受験は勉強に非ず

 普通科の進学校では高校3年ともなると、受験勉強にまっしぐらです。普通科では通常、職業訓練は行わないので、進学してから職能を身につけます。

 一方、高専はその名からして、高度な実業学校です。普通科並み、いや大学レベルの専門教育と併行して、実習・実験という形の実務教育を行っています。通常、高校+大学の7年間を要する内容を、教養的な部分は幾分削られはするものの、5年間で済ませますので、カリキュラムは非常に厳しいです。高専教員4年目ともなると、そんな環境に慣れてきて鈍感になってきましたが、新しく入ってきた方の視点を伺うと、やはり厳しい世界だなと改めて思います。

 そんな高専の成績上位学生さん達は、とても感心するほど優秀です。当然進学して、さらなるレベルアップを図りたいと思うのは自然の成り行きでしょう。その一方で、厳しいカリキュラムは普通科のような受験体制を設けることを妨げます。

 そこで進学、つまり大学3年次編入制度では、推薦制度が充実しています。成績優秀であれば、面倒なペーパーテストを省略できます。これはとても優れた制度だと思います。

 何故なら、「受験は勉強に非ず」だからです。

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仕事は何故減らないか?

 公務員というのは、基本的に個性を否定します。わかりやすく言うと、「○○さん特有のリーダーシップ」というのを認めません。公に資するということと、リーダーシップは矛盾することがあるからです。それは、何かしらリーダーシップを取るということは、何かしら方向性がありバイアスがかかります。公平を大前提とする公務員には相応しくないことになります。

 リーダーシップは特別職、つまり市長などに求められます。選挙で選ばれたのですから、バイアスがかかっていても、それが公約に基づくのなら大義名分が立ちます。

 リーダーシップに最も求められることは何か? それは何かを始める能力よりも、何かを終わらせたり、縮小したりする勇気だと思います。何かを始めることは、意外と容易いものです。しかし何かを終わらせたりすることは、とても勇気が要ることです。自然は変化を嫌うのです。たとえ現状が良くないことであっても。

 何かを始めることは部下に任せて、リーダーには、何かを終わらせたり、交通整理をしたりして責任を取ることが最も必要だと思います。

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