サーキットデザイン教育センター開所式

 9/29(月)、この度有明工業高等専門学校が設置するサーキットデザイン教育センターの開所式が、大牟田アリーナで行われました。はい、ロボコンに続いて3日連続で大牟田アリーナです。

 高専機構では、K-semiconという半導体工学に関わる人材の育成教育に関するプロジェクトを進めています。半導体工学、すなわちトランジスタなどの電子デバイスならびにその集まりで所望の機能を有する集積回路(Integrated Circuit, IC)をつくるには、大きく「設計前工程後工程」という3つの工程があります。日本は前工程が強いです。前工程とは、材料を用いて実際にデバイスをつくる工程で、材料科学の一分野とも言えます。私はこちらに入りますかね。後工程は、できた回路を皆が使えるようにパッケージしたり、装置に組み込んだりする工程です。

 残る設計は、つくりたい回路の図面を考える工程です。日本には、何をつくるかという総合マネージメント人材と、実際にそれを絵にする設計人材が不足しています。前工程と後工程はそれを実際の形にするですね。というわけで、高専はサーキットデザイン教育センター(Circuit Design and Education Center, CDEC)という組織を有明につくって、設計者育成を担うことになりました。

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ロボコン

 世の中の人達が「高専」というキーワードで真っ先に思い浮かべるのは、ロボコンだと思います。ロボコンは高専の部活動の一つですが、最もメディアへの露出が多いために、高専を代表する部活動の一つとなっています。高校では野球、高専ではロボコンというところですかね。

 夏休み終盤の9/28(日)はその大会、「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト2025」の九州沖縄地区大会が行われました。そう、ロボコンはロボットコンテストの略で、このためにある部活動と言えます。今年度は有明高専が幹事校で、会場は昨年完成したばかりの大牟田市総合体育館(大牟田アリーナ)で行われました。九州・沖縄地区の高専は全部で9校10キャンパスあります。つまり、10年毎に地区大会の幹事が回ってくることになります。

 前々日の26(金)から有明高専の教職員と有志学生達が総動員で準備しました。

お約束の準備中の記念写真です。
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夏のベーキング

 学会旅回りから帰ってきてから、自宅ではPC改造をしました。研究室ではというと、ベーキングしました。

 ここ1ヶ月くらいでしょうか、装置の真空度が悪いので、何とかしなきゃと思ってはいました。しかし学会で忙しかったので、放置していました。実用的には問題ないレベルでしたし。

 そんなこんなで学会を終えてちょっと楽になりましたので、試みることにしました。真空度悪化の原因の心当たりはいくつか思い浮かんだのですが、ベーキングでまとめて片付けることにしました。まだ暑さ厳しい折にベーキングとは・・・です。作業は重労働なんですけど、装置の性能を発揮できていない状況はやはり心苦しく、実施することにしました。

 「刺激的さ~、クラクラしちゃう~」でした(※年代は違います)。

 まずは装置にアルミホイルを巻き付けました。装置すなわち真空チャンバーを材質であるステンレスは熱伝導度が悪いので、良いアルミホイルを巻き付けて補います。

 巻いたアルミホイルが外れ落ちないように、ワイヤーで縛りました。SUS製の細い0.3 mmワイヤーを用意しました。

ステンレス製の真空チャンバーにアルミホイルを巻き付けます。ステンレスワイヤーで縛り止めていますが、色が同じなので分かりにくいですね。さらにその上にリボンヒーターを巻き付けます。

 そしてその上からリボンヒーターを巻き付けました。効率良く加熱するために、重ならないよううまいこと巻かねばなりません。チャンバーは大きいので、複数本巻きました。

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SSD導入とDRAM増設

 自宅のデスクトップPCを改造しました。昔買ったHDDのみのデスクトップPCです。安いものを買いました。しかしもはやHDDのみでは動きがものすご~く遅いので、SSDを導入してこちらにOSを移すことにしました。ついでにメモリ(DRAM)も増設することにしました。セットアップはだいぶ以前に購入用意していましたが、仕事で手が回らず、学会旅回りを終えたこの時期に行うことにしました。

 こういうPCの改造は、私の年代からちょっと上の人達が大得意ですね。私も興味はあったのですが、昔のPCは高価だったので縁なく過ごしてきました。今やPCとその周辺機器もかなり安くなりましたので、遅ればせながらDO IT YOURSELFです。

