学会発表のトレンドに思う

 かれこれ20年以上、学会発表というものを見てきました。歳のせいか、発表のトレンドが大きく変わってきたなと実感します。年寄りくさいですね。専門分野の詳細についてではなく、発表スタイルについてです。

 情報処理技術の発達により、多くの測定手法が身近になり、かつそのデータ処理が容易になってきました。測定データ一つを取るにも、プリンタ/プロッタの設定から始まるアナログシステムでは一苦労だったものが、今やボタン一つの全自動で数値データをファイルすることができます。ファイルデータは各自のパソコンで、後で自在にグラフ加工できます。

 発表技術に関しては、事前に一枚一枚OHPシートに印刷して用意していたものが、今や発表直前までノートパソコンやタブレット上のPowerPointで容易に修正できます。昔は発表原稿を丸覚えしていましたが、今や壇上の手元の画面に、原稿をメインスクリーンとは別途映し出して読むことができます。

 総じて現在では、「多くのデータを敷き詰めて、早口で話す」スタイルが主流となっています。カラー、アニメーション、ビデオやシミュレーションが駆使されており、傍目には昔よりもはるかに洗練されています。

 しかし、「いや素晴らしい・・・」と一概にも言えないかと思います。

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