夏のベーキング

 学会旅回りから帰ってきてから、自宅ではPC改造をしました。研究室ではというと、ベーキングしました。

 ここ1ヶ月くらいでしょうか、装置の真空度が悪いので、何とかしなきゃと思ってはいました。しかし学会で忙しかったので、放置していました。実用的には問題ないレベルでしたし。

 そんなこんなで学会を終えてちょっと楽になりましたので、試みることにしました。真空度悪化の原因の心当たりはいくつか思い浮かんだのですが、ベーキングでまとめて片付けることにしました。まだ暑さ厳しい折にベーキングとは・・・です。作業は重労働なんですけど、装置の性能を発揮できていない状況はやはり心苦しく、実施することにしました。

 「刺激的さ~、クラクラしちゃう~」でした(※年代は違います)。

 まずは装置にアルミホイルを巻き付けました。装置すなわち真空チャンバーを材質であるステンレスは熱伝導度が悪いので、良いアルミホイルを巻き付けて補います。

 巻いたアルミホイルが外れ落ちないように、ワイヤーで縛りました。SUS製の細い0.3 mmワイヤーを用意しました。

ステンレス製の真空チャンバーにアルミホイルを巻き付けます。ステンレスワイヤーで縛り止めていますが、色が同じなので分かりにくいですね。さらにその上にリボンヒーターを巻き付けます。

 そしてその上からリボンヒーターを巻き付けました。効率良く加熱するために、重ならないよううまいこと巻かねばなりません。チャンバーは大きいので、複数本巻きました。

 巻き終えて、各リボンヒーターの抵抗値を調べました。ヒーターには2 A程度の電流が流れます。もしヒーターに損傷があると、電流が漏洩してブレーカーが落ちてしまいます。ヒーターのコンセントとアースに落としている装置の間の絶縁抵抗を、絶縁抵抗計(メガー)で調べました。

メガーでリボンヒーターの絶縁抵抗をチェックします。

 どのリボンヒーターも十分な絶縁抵抗を持っていることが分かりましたので、最後にアルミホイルをその上からさらに巻き付けました。ただし、今度はふんわりと巻きました。空気の層を入れて、これを断熱層としてヒーターの熱が周囲へ逃げていかないようにしました。こちらも外れないようにワイヤーで縛りましたが、今度はゆったりとしました。

巻き上がりました。

 スイッチを入れて加熱しながら、真空度の変化を観察しました。変化からして、一日間で良いと判断しました。幸い、真空度は回復しました。良かったです。

熱いですよ。

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