 まずはSSDを繋ぎます。増設できるポートはあるので、SATAケーブルを用意して繋ぎました。分からないことは逐一ネットで調べました。こういうPC関係って、昔の人達はテキストなしでチャレンジしてきたんですよね。続くプログラミングやソフト開発もそうです。電気の世界って、難しい理屈を知らなくてもチャレンジできるところがすごいですよね。化学の世界ではできないことです。

SSDをSATAケーブルで増設します。
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ISATE2025

 9/10(水)に秋の応物は閉幕しました。さあ帰路だと言いたいところですが、さらに1件会議がありました。ISATE2025です。ISATEは、”The International Symposium on Advances in Technology Education”の略で、高専の教育に関する国際会議です。全国の高専の他、友好関係にあるシンガポールポリテク(SP)の先生方が参加されていました。SPは高専のようなものです。

 一昨年、島根県松江市で開催されたISATE2023に出ました。当時は、「高専に来たからには、こういう会議も経験しておかないとねっ」というノリで、積極的に参加しました。しかし帰路に肋間神経痛というとんでもない目に遭いました。

 一昨年の参加でこの会議は卒業だと思っていました。教育関係の研究活動をしている先生方は他にたくさんいますし。ところが、今年も役回りが回ってきました。何故でしょう・・・? 各高専から1名出すということだったらしく、私が再び出ることになりました。教育関係の研究活動は特別してないんだけどなあ・・・。

 名古屋のホテルをチェックアウトして、名鉄に乗って会場へと向かいました。会場は豊田市の豊田市福祉センターでした。今回は地元の豊田高専が幹事でした。

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2025秋の応物

 9/5(土)に無事スコットランドから帰ってきました。一日休んで7(日)からは、第86回応用物理学会秋季学術講演会に参加しました。秋の応物ですね。この春はお休みしたので、1年ぶりです。

 会場は、愛知県名古屋市の名城大学 天白キャンパスでした。いや、涼しかったスコットランドから帰ってきて絶望しました。とにかく名古屋は

蒸し暑い!!

の一言でした。しかも名城大学は丘陵地のそのまた坂の上にあります。最寄り駅は名古屋市営地下鉄の塩釜口駅で、そこから徒歩500 mの距離とのことでした。近い? いやいや、もう足が吊りそうでした。汗も止まらなかったです。

汗びっしょりで足が吊りそうになりながら会場へ着きました。
アーニャも驚きの暑さでした。
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スコットランドへの旅(5/5) ~ エディンバラ ~

 電車に乗ってエディンバラに到着しました。終点かつ下車した中心駅であるWaverley駅は市街地の谷間にあります。天王寺駅みたいな感じです。しかしどこへどう出たら良いか分からず、どこでもいいから出口へと向かいました。

 降りてからGoogle Mapsを片手に坂を登ると、市街へ出ました。天気は曇天で小雨が降っていました。北国であるスコットランドらしいです。気温は17 ℃前後でして、猛暑の日本とは全然違いました。コートなど上着が必要でした。ただし地理で学んだように、グレートブリテン島北大西洋海流による西岸海洋性気候のために、緯度の割に温暖です。グラスゴーやエディンバラの緯度は北緯55度で、日本を通り過ぎて極寒であるロシアのカムチャツカ半島と同じです。

 遠い丘の上にあるエディンバラ城へ向かうことにしました。まずは途中のスコット記念塔で記念撮影としました。

スコット記念塔にて。
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スコットランドへの旅(4/5) ~ Alight ~

 前回説明したように、スコットランドは国家です。民族もケルト系と、アングロ・サクソン主体のイングランドとは違います。スコットランド人は、赤毛が特徴的ですね。赤毛のアンとかキルヒアイスですね。

 言語もスコットランド語という独自の言語があります。英語はもちろん通じますが、訛っていたり単語も違っていたりします。各駅の名標(※撮るの忘れました)は、英語とスコットランド語(恐らく)の二重表記でした。

 駅名標の下には、多分乗り換え案内だろうなーという表記がありました。どうも英語のようですが、”Alight”という未知の単語がありました。各駅に記してあるので、ずーっと気になっていました。

 後で調べると「下車する」という意味でした。下車といえば、”get off”とか”ride off”とかだと思っていましたが、へーこういう単語も使うのかーと初めて知りました。

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スコットランドへの旅(3/5) ~ 鉄道 ~

 イギリスは単一国家ではありません。複数の国家が集まった連合国家です。正式名称は、「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland (グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)」と言います。略称UK (連合王国)です。

