オンソケ

 研究の中心であるプラズマ気相化学成長法によるダイヤモンドライクカーボン(DLC)の成膜は、低圧環境における気相化学反応ですから、原料にガスを使います。ガスは、ガスボンベをガス屋さんから仕入れます。研究用途ですから、最高純度99.9999%のG1 (Grade 1)を仕入れます。一方で、反応後に装置内部を大気圧まで戻す(大気リーク)ために、純度の低い(99.9%程度)汎用の窒素ガスも使います。

 さて問題は、この汎用タイプです。日本は、電源周波数が50 Hzと60 Hzに分かれているのを代表例として、複数の国からの規格が混在しています。50 Hzはドイツから、60 Hzはアメリカからですね。ガスボンベも同じく、口がドイツ式とフランス式の混在です。ドイツ式は東日本(関東式)、フランス式は西日本(関西式)です。

 ドイツ式は、柔らかいプラスチック製のパッキンで、ガスボンベと取り出すガス圧を調節するレギュレータを繋ぎます。ボンベの口とレギュレータの口の間にパッキンを挟んで、これをスパナでネジを締めて押しつぶしていくことで、ガスラインの密閉性を取ります。両口は金属製で硬いので、間でパッキンが形状に合うように変形しないと隙間は埋まりません。パッキンは使い捨てで、ガスボンベ交換時に外して、新しいものを取り付けます。

 一方のフランス式では口が曲面になっていて、その曲面の湾曲で密閉性を取ります。パッキンは使いません。

 九州の現環境では、G1純度のものはドイツ式なのですが、汎用のものはフランス式になっています。こちらへ来て、初めてフランス式を体験することになりました。ガスレギュレータはドイツ式に対応していますので、変換アダプタ(継手)が必要です。これは通称、「オンソケ」と呼ばれています。パッキンとは違って、繰り返し使用できます。

オンソケです。
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