教育活動で最も大切にしていることの一つに、「正直者が報われるようにする」ということを掲げています。
道理に基づいて行動しているつもりです。道理とは、人類が何千年何百世代にも渡って受け継ぎ育んできたものです。言葉や人種の違いはあれど、道理には大差ないと思います。昨日今日生まれた屁理屈や言葉遊びでひっくり返せるものではないし、ひっくり返そうとしてはなりません。社会が壊れます。
人生で最も恥ずかしいことは、後生の賢者に笑われることです。私は後生に笑われないような道理に基づいた人生を送りたいので、がむしゃらに古人の叡智を求めてきました。もちろん、多くの間違いも犯してきましたけどね。笑われますね。最新の屁理屈の講釈を聞く暇があったら、二千年以上前の論語など古典を1頁でも読んだ方がはるかにマシです。古典とは、幾世代もの賢者の審判を耐え抜いてきた人類の叡智の結晶であり、何よりもの宝です。金銀パールは何も教えてくれません。どんなに科学技術が発達しても、人間は人間のままです。
法匪による秦は瞬く間に滅び、道理に基づいた法三章の劉邦が天下を取ったのです。大帝国唐は貞観政要を礎とし、それはアジアに広く伝わりました。
形骸化した律令に代わり、道理に基づいた御成敗式目が世を治めたのです。後代の武家諸法度も御成敗式目の亜流に過ぎません。
正直者とは、静かで大人しい人です。今世の中を支えている、そしてこれから支えていくのは彼らです。広大な四次元空間の世の中を支える大多数の静かな彼らは、”Silent Majority”です。
他方、五月蠅く問題を起こす者は、少数です。”Noisy Minority”です。少数ですが、声だけは大きいので、あたかも世の中の主流層のように勘違いしやすいです。しかし彼らが決して社会を支えることはありません。
指導する立場の者は、決してNoisy Minorityに流されてはなりません。厳しく戒めるべきです。五月蠅い声から大きいものと錯覚しがちですが、実際は少数です。彼ら少数を蹴散らし、静かで広大な野原に光を与えることが肝要です。そこにこそ、花が咲き、作物が実るのです。
正直者が報われる社会こそが、皆が求め、そして求められる社会と思います。
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