卒業式 ~ 教うるは学ぶの半ば ~

 週末は卒業式でした。

 こちらに来てから、初めて授業を持った学年でありました。着任早々コロナで、顔も何も知らないまま遠隔授業から始まりました。

 高専というものをよく知りませんでしたので、試行錯誤の日々が彼らに迷惑をかけたと思います。

 全体の式の後は、コース別の式でした。私は通路の傍らに座るただの列席者であり傍観者の一人でしたが、一人の学生が私の前を通って、深々と礼をしてくれました。ま、私にはそれで十分かなと。

 大切なことは、知識や経験を笠に着て、上から目線で学生の人生を決めつけることではありません。例えそれが正しかったとしても。そうではなくて、同じ目線で対等に付き合うことだと思います。言いたいことを言うと同時に、言いたいことを言わせる。

 間違えることは、予防接種みたいなものです。正しさだけを一方的に植え付けても、育ちはしません。角を矯めて牛を殺すだけです。答えは自分で見つけるもの。

 しかし、そんなことも何歳までできるかなーと思いつつ。歳を経て立場が重くなっていけば、そうも言ってられません。

 最近流行の言葉で言い換えると「寄り添う」なんでしょうが、この言葉も上から目線の印象を拭えませんね。

 「教うるは学ぶの半ば」です。