制御と化学構造との関係”. (※九州大学、熊本大学、福岡大学との共同研究)

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阿加先生Again

 本日7/15(火)は、本2025年度1/2回目のEコースGE講演でした。はい、今年度も引き続いて、ていうかずっと国際交流担当です。

 今回の講師は、東北大学の阿加 賽見(あか さいけん)先生にお願いしました。そう、先生には約2年半前にお越し頂いて以来2回目のご来校でした。当時ご講演を受けた学生さん達は卒業しましたので、メンバーを入れ換えてのご講演となりました。

 ただし、先生は2年半前より一層ご活躍華々しくあり、ご多忙なところを無理にお時間を割いて遠路お越し頂きました。感謝の限りです。

2回目のご講演です。ただし、学生さん達は初回当時と総入れ替えです。
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自分が目指すべきもの

 プロ野球選手は、学生やアマチュア時代にそのチームの4番だったりエースだったりした人が多いと思います。しかしその一流の集まりであるプロに入ったら、そうでもなくなります。自分がそう思っていても、広く世間から見たらそうでもないことは多々あります。自分が果たすべき役割、そしてそれは実は最も自分に向いている役割は、なかなか自分では分からないものです。

 私自身、研究者として何とか今まで生きてこられていますが、研究の世界で自分はどういうポジションであるべきかを考え、また悩んだりしてきました。

 実験は昔から好きだったので、学生時代は座学そっちのけで実験ばかりしていました。「少しは考えろよ」と言われるくらい。その反面、理論に対しては引け目を感じていました。実験は所詮理論の婢だと、劣等感を抱いていました。現象を数式で埋め尽くす姿に、届かない憧れを抱いていました。

 しかし以前にも紹介したように、以下の言葉に衝撃を受けました。

「実験は発見を可能にする技術であり、証明するための道具ではない」

と。

自分の目指すべきものです。
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逃げるは恥で役には立たない

 前期も佳境に入ってきました。月末は前期末試験で、それが終わったら早いもので夏休みです。この夏休みは、こちらの学会に参加する予定にしています。

 まずはKRIS2025です。これは、2023年3月に初回(KRIS2023)開催以来2回目の高専生のための国際会議です。正式名称が正に”Kosen Research International Symposium”です。全国の高専生が一同に介して、国際会議形式(もちろん英語)で発表する会です。

 鷹林研究室からは専攻科生達、7E 内藤君と6E 出村君が出ます(※野田君は九大連携生なので、7Eになってからは九大です)。同じ高専生同士の環境なので、オーラルにチャレンジしてもらいます。いきなりトップレベルの国際会議でオーラル登壇させるのは、如何に彼らが優秀といえどもまだ酷なので、KRISは良い機会と考えました。前回は私も登壇しましたが、今回は2名のオーラル指導の上に座長も仰せつかっているので、手が回らなくてパスとしました。だってライフが・・・。

 専攻科生は学会発表経験が義務です。KRISは良い機会と思うのです。あれ? おかしいなぁ。

 続くそのトップレベルの一つであるICDCM2025では、彼らにはポスター登壇してもらう予定です。こちらは鷹林がオーラルで立ちます。順番次第ではありますが、彼らの前座として。でも昨年は逆にトリとなって計画が崩壊してしまいましたけどね。

 そう、「先ず隗より始めよ」です。

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