教員の過重労働

 最近、教員の過重労働が盛んに議論されるようになっていますね。まあ、私も渦中の人物の一人にはなりますので、多少興味があります。

 単純に労働時間を考えると、給料は安いようです。「ようです」というのは、個人的にはあまり気にしていないから。総額としては社会平均より高く、かつこの有明地域は物価が安いので、生活には困っていません。むしろ、首都圏など都会の人達は大変だなーと思います。

 忙しくても、前途有望な学生さん達と学んでいくことは、結構楽しいものです。企業の品質部門でめんどくさい大人達を相手にするよりも100万倍楽しいです。

 さてさて、過重労働の原因は色々議論されていますが、個人的には「学校の自治」にあるんじゃないかと思っています。学問の独立に基づく自治でして、その自治のために、教員は運営に関する事務仕事、経営仕事も負わねばならなくなっています。「それ、教員の仕事??」というのがあることも事実です。

 「経営や人事や総務etc.のプロを揃えればいいじゃん!?」と、曲がりなりにも民間企業経験のある私からすれば、そう思うのです。教員は、結局突き詰めれば各専門教育のサービス担当なのであって、何でもする必要はありませんし、何でもできるわけではありません。教員は格別に偉いわけではありません。

 ちょっと前、ナントカ会議という偉い先生達の集団が学問の自治に吠えておられました。いや、吠えるだなんて失礼ですね(^_^;)。でもね、社会というのは、偉い先生達だけでは回らないんですよ。

 ただしそう考えても、人件費が問題となります。日本の公務員の人件費の総額って諸外国よりも低いのですが、現代の日本は何かと公務員を目の敵にする風潮があります。マスコミがひたすらハーメルンの笛を吹いていることは明々白々です。元々は明治維新後の藩閥政治批判から来ているものだと思いますが、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いですか、一般公務員まで叩きまくります。そんなこと民間企業に行ったら裁判などの反撃に遭って、しかもスポンサーだったら経営的に大変なことになるのですが、公務員だったら良いだろうと勝手に解釈して、やりたい放題ですよね。

 終身雇用の時代だったら、そんな手法も効果があったかもしれません。しかし転職全盛の世の中、私のように民間と公務をまたにかけた人間も多いですよ。マスコミさん、困りましたね。

 ちょっと話がずれました。要は、「餅は餅屋」です。本来その業を磨いてきてないのですから、そんな業務を請け負ったら、労働時間が増えてしまうのは当たり前ですよ。

 変な笛に踊らされず、単純に事実と論理を積み重ねていけば解決できる話かなと思いますが、世の中はそう簡単にはいきませんかねー。

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