来週から前期末試験が始まります。毎度のように、学生さん達からは悲鳴が上がってきています。まあ、主担当が電気磁気学ですからねー。
教員たる者、教えること、すなわち授業における教授が根幹だと思います。研究であれ部活動であれ何であれ、根幹たる教授を蔑ろにしては何も成立しないと思っています。研究時間を確保したいから教授は適当に、部活動を優先したいから教授は適当に、はあってはならないと思っています。根幹、すなわち基本を疎かにしては何事も成立しません。
基本を疎かにする者に限って、「学生ガー」などと他人に責任をなすりつけたがります。果たしてアナタは本来の業務にBestを尽くしていますか?
これまでの人生経験を踏まえて、電気磁気学では表皮効果を中心にカリキュラムを組み立てています。だって電気電子回路設計において、表皮効果を知らないということはあり得ないですから。表皮効果のためにはMaxwell方程式が必要であり、Maxwell方程式のためにはベクトル解析が必要であり・・・と電気磁気学のスタートであるクーロンの法則まで遡って組み立てています。逆に、表皮効果までやったのなら、電磁波までやっておこうかなということになっています。
さらにMawxell方程式が電気磁気現象において万能であることを示すためには、これでローレンツ力を説明できなければなりません。となると、特殊相対性理論との協調が必要となってきます。一方で、特殊相対性理論とのミスマッチ、すなわち光速が有限であることとの矛盾の説明も必要となってきます。こうして、幅広く教授が展開されていきます。ただ教科書をさらうのではなく、自分が何を教授の根幹としているかをよくよく考えておかなければ、学生さん達に伝わりません。
伝わらない授業は、引いては崩壊を招きます。その崩壊を食い止めるために、懲戒を含めた指導を入れてしまっては、本末転倒です。若者に一体何を求めていますかと。指導と服従は違います。叱ると怒るは違います。
学生が課題を理解して自ら学んでいくように導くのが上策です。強制を伴うのは中策です。懲罰を伴うのは下策です。
高校時代、化学の先生がしきりに「学問に王道あり」と述べておられました。予習・授業聴講・復習、当たり前のことを当たり前に行う。これに過ぎたるものはありません。動画配信など便利な世の中になりましたが、基本は今も昔も変わらないと思います。だって、技術は移り変わっても、人間自体は何も変わっていないのですから。
・・・とまあ、日々自戒しているわけです。
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