SAGA-LS Again

 今週一杯は、SAGA-LSで泊まり込み実験です。休講期間中は実験のチャンスです。コロナのご時世で予定変更を重ねまして、ようやく実験に辿り着けました。前回の実験の続きです。ホント、難しいご時世です。ご時世で学生さん達の同行はできないので、前回と同様に有明からは私一人です。残念。

真空加熱(アニール)実験の全容。

 上の写真は実験中のものです。真空チャンバー中に試料を入れて、手前右の電源から電流をたくさん流して600°Cで加熱しています。専門用語では、焼き鈍しの意である「annealing」(アニール)と言います。電流を流すと熱くなるのは、大丈夫ですね。

 「600°Cって、燃えるじゃん!!」と思ったそこのアナタ、大丈夫です。真空チャンバー中は真空度が10^-5~10^-6 Pa台に真空引きされていますので酸素はありません。酸素(助燃剤)がなければ燃えません。大気圧は1013 hPa ≈ 10^5 Paですから、大気よりも11桁空気が薄くなっています。高地トレーニングとしてはちょっとキツすぎますね。

 また、真空は優れた断熱材でもあるので、試料は600°Cにしていてもチャンバー自体は熱くはありません。すこーし暖かいかなというくらい。熱は、伝えるもの(空気とか金属とか)があるから熱いのです。

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