マンガなど物語の世界において、世の中の様々な業務に対して、スポーツが特に分かりやすいですが、普段の練習や訓練をしてなくて、本番でできてイキる人っていますよね。たまたまね。「普段してなくてもできるんだ、凄いだろっ!!」とね。
この手の人というのは、物語という空想の世界ではキャラが立つので必要な存在(※黒子のバスケの青峰君とか)ですが、現実にいたら困ります。ただの迷惑な人だからです。
そんな人は2つのパターンに分けられると思います。まず一つ目は、設定が甘い人です。世間から求められるレベルに対して、自分が自身に設定するレベルすなわちハードルを低くして、それを自分がクリアできたことを誇る人です。こちらは100のレベルで頑張っていこうと提示しているのに、初学者に求める0.1のレベルをクリアしたからってイキられてもねぇです。全然分かってない人です。
就職内定が出で自慢している人なんて、良い事例です。世間は就職して働いて世の中をよくしてくれることを求めているのに、まだスタートラインに着ける権利を得ただけでイキっている人です。内定企業自慢もそうですね。大企業で大勢の使いっ走りの中の名も無き一人として採用されるよりも、小さな企業であっても幹部候補として認められ期待される方が素晴らしいと思うのです。鶏口牛後です。他方で真の実力者は、「本当にやっているのだろうか・・・」と先々を見据えています。
さて二つ目は、逃げている人です。世間のレベルは知っているけれども、敢えてそこを避けてハードルを低く設定している人です。二軍の帝王ってやつですかね。要するに、虚勢を張っている本当は弱虫な人です。見た目の攻撃力は凄そうに見えるが、守備力はゼロなキャラです。かくいう恩師は逃げることに対して厳しかったので、私自身今でも気にしている点です。
というわけで私は教育活動の基本の一つとして、学生さん達に世間のレベル、もしくは世間から求められるレベルを提示、というか突き付けるようにしています。学会へ連れて行くのなんかそうですね。高専では全国レベルとなる大学受験もなく、また高専大会や○○コンなど諸活動は高専単位でまとまってしまうので、世間から遠くなりがちです。これら制度を否定するものではありませんが、井の中の蛙となりがちなのは避けられない事象だと思います。
もちろん学生さん達にそんな要求をするからには、自身も一流の国際会議などを通じて世間に腕試しを心がけているところです。
新年度、春はイキリの季節ですかねぇ。
やうやう白くなりゆく山ぎは、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる・・・
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