高桑雄二先生受賞&古稀祝賀会

 9/28(土)は、東北大学 高桑 雄二先生の日本表面真空学会令和6年度学会賞受賞と古稀の祝賀会に参加してきました。場所は仙台ではなくて、集まりやすい東京で、しかも浅草の屋形船となりました。

全国各地から浅草へ集まりました。
高桑先生と記念写真。

 ただいま光電子制御プラズマを用いて研究展開をしておりますが、その光電子制御プラズマを生みの親が高桑先生です。まあ要するに、私はその掌の上で遊んでいるということになります。

 遡ること2010年1月に、東北大学 電気通信研究所 尾辻 泰一先生のところにポスドクとして着任しました。グラフェンをチャネル材料に用いた電界トランジスタ(field effect transistor, FET)の開発を担当することになりました。しかしながら色々調べてみると、グラフェンに対する適切なトップゲート絶縁膜(top-gate dielectric)がない!!ということに気づき、いきなり途方に暮れました。どないしよ~(ノД`)と。ポスドクは、成果が出なければ無職直行です。

工エエェェ(´゚д゚`)ェェエエ工

 Si-MOSFETにおけるSiO2/Siのような組み合わせは、グラフェンにできません。だって酸素を含む酸化物材料を炭素材料上へ成膜しようものなら、その炭素材料は一発でCO2へと酸化除去(灰化、アッシング、ashing)されるだけですから。

 前職、広島大学大学院 先端物質科学研究科 高萩 隆行先生の下でアモルファス炭素材料であるダイヤモンドライクカーボン(diamond-like carbon, DLC)の研究をしていたことを踏まえて、同じ炭素材料同士なら大丈夫だろうとして、DLCをグラフェンのトップゲート絶縁膜に使えないかなという発想に至りました。

 そこで、近くで成膜できるところはないかと探したところ、隣の多元物質科学研究所の高桑先生の生まれて間もなかった光電子制御プラズマに辿り着きました。何の面識もなかったところから、いきなり門を叩いたわけです。若さと必至さ故ですね。こうして現在へ至る研究展開が始まったわけです。全くの偶然でした。よく今この世界に生き残れているなと全く不思議に思います。

 そして光電子制御プラズマを使ったDLC/Grapheneの目論見は見事に当たり、世界初の炭素質トランジスタが完成したわけです。

船内の様子。たまたまカメラ目線。
福岡大学 篠原 正典先生と。船外の景色について話していたとも思いますが、内容は忘れました。

Views: 26

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA