2025年締めくくりは熊本大学(旧制第五高等学校)

 12/26(金)は本年2025年最後の仕事として、関係学生達と共に熊本大学 工学部 半導体デバイス工学課程の山本 圭介先生を訪ねました。研究テーマの一つに炭素質エレクトロニクスの創成をとして掲げておりまして、その共同研究の打ち合わせです。

 山本先生は本年度より九州大学(筑紫キャンパス)から熊本大学へ移られました。でも両大学の中間に位置している有明高専にとっては、北行きが南行きに変わるだけです。熊本大学の方が九州大学(筑紫キャンパス)より近いのですが、まだ道程に慣れず、かつ熊本市内は交通渋滞が激しいため、ちょっと余計な時間を要しています。

 打ち合わせを無事終えて、少し大学構内を散歩することにしました。熊本大学は医学部・歯学部・薬学部を除いて、今回訪れた黒髪地区にあります。一般道路を挟んで北側が文系(黒髪北)、南側が理系(黒髪南)キャンパスとなっています。歴史的建造物は旧制第五高等学校であった黒髪北の方にあります。南から横断歩道を渡って北へと散歩しました。道路の脇に、大学入試共通テストの看板がありました。高専にいると縁がないですね。

道路の脇に大学入試共通テストの案内看板がありました。

 戦前の教育制度(旧制)における高校学校(旧制高校)は3年制で、現在の高3・大1・大2に相当します。下の旧制中学校は、現在の中学校に高1・高2を加えた5年制でした。高等学校の定員は帝国大学とほぼ同じでしたので、学科の選り好みやその他問題がなければそのまま帝国大学へ進学できました。そのため下記に示す各校では、自由な青春時代を謳歌する独自の学校文化が花開いたそうです。

 旧制高校は全国各地に創立され、当初は設立順に番号が付けられました。第一(現東京大学)・第二(現東北大学)・第三(現京都大学)・第四(現金沢大学)・第五(現熊本大学)・第六(現岡山大学)・第七(現鹿児島大学)・第八(現名古屋大学)と。これより後は番号ではなくて地名がつきました。番号で示されたこれら8つの高校はナンバースクールと呼ばれて、後発の地名高校(ネームスクール)より上位に置かれたそうです。

 第五高等学校は九州最初の高等教育機関で1887年創立に対して、九州大学の前身である旧制福岡高等学校は1921年創立と遅いです。それが尾を引いて、現在でも熊本大学と九州大学は九州の雄をかけたライバル関係にあります。九州大学が高専連携制度をつくると、熊本大学は半導体教育課程をつくってその半分を高専卒枠にしています。今後さらに動きがあるようですけど。まあ、両学の中間にある有明高専からしたら、漁夫の利なんですけどねー。

 さて、その旧制第五高等学校の本館は、現在記念館になっています。散歩がてら記念館を見学しました。物質的には豊かになりましたが、何かと忙しなく、そして堅苦しい現在、古き良き時代を羨ましく思いました。

旧制第五高等学校本館前にて。
教室にて教鞭を。

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