光回線と親心

 この度、自宅のインターネットを光回線にしました。

 これまでは長い間、Wimaxを使ってきました。これまでの人生、世の中を色々巡ってきました。引っ越す度に回線工事をするのが面倒なので、工事不要のWimaxを愛用してきました。出張の時にも環境を持ち運べますしね。

 しかしながら最近は自宅のインターネット使用量が増加の一途を辿ってきて、Wimaxの能力では通信環境維持が難しくなってきました。見えるもの全てに興味津々なお息子さんですから。

 工事が終わっていざ繋いでみると、おおー、速い速い。

 昔を思い起こせば、この短い年月の間に随分時代が変わったなーと思います。

 昔々大学に入って、インターネットという存在を初めて知りました。中高は受験勉強しか知りませんでしたから。それまで情報はすべて、書店に足繁く通ったりなどして得て。パソコン通信自体はありましたが、会員制でPC本体も含めて高額な投資が必要だったので、馴染みはありませんでした。

 「へー、世の中にはこんな便利なものがあるんだー」と、周りはみんな空き時間に大学のPC施設に入り浸ってはインターネットを楽しんでいました。スマホなどなく、それどころか携帯電話自体が珍しい時代です。携帯電話は大型のものが部活動の共用であるくらいでした。下宿にも最初は固定電話すらなく、それではあまりに不便なので親にせがんで電話回線を引いてもらいました。携帯電話は正に電話で、今のようにインターネットなんてできはしませんでした。

 そんな時代の変革期でした。そこで大学入った記念と、これまた親にせがんでPCを買ってもらいました。

 もっと昔、小学生時代に欲しかったのですが、当時のPCはとても高価。今と比べたら信じられないくらい低性能ですが、価格は反対に自動車が買えるくらいでした。親にねだってなんとか最も安い(それでも5万円以上はしましたが)ホビーPCであるMSX2を買ってもらい、雑誌に載っているプログラムもしくは簡単なものを自学して組んでは遊んでいました。小学生ですからsin、cosなんて知りません。英語も知りません。関数の本を見ては「なんだこれ?」と思いながらも雑誌に従って打ち込んだり、If~then構文などの言葉の意味は分からないけど、ただの論理記号として理解して打ち込んでいました。

 話を大学時代に戻します。PCを起動させる都度電話回線に繋いで、インターネットをしていました。ピーピーピーガーガーとは、電話回線に繋ぐダイヤルアップの音。

 電話代がかさむので、メールの送受信や簡単なネットサーフィンをごく短時間に済ませただけで終えていました。40分も使うと、「電話代がぁぁぁ~」と後悔したものです。それでも自分の世界は激変でした。より長く楽しむには、大学にて。ホームページもつくってみました。当時は便利な作成ツールなんてありませんから、HTMLコードを自習しては手打ちし、それをブラウザで確認しての繰り返しでした。でもまあ人生経験に乏しく、書くネタがあまりありませんでしたけど。

 そんな環境、今の学生さん達は信じられないですよね!?

 大学時代を過ごす間に、自宅の回線はダイヤルアップからADSLへ。携帯電話もどんどん小型し、ついには自分でも持つようになりました。劇的な進化です。それでもインターネットはPCを起動してから接続するものでした。

 そんな中ブラウザに関して、それまで隆盛を誇っていたNetscape Navigatorに対抗して、MicrosoftがWindowsの標準装備としてInternet Explorerを出してきました。その際、「インターネットに常時接続する」ということを発表してきました。これには心底驚いたものです。今では常時ONのスマホを使って、いつでもどこでも好きなときにすぐインターネットで調べたり遊んだりできますが、当時はそんなこと考えもつきませんでした。そんなことできるの? 電話代は?

 以降、大学院に進学して研究にPCは欠かせないものとなり、インターネットのことは少しずつ経験しながら学んできました。

 現在、インターネット関係で巨万の富を築いた実業家の皆さんは、少し上の世代です。彼らも教科書がない時代に、自ら学んで得て、そして成功したのでしょう。もし自分がその世代で、かつ小学生時代にPCを買ってもらってパソコン通信を楽しめる環境だったら、人生どうなっていたんだろうとよく思います。スネかじりの極みですけど。

 生まれたときからiPadがあるお息子さん。さてさて、どんな人生を歩んでいくのでしょうか。

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