後期が始まりした。5E割り当ての授業「信頼性工学」が始まります。
この科目、選択科目です。第2/3種電気主任技術者になるための認定用科目ではありません。電気の専門でもありません。さらに卒業間近の5E後期において開講ということは、つまりは重要性の低い科目です。無理に取らなくても卒業できます。
しかしながらこの科目、私が最も気を遣う科目です。なぜなら、社会へと巣立つ彼らにとって、一番必要で大切な科目と思うからです。事実、卒業生からは最も評価を得ている科目です。
電気磁気学(これとこれ)や回路設計(これの前期分)という科目は、長い電気電子工学の歴史の中でカリキュラムがほぼ固定されています。いずれも難しいと言えば難しいのですが、過去の遺産がたくさんありますので、授業の組み立てにはさほど苦労しません。
一方、信頼性工学、要するに品質管理の話なのですが、これは今を生きている学問です。日々updateされていますので、企業の最前線から離れた今の私にとっては、追いついていくのが大変です。常に自主的に情報を仕入れて勉強しておかなければなりません。なぜから、この学問は現場から学ぶことが多く、生身の人間が関わりますから。理想論で片付けられれば苦労しません。理想とは、計算の邪魔になるノイズを排除した空想世界とも言えます。
正しい(と思われる)理屈が、正しい結果を生むとは限りません。これはその典型例です。
企業時代、品質部門に属していました。最初はよく分からなかったのですが、今となっては、そこで働いて自身を磨けたことを感謝し、とても誇りに思います。
ちょっと偉そうですが、その品質の神髄というものを若い学生さん達に伝えられたらこの上ない幸いです。そして、そこから私も新たな学びを得ることができます。
頑張ります。
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