 イギリスという日本名は、ポルトガル語でイングランド(England)を表す「Inglez (イングレス)」という言葉から来ているそうです。しかしイングランドはUKを構成する国家の一つであり、他にはスコットランド(Scotland)・ウェールズ(Wales)・北アイルランド(Northern Ireland)があります。民族が違います。

 イギリスという日本語から、日本人はUKを単一国家と勘違いしやすいですよね。ここんとこをきちんと理解しておかないと、映画の”Braveheart“なんて訳分かんないですよ。

 今回やって来たのは、イギリスではなくてスコットランドです。下手にイギリスなんて言うと、現地の人にめちゃ怒られます。グラスゴーはスコットランド第二の都市です。

 学会の空き時間、せっかくなのでどこかに観光に行こうと考えました。スコットランドの首都であるエディンバラに行くことにしました。

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スコットランドへの旅(2/5) ~ 発表 ~

 さて、肝心の学会です。今回は、専攻科学生達はポスター、私はオーラルとしました。私のオーラルは学生達の前座的なものを考えていて、「詳しい内容はポスターで」と行きたかったのですが、最終的なプログラムは彼らの後になりました。昨年度のサンディエゴと同じ状況となりました。

 というわけで、学生達のポスターです。どれだけ英語の授業を聴くよりも、こういうリアルな現場で経験を積む方がよっぽど語学力の向上に資することは疑いないですね。近年はTOEICがとかく持てはやされていて、確かに若手の研究者の方々の語学力は高いです。しかしTOEICでいくら好成績を取ったとしても、それはスタート地点であってゴールではないですからね。日本人特有の「手段と目的を履き違える」になってしまわないかなぁと一抹の懸念があります。

7E 内藤君です。
6E 出村君です。

 話がずれましたが、2時間の枠の中で、両名とも一生懸命訪問者に応対していました。

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スコットランドへの旅(1/5) ~ 出発 ~

 KRIS2025を終えたその週は、九州に戻って引き続いてSAGA-LSで実験でした。そして休む間もなくその週末8/31(日)からスコットランドグラスゴーへ旅立ちました。ICDCM 2025 (35th International Conference on Diamond and Carbon Materials)という、ダイヤモンドならびに炭素材料の国際会議に出席するためです。年に1回は、修学旅行のつもりで国際会議です。

 参加者は、KRISと同じく7E 内藤君と6E 出村君の専攻科生達と私の3名でした。国立高専は全国的に国際化教育に力を入れています。有明高専は加えて力を入れており、Global Education Center (GEC)という専門の学内組織を持っています。GECでは国際会議参加の学生さんに対して大きな補助をしていますので、鷹林研究室学生さん達の国際会議出席には皆それをいただいています。かなり助かっています。

 リーズナブルな旅程を探しますと、「福岡 → 関空 → ドバイ → グラスゴー」の2回3機乗り継ぎがベストでした。しかしなかなか長い旅路となりました。

まずは関空へ。

 福岡からはあっという間に関空に着きました。前に関空に来たのは、15年以上前ではなかったかと思います。久しぶりです。大方は変わっていませんが、細かいところは変わっていますね。

関空に着きました。ここから出国です。
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KRIS2025

 8/24(日)と25(月)は、KRIS2025へ参加するために東京へ行ってきました。KRISとは、”Kosen Research International Symposium”の略で、全国の高専生ならびに教員が国際会議形式で行うシンポジウムのことです。国際会議形式なので、もちろん使用言語は英語です。

 昨年度2024年は中止になりましたが、一昨年の第1回2023年は参加しました。一昨年は私オーラル&座長、本科生2名ポスターという形で参加しました。今回は専攻科生2名オーラルという、満を持しての参加としました。私は座長のみの仕事でした。だって仕事多いから。

 なお有明高専からは、CL(応用化学/環境生命)コースの先生方3名を入れて、参加高専中最大の4名の座長を出しました。学生参加者は、うちの研究室2名を入れて総計7名でした。

 研究室の学生さん達は優秀です。学会の支部大会も全国大会も難なくこなしています。しかしながらまだ経験は浅く、ガチな国際会議へのオーラル登壇はキツイところです。ていうか、年齢を考えれば当たり前ですよね。KRISは同じ高専生の集まりですから、良い英語プレゼンの舞台と考えまして参加を試みました。真夏ですけど。お盆休み中に準備を指示し、明けてから開催までの一週間練習を重ねてきました。

参加の7E 内藤君と6E 出村君です。
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