今週末はSPring-8で実験中です。SPring-8は24時間稼働の実験施設です。頑張っています。
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本年度から国際的な共同研究を行っており、その一環で兵庫県にあるSPring-8に来ました。SPring-8は日本最大の第三世代放射光実験施設です。この手の施設を利用した放射光分光実験は、広島大学のHiSORや佐賀県のSAGA-LSで行ってきましたが、SPring-8は初めてです。縁がなかったというのもありますし、HiSORやSAGA-LSのレベル(第二世代)で十分事足りたということもあります。
本日は1~4限まで実験・実験・講義・実習とフルでこなし、夕方から新幹線に飛び乗りやってきました。よく働きます、はい。
新幹線で岡山の一つ隣の相生まで来て、そこからバスで暗闇の道を進みました。
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有名なことわざに、「十で神童、十五で才子、二十歳過ぎれば只の人」というものがあります。この意味を、高専教育という観点から考えてみます。
高専での卒業研究は大学と違って、授業科目の一つとされています。つまり、時間制限があります。高専の教務管理システムは出欠に厳しいので、大学のような研究室での自由な研究スタイルは馴染みにくいこともあるでしょう。しかしながら研究というものは当然のことながら、時間制限下で行われるものではないので、科目の一つという捉え方は必然的に無理を生じます。
高専の当初の設立理念である「高度成長期の中級技術者の育成」という観点に立ってみれば、卒業研究を授業の一つとする方針は理に叶っていると思います。研究を深く追求するわけではないけれど、かといってしないわけでもない。研究とはどういうものかを体験するだけだったら、目的は達せられると思います。大学では、学士号を参加賞、修士号を努力賞、そして博士号で一人前という考えがあります。本科卒となる学士(専攻科卒)以前の准学士だったら、体験賞になってしまうのでしょうか。
けれども現在においては、高専への社会的要望はより高度化しています。そもそも高度成長なるものはとうの昔に終焉しましたから、今はより深い専門性と広範な知識、そして創造性が高専にも求められています。加えて保護者・学生側としても進学熱が高くなっていることから、もはや大学との差別化、棲み分けが曖昧になっています。
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和食というものは、素材本来の味を重視して、あまり手を加えないものです。西洋はその対極にあり、スパイスやソースを多く使います。どちらが良いかをここでは議論しませんが、まあ、美味しいものは美味しいです。
さて我が家では以前から、ガスバーナーを使った魚調理をしています。この有明海地域は物価が安く、特に魚が安いです。600円ほどで魚一匹を捌いてもらえます。三枚に下ろしたお魚はそのまま刺身にしても良いのですが、一手間炙りを加えます。といっても、家で藁に火を付けて直火で炙るわけにはいきません。火災報知器が鳴って、消防車出動になってしまいます。というわけで、ハンディタイプのガスバーナーで炙っています。ホームセンターに売っている物です。
和食の調理法としては、ちょっと浮くかなと思います。最近は伝統的な和食のお店でも行われつつありますが、まだ一般的ではないかと思います。
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すっかり秋も深まりました。正に秋晴れの晴天が多く、雨天が珍しくなりました。夏場はひたすら雨天で、研究室の湿度管理に除湿機が大活躍していました。除湿タンクを改造して100 Lまで上げましたが、一週間も経たないうちに50 Lを超えていました。そんな頃とは打って変わって、今は除湿機さんは退屈そうです。
装置にとって低湿度なのは有り難いことなのですが、私にとっては有り難くなかったです。そのココロは、「静電気」です。
最近装置に触れる度に、バチッバチッと痛い思いをしています。何故こうなるかというと身体の水分が少ないためだそうで、何故少ないかというと、歳だからだそうです・・・。
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この10月末で研究室も3年目3期生を迎えて、本格的に立ち上がってきました。
やりたい研究、やらねばならない研究が積もり積もっています。とても手が足りません。多くの方々から有り難くリクエストを頂いておりますが、回答に四苦八苦です。
毎日研究室で何かしていますが、とても充実しています。
この歳になって、仕事ができるという実感が湧いてきました。逆に言うと、今まではただ勢いでやっていた感じでした。
