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保身とは何か?

 「保身」という言葉は、良い意味で使われることはありません。しかしながら、世の中にはそう見えてしまう、ないしそう断言せざるを得ないケースが多々あります。良い意味ではない言葉が何故このように多く使われるのでしょうか?

 それは、「能力もないのにその地位に就いている」ということが根本かなと思います。年功序列とかで。日本の組織ではありがちです。ならば潔く辞すれば良いとなりますが、そう簡単ではありません。それは、その人は能力がないのですから、その地位をなくすと生きていけないかもしれないからです。生存本能ですね。能力に相応しくない肥大化したプライドもあるでしょう。

 保身はベクトルを狂わせます。本来顧客、アカデミックで言えば学生さん&保護者、の方を向いていなければならないベクトルが、我が身と組織内政治に向きます。そうして行くうちに、組織は次第に腐敗していきます。大企業や親方日の丸組織にありがちです。自身の腐敗ごときで大船は沈まないと思うからです。何かをすると目立つし、しんどいから、何もせず黙って定年まで過ごせればOKみたいな。

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教育とは何か?

 教育とは何か? 私なりの理解では、

「何人であれ、その者が活きるように導くこと」

だと思います。教育に携わる者はそのプロフェッショナルでなければなりませんし、これが教育者の最大の務めだと思います。

 人を責めるのは簡単です。他人は自分とは違います。責める理由の大部分は、自分との差異が許せないからでしょう。そう、何人でも他人を責めることができます。

 反省ないし再起を促す意味で責めるのは良いとしても、ただ単に自己満足のために責めることは頂けません。信賞必罰は指導の根本ですが、そのバランスにはよくよく注意しなければなりません。

 過失に対してバランスを欠いた過剰な責めには、得るものがありません。「窮鼠猫を噛む」のように、かえって失うものが多くなります。

 つまり、責めるのならば、先々の落とし所を想定して振る舞っているかです。

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第15回プラズマ橋掛け研究会

 10/27(日)は、プラズマ橋掛け研究会に参加しました。この研究会は、プラズマ関係の研究者間の親睦と今後の新展開などを議論するためにできた小さな会合です。岡山理科大学の中谷 達行先生の音頭で始まり、第15回まで積み重ねてきました。

 私は会社員時代の2018年3月の第7回(岡山理科大学開催)から受け入れて頂いて、そこからレギュラー参加してきました。数ヶ月おきに行って来ましたが、2019年11月の第14回(高知工科大学(八田 章光先生)開催)を最後に、ここ5年間はコロナのため開催ができていませんでした。

 今回は私が幹事でした。当初有明高専での開催を計画し、その後の意見交換会を大牟田市内で考えていました。しかしながらその後の話の流れで、「どうせなら、意見交換会は近くの玉名温泉でしよう」→「移動がしんどいので、最初から玉名温泉でしよう」という変更となりました。

順番は前後しますが、解散時の集合写真です。
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九州の新幹線

 ISSS-10では、新大牟田駅から九州新幹線小倉駅へと向かいました。在来線で大牟田駅からも行くことができます。先の門司港駅までの直通列車もあり、快速便もあります。今回は時間が制限されていましたので、新幹線で向かいました。

 しかしながら途中で乗り換えを要しました。久留米駅でさくら号に乗り換えなければなりませんでした。つばめ号は博多駅までしか行きませんから(※早朝夜間の数本を除いて、乗降客の少ない新大牟田駅には各駅停車のつばめ号しか停まりません)。早朝の一本を除いて、「九州」新幹線であるのに小倉まで直通で行けません。小倉は九州で、堂々旧豊前国の中心です。不便です。なお乗り換えは、2面2線でホーム移動の必要ない久留米駅が便利です。

 小倉‒博多間は山陽新幹線で、JR西日本の管轄です。博多駅で必ず乗務員交代があります。しかしこれは運営側の都合上で、乗客にとっては関係ないことです。同じ九州、同じ県内なのに不便です。

陽も落ちてきたISSS-10の帰りの小倉駅新幹線下りホーム。博多行のこだま号に列を成しています。小倉から博多へ向かう乗客は多いです。
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ISSS-10

