年度末です。年間成績も出ました。喜ぶも学生さんもいれば、悲しむ学生さんもいます。高専は大学と同様に留年制度があります。基準の成績を取って所定の単位を修めていないと、留年して来年度同じ学年でやり直しです。
私も成績評価する教員の一人です。大きな権限です。これを行使するに当たって、下記のことを定めています。
・信賞必罰
・成績基準を明確にする
・公明正大に行う
・基礎基本を重視する
・奇をてらわない
です。
根本は信賞必罰です。下手な情けは却って害だと思っています。自分の客観的評価を受け入れられてこそ、道は拓けるものだと思っています。
成績基準は学生さん誰でも分かるように設定していますので、各自どれだけ勉強すれば良いのかが分かります。試験は授業で行った内容で、奇をてらうようなこと、いわゆる引っかけというようなことはしません。
「当たり前のことを、当たり前に行う」だけです。「学問に王道あり」です。けれど実は、これが最も厳しいことではあります。
それでも何とかなるだろうと高を括って、そうして自分の思うような結果でないと、あの手この手で訴えてきます。私を悪の権化みたいな感じで叩いてきます。よくまあ思いつくなと。「いや、そんなに元気があるんだったら、最初から勉強しとけよ」と言いたいです。何度も説明してきたんですけどねぇ。
人間誰しも、特に若い時分に夢や希望、そして理想の人生を考えるものです。ただし、それを叶えるためには努力が必要です。受け皿の大きさは決まっているのに、同じことを考える人は世の中にたくさんいるからです。少なくとも±3歳は同期であり、ライバルの範疇です。理想の道を歩んでいくには、彼らに打ち勝たなければなりません。
勉強は何のためにあるか? それは、「自分で自分の人生を選べる」ようになるためです。能力が足りていないのに甘やかしても、世の中は認めてくれはしません。
「こんな勉強関係ない!!」と言う人は後を絶ちません。でもそれは結局のところ、逃げているだけです。逃げて他人を責めて責任転嫁して、自分を甘やかす人生は、将来虚しい結果を招くだけです。
教育の成果は20年後に出ます。今甘えても、すぐに差は付かないでしょう。しかし学生さん達には、20年後の自分に責任が持てる人生を歩んでほしいものです。
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