そんな実感が持てるようになったのは、若い頃からがむしゃらにチャレンジしていったからじゃないかと思います。無理をして、恥ずかしい思いも、嫌な思いも、辛い思いもたくさんしてきました。でも今になって、それら経験が実ってきたのかと思います。
若い頃にいたスマートだった人達は、どこかに行ってしまいました。
やりたいことが降り積もり、人の縁も多分に得て、研究室を運営できるようになりました。人生、何とかなるものです。
しかしまあ、人生は教科書通りに理路整然とは行かないものですね。やり直したいこと、後悔することはたくさんあるのですが、懸命にもがいて、気がついたら一つの頂に立っていたという感じです。
でも、まだ向こうにさらに高い山があるんですけどね。
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全く偶然の経緯にはなりますが、博士号を取って広島大学にポスドクとして勤めてからダイヤモンドライクカーボン(DLC)の研究を始めました。当初はそのX線光電子分光(XPS)による解析をメインにしていましたが、東北大学に移ってからはラマン分光解析をするようになりました。偶然当時の学生さん達が出したデータの意味(神様のサインですね)を、あーでもない、こーでもないと考えて、論文と論文にまとめたところ、えらく評価を受けました。・・・という具合に、狙っていたわけではありませんが、DLCのラマン分光解析が研究の主軸になってしまいました。でもどちらかというと、根は化学屋さんなので、色々材料作りがしたいなーとは思っているのですけどね。
そのラマン分光装置なんですが、一台3000万円はする装置です。とても個人研究費でも全財産をはたいても買えません。研究のメインフレームにはなってしまっていますが、装置自体は持っていません。そこでこちら有明高専に来てからは、佐賀県工業技術センターの装置を使わせていただいております。有明高専からは、有明沿岸道路(無料)を使って車で1時間程度の距離で近いです。
仕事柄、ラマン分光装置も含めて高価な装置が必要です。放射光分光、つまりXPSの親分みたいなこともしていますが、こちらのSAGA-LSも至便な距離にあります。
有明高専は福岡県(大牟田市)と熊本県(荒尾市)の正に県境にあます。校舎は大牟田市ですが、学生寮は荒尾市です。加えて有明海沿岸を通じて佐賀県とも繋がっていますので、広域交通は至便ですね。
そんなこんなで、11/16(水)にラマン分光のお話をします。
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ふと、最近買った本に付いていたしおりに書いていた言葉が心に留まりました。
「神よ、変えてはならぬものを受け入れる冷静さを、変えるべきものは変える勇気を、そして変えてはならないものと変えるべきものとを見分ける知恵を我に与えたまえ」
です。「ニーバーの祈り」と言われているものだそうで、恥ずかしながら、今まで全く知りませんでした。
日本社会に総じて言えるのですが、一度決めたものを金科玉条とするきらいがあります。その理念や理屈に現実が合わなくなってきても、絶対に変えようとしない。必然的に生まれてしまうどうしようもない差を埋めるために、無理な解釈や令外の官を作ります。それが貯まってくると、元の理念がもはや意味不明になるどころか、遵法精神が損なわれていきます。
そしてその損失を補おう、矯正教育させようとして、無理な指導(と自称するもの)が入ります。手段自体が目的化していきます。
品質管理、品質工学、ひいては人を束ねる上で、失敗を個人の責任に帰すことは御法度です。授業(5E 信頼性工学)でも、学生さん達に口酸っぱく言っているところです。100%の管理や成功を達成したいのなら、システムをそれに見合うように練り上げるしかありません。個人の努力や行動に依存しては、目的達成は絶対に不可能です。なぜなら、人間誰しも完璧ではないからです。不可能なのに、不可能なことを個人の責任にして組織を傷つける人は、残念ながら古今東西珍しくはありません。
これは、FMEA (Failure Mode and Effect Analysis)がLive documentであることを知っていれば分かることかと思います。
以上の点から、私は何事も変えたい派なのですが、一方で変えてはならぬものが存在することも事実です。変えること、ひいては合理性を追求することがあらゆる幸せに繋がるかと言えば、断言はできません。
ニーバーの祈りは、心に深く刺さります。
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イギリスで政権交代が短期間に続きました。新しい首相ですが、元よりこの方がなるだろうなーと以前よりNHKニュースを見て思っていました。でもあれれ別の方になり私の予想は外れたかーと残念に思っていたら、その施政方針も遠く日本ではあまり聞かないまま、結局この方になりました。当たりと言って良いのかな?