 9月から応物半デバGEC2024と続いた怒濤の学会ツアーも最後になりました。ISSS-10 (The 10th International Symposium on Surface Science)です。日本表面真空学会主催の国際会議で、3年毎に行われています。会場は、JR小倉駅の北口にある北九州国際会議場でした。同じ福岡県内であるのと、世話役の下っ端を務めていることもあって、参加しました。

 同じく専攻科生3名のポスターとしました。ちょうど5年生の卒業研究中間発表会と重なったため、合間を縫って有明と北九州を新幹線で行ったり来たりの日々でした。というわけで、私自身の発表をスケジュールすることは不可能でした。日本表面真空学会の時期は校務と相性が悪いです。

小倉駅の新幹線改札出口です。北口に進みます。
看板が掲げてありました。
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3E 工場見学

 アメリカから戻ってきたら、季節は秋になっていました。気候的にですね。暑さはまだ残ってはいますが、夏という感じではありません。内閣も交代し、月末は選挙となっていました。アメリカにももちろんTVニュースはありますが、日本が報道の中心ではありません。浦島太郎の感覚でした。

 そんな10/11(金)、3E副担任として、3Eクラスの工場見学に同行しました。例年3年生は日帰りで企業の工場を見学しています。コロナにより前回の3E副担任(2021)のときはなかったのですが、今回は再開されました。

 午前中は久留米の大電株式会社様を訪れました。各種電線を製造している企業です。個人的には、こちらの(公財)吉田学術教育振興会様には大変お世話になりました。着任して初めての研究助成を受けて、研究を立ち上げることができました。なお、企業内見学ですので写真はNGということで。

 昼はゆめタウン久留米で食事休憩となりました。学生さん達はあっという間に散らばっていきました。私が行くところはもちろん、バーガーキングですね。大牟田サンフランシスコシンガポールと、各地のバーガーキングを訪れています。物価調査です。

お約束です。まじめな経済フィールドワークですよ。
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National Border

 さらにGEC2024でのお話です。空いた時間にトロリーに乗って、メキシコとの国境(National Border)に行ってきました。トロリーの南の終点San Ysidro駅が国境地帯手前になっています。島国日本では経験できないことですね。

 トロリーはPetco Parkのあるダウンタウン地域を過ぎると、郊外になります。風景も一変して、ちょっと大丈夫かなぁ((((;゚Д゚))))という感じになってきます。

 しばらく乗り続けて、終点San Ysidroに着きました。降りて少し真っ直ぐ歩いて行くと、メキシコとの国境でした。出稼ぎやちょっとした観光などで国境の行き来は多いようです。通貨両替ができるお店がある一方で、両国の通貨が使えるお店もありました。

San Ysidro駅に着きました。すぐ先がメキシコとの国境です。
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For the Faithful

 時を遡って、GEC2024@サンディエゴのお話の続きです。10/3(木)の会議を終えた夕方に、同行した先生方と一緒にメジャーリーグを見に行きました。ちょっとお高かったので、学生さん達はお留守番ということで。サンディエゴと言えば、パドレスですね。ダルビッシュや松井 裕樹が所属しているチームですね(※本日の試合では出場はありませんでした)。

 今シーズン、パドレスはナショナルリーグ西地区ドジャースに次いで2位で通過し、ポストシーズンのワイルドカードシリーズ出場権を得ました。そしてアトランタ・ブレーブスとの試合を重ねて、この日を勝てばディビジョンシリーズに進んでドジャースと対戦できることになります。

 実はパドレスはワールドシリーズを一度も制覇したことがなく、「For the Faithful」を合い言葉に、今年こそはと盛り上がっていました。パドレ(Padre)という言葉はスペイン語で神父という意味ですので、そのファンを信者(faithful)としているわけです。

 会場であり本拠地であるPetco Parkは、トロリーで行くことができます。Gaslamp Quarter駅もしくは12th & Imperial駅で降りて少し歩くと着きます。交通は至便です。車社会のアメリカでは異色ですね。

