夏季休講最終日の本日は、佐賀県工業技術センターにラマン分光(Raman spectroscopy)測定に行きました。夏季休講中といっても、教員はぜーんぜん休みではないのは先に述べた通りです。
先日SAGA-LSで熱処理&測定した試料を、今度はラマン分光測定です。SAGA-LSで行った光電子分光は、対象原子と結合する原子(主として第一隣接原子)間の結合エネルギー(binding energy)を測定し、その変化から対象原子の化学結合状態ひいては試料の化学構造を考えていくものでした。
これに対してラマン分光法は、もっと大きなスケール、すなわち対象分子やその集合構造の幾何学的対称性から化学構造を考えていきます。
どちらも分光法(spectroscopy)というくくりでは一緒ですが、試料に与えるエネルギーとその結果出てくるエネルギーの大きさが違います。専門的に言いますと、電子励起と振動励起の違いです。各測定法には長所もあれば短所もありまして、一つの測定法だけでは分からないことや見えないことがありますので、複数の手法を用いて複眼的に研究を進めていくのです。
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