新首相の演説をニュースで聞きましたけど、やはりイギリス英語は日本人にとって聞き取りやすいです。
イギリス英語とは、屋上屋の変な言葉ですね。日本日本語みたいな。と言いますのも、英語教育の主流はアメリカ英語、すなわちアメリカ合衆国で使われている英語となっています。綴りはアメリカ英語の方が合理的な感(centreとcenterなど)がありますが、発音は低くて聞き取りにくいです。
歴史を紐解けば明治維新の志士たちは、伊藤博文のように英語が堪能だったそうです。その当時の英語は、日本人に聞き取りやすいイギリス英語ではなかったのかなーと思ったりします。当時はまだ大英帝国の時代でしたし。
さて現代の私、今年度は国際交流室というところにも所属していて、学内での英語の講演会のお世話などをしています。有明高専ではグローバルエンジニア育成事業というものを行っておりまして、国際社会に対応できる人材の育成を行っています。先日は講演会の司会も行いました。
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我がチーム鷹林研究室は3年目を迎え、この度4E (創造工学科 4期生)から4名が新たに研究室配属となりました。学生さん合計は11名と規模が大きくなりました。
この第3期生から、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)研究が本格的に立ち上がります。
優秀なメンバーも揃い、装置も整い、あとは私自身が頑張っていくだけです。
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校内にいると、たまにではありますが、「ワタシの専門は○○だから~云々」という声が聞こえてきます。誠に残念至極です。
5年と時間制限が厳しい高専時代に教えられる専門学問は、わずかです。高々片手で数えられる年月決められた専門カリキュラムをこなしたからって、専門家気取りをするのは、ただでさえ狭い知識をより狭くするだけでしかありません。気取るメリットは、ゼロです。
昔、ある泊まり込みの学会に行ったときの夜、車座で団らんして話を聞いていると、ある大学の教授が仰せになりました。「それで10年飯を食ってから、専門家と言うべきだ」と。けだし至言でした。
実のところ私自身、未だに何が専門なのかがよく分かっていません。化学・物理・電気の世界を渡り歩き、それぞれそこそこできるのですが、これといって絶対的に胸を張れるものはありません。確かに論文では持論を主張してはいますが、ふとこれで良かったのだろうかと眠れないこと度々です。TVのインタビューやコメントで専門家の先生方が述べられますが、私にはとても真似できません。そんなようでは、専門家として言うのも恥ずかしいですね。
色々考えを巡らせていると、どんどん分からないことが湧いてきます。研究は深く追求するほど、分からなくなってきます。分からないことがあると、専門家ではないですよね。それとも、分からないことが分かっているから専門家なのかな。う~ん。
専門家と言える人が羨ましいです。
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選択科目っていうのは本来、Challengingな科目であるべきと思っています。そのココロはと言いますと、
という具合です。
1については、高学年になって研究室所属になったりすると、個々の専門性が深くなります。深い専門学問はその分野には大切であっても、他分野や他の研究室にとっては重要性が低かったり、意味が分からないものだったりします。例えば、プログラミングの人達にプラズマはあまり必要ないかなと。
そんな分野は第一に各研究室で教えれば良いのですが、複数研究室に関係したりすると、選択科目として用意しておいた方が効率的だったりします。
2については、残念ながら学生間で学力に差があることが原因です。特に若い内から専門分化しなければならない高専では、学年が上がるにつれて、ついていくのがしんどい学生さんが出てきたりします。できる子をとことん伸ばすか、それともできない子を手厚くサポートするかは、永遠の課題です。どちらに偏っても、他方からは不満が漏れます。
その解決法の一つに、高度な科目を選択とすることがあります。例えば、担当している電気磁気学(電磁気学)の場合、特殊相対性理論をもって電磁気学の完結とするべきと思っていますが、そこまで必修で引っ張ると、撃沈する子が後を絶たなくなってきます。というわけで現在は、興味ある学生さん達を対象に課外で数回行っています。単位には何も関係しませんが、興味津々な学生さんはいます。
他に量子力学や固体物理学なども同様です。必要なんだけど、必修とするには難しすぎますね。こちらは課外で用意する余裕がないので、研究室で必要な分をぼちぼち教えていくことにしています。
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