教育指導におけるISOとは?

 高専は職業学校の一種ですから、品質教育はとても大切です。まだ前期ではありますが、関係講義「5E後期 信頼性工学」の担当者として、日々研鑽を積んでいる・・・つもりではいます。

 その品質管理の中核となるISO9001:2015では、「不適合なアウトプットの管理」が定められています。日本語としてはこなれていないですが、原文では”control of nonconforming outputs“です。ISO9001:2015は製造業だけがターゲットではありません。サービス業も対象です。では教育はどうでしょうか?

 教育現場で不適合なアウトプットが発生することとして、次のような事例を考えてみます。

「あるクラスの学生達が騒いで、他のクラスの授業を妨害した」です。

「5E後期 信頼性工学」の授業資料の関係箇所です。

 不適合なアウトプットの管理には、「修正(correction)」・「是正(corrective action)」・「予防(preventive action)」の3つの措置が求められます。

  • 修正(correction)・・・ 個々の不具合、不良に対して随時行う
  • 是正(corrective action)・・・ 仕組みを改善するなどして、根本原因を取り除く
  • 予防(preventive action)・・・ 問題の可能性を予め取り除く

ですね。

 本事例に関して、まず修正措置では、「注意する」とか「叱る」が妥当なところでしょう。でもそんな学生というのは大体、「右から~♪ 右から~♪」ですよね。

 是正措置はどうでしょう? 「関係者(被害者)へ謝罪させる」というのが、私の思うところです。かなり昔話にはなりますが、私のいた高校では、朝遅刻すると謝罪に回されたようです。「~ようです」というのは、私はしたことがなかったし、周囲にした人の記憶がないからです。遠い学年・クラスであったことは聞いたかな。謝罪という、ある意味厳しく、そしてある意味恥ずかしい行為を敢えてさせることで、犯した行為に対して自覚をさせることは、是正措置として意味があることかと思います。

 予防措置は、う~ん、何でしょうか・・・。防音壁をつくるとかですか? いえいえ、それでは行為に対する指導になってないですね。パッと思いつきません。

 通常、品質部門が作成して迷惑を受けたお客様に提出する再発防止策レポートでは、問題に対するこれらの措置の説明が必要です。修正措置、つまり「注意しました」だけでは、お客様からバカにされ失笑されるだけです。企業で品質担当だった私にはとても耐え難い無能無策です。品質部門の人達は、企業(組織)を守り、従業員を守り、そして企業価値を上げていくために、盾となり身体を張って必死で知恵を絞ります。教育現場って、よく分からん書類の山はありますが、品質部門のような雰囲気はあるのかなぁ。

 でも昨今は「ハラスメント」という言葉が拡大解釈されて、適切な指導が難しくなっている世の中です。逆に責められたりとか。なんでもかんでもハラスメントにすれば自分の主張は通せると勘違いをしている人がいて、そしてそれに対処できない人がいます。

 私の厳しさ(※個人的にはそう思っていないけど・・・)は、学生達への不満の表れというような評論をする人もいます。倶に天を戴かずですかね。

 難しい世の中です。世も末と思うのは、歳を取ったからでしょうかねぇ。

 新陳代謝は組織には必要不可欠です。出処進退を誤らずです。

Views: 51

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA