プラズマCVD装置組み立て中

 有明はまだ雨が続きますね。そんな中、私はただいま東北大学@宮城県仙台市にて、プラズマCVD (plasma-enhanced chemical vapor deposition, プラズマ化学気相成長法)装置を組み立てています。↓の写真がその装置で、昨日組み上がりました(※正確には、組み上がる直前の写真)。

 中央のチャンバー内に基板を入れて、内部を真空にし、その後適当なガスを適当な圧力分入れます。そして放電させてプラズマを生成します。プラズマ中でガス分子は分解されます。分解されたガス分子は基板上に堆積して、膜を形成します。

 作っている装置は、「光電子制御プラズマCVD (PA-PECVD)」というプラズマCVDの一種で、オリジナル装置です。これでダイヤモンドライクカーボン(DLC)という炭素膜をつくって、その物性を評価する研究を行っています。

 電気に何の関係があるかって? プラズマは、高電圧放電の応用の一つです。また作られるDLC膜は誘電体材料であります。DLCは、ハードディスクや金型の表面コーティング材など、既に幅広く用いられている材料です。私はDLCの誘電性に着目して、まあ、いろいろやってきたわけです。

 電気だけでなく、物理や化学の知識も要ります。色々勉強できますし、多方面に顔も利くようになりますので、研究内容を気に入ってはいます。

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批判すること、されること

 研究活動をしていく際、多分どうしても避けられないことになると思いますが、批判活動をせざるを得ません。すなわち、「先行研究の○△という点が不足、欠点、ないし間違っている」ということです。

 高校時代にある先生が仰せられたこと、「評論家になるな」という言が、今もっても頭に残っています。批判に終始せず、自らの行動をもって示すことです。

 研究活動で、全く未知のフロンティアを自由に進めることはまずありません。必ず先人の活動があり、それを乗り越える形で自らの路を作ります。

 古人曰く、「巨人の肩の上に立つ」です。

 乗り越える懸命さは、時に批判という活動に繋がります。先人には先人の壁があり、それは時に答えを知っている後世の私達には低く見えるかもしれません。その際には、自分がもし同じ立場だったら乗り越えられたかと、厳しく自省しなければなりません。

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