今週初め、5月に引き続いて再度CVD装置整備のため、東北大学から高桑雄二先生にお越しいただきました。今回は、かもめ号のベーキング処理を行いました。
真空装置において、高い真空レベルを求めようとすると、そりチャンバー内壁に付着している分子の挙動が最終的に影響してきます。特に水分子は取れにくく、そのままだと真空ポンプでいくら引いても真空は良くなりません。
というわけで、真空チャンバー全体を真空引きを継続しながら加熱して、付着分子を脱離除去します。この作業をベーキング(baking)と言います。ベーキングをよく効かせて分子を脱離させることを俗に「チャンバーを枯らす」、できた状態を「チャンバーが枯れている」と言います。
真空チャンバーはステンレスでできており、また内部を覗くためのガラス窓も付いています。これらは熱伝導率が悪いので、全体をアルミホイルで包んで、ヒーターによる加熱が満遍なく行き渡るようにします。真空装置に縁の薄い方がこのように装置がアルミホイルだらけになっている状態を不思議に思われますが、その理由はこのベーキングのためです。
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