本拠地Petco Parkです。
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リベラルと保守

 企業で5年間抜けていたとはいっても、人生の大半を学問の世界に身を置いています。幸い、何とか餓えることなく生きてきています。ファミリーも、これでもかとお腹いっぱいの日々です。

 この世界に身を置きながら、日本中を駆け巡ってきました。それで感じたことは、「東ほど保守的で西ほどリベラル」ということです。あくまで私自身の感覚ではありますが。

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Bargain for Communication

 10月になりました。月初めの各社内定式が終わり、また新たな就職活動戦線が始まりました。そして、コミュニケーション能力の大安売りもまた始まりました。Bargain for Communicationです。

 以前にも書きましたが、その勘違いには聞き飽きます。コミュニケーション能力至上主義を、勉強しないことへの免罪符と勘違いする輩も出てくる始末です。OBや先輩からこのような類のことを言われて、真に受けます。真に受けるというよりは、それを免罪符として使ってサボろうする潜在意識の発現です。そのOBや先輩って、本当に自身が人生の理想や目標とすべき人材なのかな?と思います。

 そんな中の毎度の後期、内定式を済ませてあとは卒業を控えるだけの5E学生達に対して、信頼性工学の授業を行っています。コミュニケーション能力の真の意味について説きました。それは、「めんどくさい人を何とかする能力」ということです。

授業スライドの一コマです。
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研究活動と高専

 高専(National Institute of Technology)は高等教育機関の一つですから、大学と同じように卒業研究が科目として存在しています。言い方を変えますと、高等教育機関であることは研究活動によって担保されています。

 つまり高専は、研究機関としては大学/大学院や国研と同等なのですが、そこはやはり規模の問題がありまして、建物一棟に及ぶような大型実験装置はありません。一校全体で1,000人程度の学生数です。国立大学は一「学年」で3,000人を越す規模ですからね。私立大学だと10,000人規模にもなります。でも予算手当てとしては規模の割には大きくて、大学の先生方からは羨ましがられていることもまた事実です。実感ないけど・・・。

 現在の研究室専攻科生達は、賞を取りまくってくれています。ちょっと取りすぎかなあと思い、この状況は後輩達へ続いてはいかないだろうなと、嬉しいようでちょっぴり不安な心持ちです。

 この状況の見方を変えてみれば、マネージメントさえしっかりすれば、高専は十分な研究機関として機能することの証左でもあります。しかし残念ながら、現実はそうではないです。

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GEC2024@San Diego, CA, USA

 夏休みの締めくくりとして、GEC2024 (The 77th Annual Gaseous Electronics Conference, 第77回気体電子工学年次会議)という国際会議に行ってきました。要はプラズマの会議ですね。APS (American Physical Society, アメリカ物理学会)主催の第一線の国際会議です。9/30(月)-10/5(土) (※含機中泊)の日程で、開催地米国カリフォルニア州サンディエゴ市に行ってきました。そう、5月に別の会議で行ってきて以来の再上陸です。4ヶ月後にまた来るとは思いも寄りませんでした。前回は一人旅でしたが、今回は専攻科生3名と共に旅しました。

 4人も費用どうすんの!? ということがまず思い浮かぶと思います。ご心配なく。高専機構は現在国際化に力を入れていまして、学生さん達の短期留学や国際会議出席に積極的に援助をしています。私はその校務を担当していまして、先鞭をつける形で支援を受けて学生達を登壇させています。昨年一昨年と毎年実施してきました。

 日本からサンディエゴへは、成田から直行便があります。5月は羽田からサンフランシスコ経由で行きました。しかしいずれも高額なので、4人旅の今回は、福岡空港からハワイ経由の乗り継ぎで向かいました。こちらの方が大夫安くなりました。支援があるといっても、100%ではないですからね。飛行機は、航空会社や旅程の組み合わせにより大きく価格が異なります。

福岡からハワイ・ホノルル経由で行きました。

 これを読んでいる高専生の皆さん、高専を目指す皆さん、保護者の方々は、チャンスだと思います。大学だと規模が大きくて中々難しいのですが、小規模な高専でしたら海外への機会を掴むことは比較的容易です。

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