私の履歴書を見て、他人はどう思うのだろうかと考えます。アカデミックの人間ですので、学歴/経歴以外に研究業績も対象となります。
人それぞれの視点があるでしょう。しかし個人的には、陽の当たらない無名研究者だとずっと思ってきました。誰も私に注目しないだろうと。
無名研究者だと思っていたので、学会では気楽にやってきました。気楽っていうのは手を抜くことではなくて、背負うものがないので、きちんとできるだけの仕事しつつも自由な気分でいました。誰も私を意識しないし、話も聴かないだろうと。
さらには5年間の会社員生活で、アカデミック界とは断絶していました。もはや、「アナタ誰?」的な。8710ですね。
縁あって高専准教授になれました。生存アピールのつもりで、ちょこちょこ学会へ出かけては話してきました。陽は当たらなくても、ほんの小さな花は咲かすことはできるかなと。
すると、講演依頼が来るようになりました。嬉しいというよりも、「え゛、何で??」という認識で、毎度宛名間違いでないかと思ったりします。まあ、間違いであったとしてもタダ旅行できるから良いかーという軽いノリで、OK出してきました。
出かけていって講演すると、多くの人が聴いてくれます。一応は呼ばれていますので、当たり前といえば当たり前なのですが、戸惑いを覚えます。もちろん一生懸命やってはいますが、「そんなに聴く価値あります??」という認識です。
拍手されて、褒められます。嬉しいというよりも、「え゛、何で??」です。まあ、喜んで満足してもらえたのなら、まあいいかと。
自分の言動が重い価値を持っているということ、自分が思っていたよりも世間は見てくれていたということに、最近ようやく気づきました。
私、そんなに偉くないですよ。でも、背負わなきゃもうダメなんですよね・・・。
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