オンソケ

 研究の中心であるプラズマ気相化学成長法によるダイヤモンドライクカーボン(DLC)の成膜は、低圧環境における気相化学反応ですから、原料にガスを使います。ガスは、ガスボンベをガス屋さんから仕入れます。研究用途ですから、最高純度99.9999%のG1 (Grade 1)を仕入れます。一方で、反応後に装置チャンバー内部を大気圧まで戻す(大気リーク)ために、純度の低い(99.9%程度)汎用の窒素ガスも使います。

 さて問題は、この汎用タイプです。日本は、電源周波数が50 Hzと60 Hzに分かれているのを代表例として、複数の国からの規格が混在しています。50 Hzはドイツから、60 Hzはアメリカからですね。ガスボンベも同じく、口がドイツ式とフランス式の混在です。ドイツ式は東日本(関東式)、フランス式は西日本(関西式)です。

 ドイツ式は、柔らかいプラスチック製のパッキンで、ガスボンベと取り出すガス圧を調節するレギュレータを繋ぎます。ボンベの口とレギュレータの口の間にパッキンを挟んで、これをスパナでネジを締めて押しつぶしていくことで、ガスラインの密閉性を取ります。両口は金属製で硬いので、間でパッキンが形状に合うように変形しないと隙間は埋まりません。パッキンは使い捨てで、ガスボンベ交換時に外して、新しいものを取り付けます。

 一方のフランス式では口が曲面になっていて、その曲面の湾曲で密閉性を取ります。パッキンは使いません。

 九州の現環境では、G1純度のものはドイツ式なのですが、汎用のものはフランス式になっています。こちらへ来て、初めてフランス式を体験することになりました。ガスレギュレータはドイツ式に対応していますので、変換アダプタ(継手)が必要です。これは通称、「オンソケ」と呼ばれています。パッキンとは違って、繰り返し使用できます。

オンソケです。
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交通マナーアップ運動Again

 今年度は担任を降りた代わりに、学生主事室の学生委員に戻りました。そこで早速ですが、本日4/17(金)早朝の交通マナーアップ運動に参加しました。一昨年以来2年ぶりです。本運動は毎年4回、大牟田地区高等学校交通安全対策連絡協議会と大牟田警察署で実施している運動です。開催場所は大牟田駅です。JR側西鉄側両方で行っています。

 各校の担当回数は各2回ずつで、有明高専は4月と12月に担当です。学生会の担当学生4名と共に参加しました。

毎度西鉄側を担当しています。ちょうど通学時間帯ですが、自校の学生以外に配布しています。
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補講しています

 高専は、4年次からの編入学生を受け入れています。対象は主に、工業高校の対応する学科の生徒さんです。無論入学試験を課しますので、入学には相応の努力が必要となります。

 とはいえ高専と工業高校では、進度に格段の差があります。いくら優秀な編入学生さんでも、開講した途端、習ってないものばかりの集中砲火には耐えきれません。というわけで、正規授業の他に補講を用意しています。

補講しています。

 私が着任以来担当している電気磁気学(電磁気学)では、3年(3E)次の間にベクトル解析を済ませて、Maxwell方程式の一つである電界に関するガウスの法則(div D = ρ)まで導出しています。続く4年(4E)次では、Maxwell方程式を完成させて、その応用として表皮効果や電磁波を導いています。ローレンツ力を導く相対論的Maxwell方程式やゲージ変換は時間的に無理なので、希望者に補講しています。ここまでしないと収まりが悪くて。電磁波の反射と屈折、エバネッセント波、導波管(ヘルムホルツ方程式)は、専攻科1年(6E)次において、ネットワークアナライザの実習がてら講義しています。

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学会役員デビュー

 2026(R8)年度は担任を降り、3Eの副担任になりました。一昨年と同じ構図となりました。その代わり、グローバルエデュケーションセンターの国際交流推進リーダーに出世しました。旧国際交流室時代以来、GECに務め続けて5年目になります。またこれまで副担任のときは、いつも学生主事室 学生委員となっていましたが、今年度もそうなりました。

 学外に目を向けますと、今年度から複数の学会役員となりました。応用物理学会 ブラズマエレクトロニクス分科会の幹事と日本表面真空学会 九州支部の役員です。これまで学会役員とは無縁の人生でしたが、今年度からそうなりました。学会とは、専門分野の人達のコミュニティですね。ま、そこそこ知られるようになったかなと。

 応用物理学会は会員数約2万人のとても大きな学会で、半導体を含む幅広い応用物理分野を取り扱っています。鷹林研究室のメイン学会です。ただしカバーする分野が広すぎるので、個別の分野に関しては「分科会」という下部組織が存在します。その中の一つがブラズマエレクトロニクス分科会でして、プラズマを使った応用物理、中心としては半導体デバイスを創っていくいう分野です。半導体デバイスはプラズマなくしては創ることはできません。なので、アカデミックの人達だけでなくて、半導体企業の人達もこの分科会のメンバーです。また最近ではバイオ・農業関連のテーマも盛んです。分科会の規模は500名程度だそうです。

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教育における哲学とゲーム

 昨今は、授業に関する管理が厳しくなっています。昔、特に大学の授業はいい加減なものが多かったです・・・よね? 授業内容とは全然違う話を聞かされたりしたものです。おいおい・・・と。

 まあこれは極端な例ではありますが、高等教育の授業というものは、評価はさておき、何らかの講師の哲学が入っているものです。なぜなら、高等教育の内容をすべてに渡って限られた授業時間内で終わらせるのは、実質的に不可能だからです。

 先の最終講義でも、講義や著書に哲学が入っているかを問われていました。

 例えば化学分野の有機化学。必修ですね。その世界から遠くに離れたところへ来た今でも、教科書は手元にあります。当時の教科書はモリソン・ボイド。これ全部を1年間で授業しきるのは不可能ですから、行き着くところは、「覚えておけ」でした。何章に何が書いているかまで覚えたものです。今でも記憶にあります。

この厚さを1年間で覚えました。今でも居室の本棚に置いています。
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日本医用DLC研究会 第9回研究会・総会

 年度末3/31(火)は、岡山大学 鹿田キャンパス(医学部・歯学部・病院)にて、日本医用DLC研究会の第9回研究会・総会開催が行われまして、参加&講演してきました。この3月は、今年度3E担任業務の締めくくりがあって諸々の学会活動は控えていました。「何でいないの?」、「何で来ないの?」というお言葉を多くいただきましたが、まあそんなわけでした。しかし、最後のこの会だけは参加することにしていました。

 本研究会は、「DLCコーティングの基礎医学・臨床医学への応用を目指した研究を行っている研究者間の情報交換の機会を提供し、DLCの医療応用研究の発展に寄与することを目的に設立された」研究会です。岡山大学医学部と岡山理科大学の先生方を中心に、医工連携研究を精力的に進めています。まあ、こんな方面にも顔を出しているわけです。

 DLCとは、この私の部屋を覗いている方ならお分かりですね。”Diamond-Like Carbon”です。DLCの特長の一つに、「生体親和性」があります。本会では、この生体親和性を活かした各種生体内医療材料開発を頑張ろうとしています。

岡山大学 鹿田キャンパスに着きました。岡山駅からバスですぐです。
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