春休みです

 2/20(火)は終業式でした。来月15日の卒業式を挟んで、4月初めまで春休みです。

 世間一般の認識では、教員のバカンス期間と思われるかもしれません。いえいえ、研究の書き入れ時です。高専の授業は密ですので、開講期間中の研究活動は何かと縛られます。授業のないこの長期休み期間中に如何に努力し進めることができるかで、以後の成果が決まります。研究室としても、学生さん達としても、私としても。プロ野球のキャンプと同じです。

 短期的には来月末の学会へ向けての仕上げです。その他、出張実験目白押しです。

書き入れ時です。
解析も。

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怒りますか? 怒りますよ

 学生さんによく聞かれます。「先生、怒ることあるんですか?」と。

 いや、怒りますよ、ふつうに。何に怒るかというと、「人として超えてはいけない一線を超えること」に対してです。ここは非常に厳正にします。周囲が引くくらい。それ以外の日常の些細なことに対しては、どーでもよいことと思っています。角を矯めて牛を殺しても意味ないです。

 身近な例で言いますと、研究に関して、「内容はさておき、自分の力でやり遂げなさい」とか「研究は自分一人でできたものではないから、謝辞は大切にしなさい」とかは言いますね。相手への敬意です。

 いやー、当たり前のことを当たり前にやっているだけなんですけどねー。

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論文出しました

 日本表面真空学会発行の同学会誌「表面と真空」2024年2月号に下記論文を出しました。同号は「プラズマが誘起する表面反応の制御による膜作製」という特集号で、企画された福岡大学 篠原 正典先生に招待いただきました。

鷹林 将, 高桑 雄二, “光励起プラズマによるダイヤモンドライクカーボンの精密成膜とその応用”, 表面と真空, 67, 59-64 (2024).

 東北大学 名誉教授 (多元物質科学研究所)の高桑 雄二先生との共著です。前々職である東北大学 電気通信研究所時代に多元物質科学研究所 高桑研究室と共同で行った仕事です。続く会社員時代においてもその成果を原著論文として出し続けました。今回はそれらのまとめ論文で、有明高専での活動を通じて最近至った考えも新たに織り交ぜています。

よろしくです。

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博士論文公聴会参加

 2/9(金)、岡山理科大学 フロンティア理工学研究所 中谷 達行教授研究室の大学院博士後期課程学生である今井 裕一さんと福江 紘幸さんの博士論文公聴会に参加してきました。中谷先生には20年来お世話になっており、人生の恩人の一人です。今井さんと福江さんにも同じく長年お世話になっており、特に福江さんには深く共同研究の繋がりがあります。

 博士論文公聴会とは、博士後期課程を修了して博士号を得るために必要な、いわゆる卒論発表会の一つです。ただし、名前が「公聴会」と別名になっているように、修士以下の発表会とは全く別の厳しいものです。時間は一般的に発表40分・質疑20分の計60分です。修士では長いところでも15分・10分だと思いますから、公聴会は倍以上と格段に長くなっています。この長さに対応するためには、事前に修了要件ともなっている学術論文を数報出版しておかないとなりません。つまり、公聴会開催自体へ辿り着くのもまた非常に厳しいものとなっています。

 本科卒業で准学士号、専攻科修了もしくは編入先の大学卒業で学士号です。その後どこかの大学院へ進学して、2年で修士号、さらに3年で博士号です。ただし、3年で博士号が取れる保証はありません。授業単位だけを揃えた「満期退学」では、博士とは見なされません。

 ちなみに私の時はどうだっかというと、人生で初めて「精根尽きる」を実感しました。質疑では初っぱなに「その研究意味があるの?」という大谷翔平投手顔負けの剛腕ストレートが飛んできて、窮したものです。その後の打ち上げでは、もう声が出ませんでした。博士後期課程から研究室を移り、核となるデータが出たのが2年生(D2)の10月です。今でもその驚きを覚えています。それから残り1年半で要件であった第一著者3報を仕上げました。100%出し切ったと言えます。

 このように、公聴会をくぐり抜けて博士号を取った人には、高い社会的地位が約束されます。私もその苦労を身に染みて知っていますので、博士には敬意を払います。日本ではまだまだですが、海外で”Mr. Takabayashi”と”Dr. Takabayashi”では扱いが雲泥の差です。

 日本の世の中では大学名でマウントを取ってくる人が多数いますが、博士の立場からすれば全く馬鹿馬鹿しいものです。博士号を得ているか、得ていないかだと思います。

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原著論文投稿しました

 原著論文を投稿しました。「原著」って言うのはオリジナルな論文のことで、まとめ(review)論文でないものです。苦節4年、高専へ来てからやっと投稿できました。原著論文が出ないっていうのは研究者として致命的であり、研究者の仲間内からも、「鷹林は仕事してんのか!?」、「鷹林は准教授になってダメになったな」という具合に叱られる始末でした(ノД`)

 特に5年担任の今年度は、日々の「もう無理・・・」との戦いでした。そう、高専での一本の論文は、大学のそれの何倍もの価値があります。何かと言い訳をつけて、書かない(書けない?)人には分かりませんけどね。

 といっても、まだ投稿しただけで、これから査読プロセスが始まります。論文投稿した人なら誰しも、「この論文はバッチリ通る(受理される)」と思うものです。まあ、世の中そう甘くはないのですけど。でも、ちょっと胸のつかえは取れてホッとしています。

苦節4年です・・・。
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批評と退化と倫理観

 教職にある人がよく行うのが、「学生批評」です。お茶飲みのツマミみたいな感じで、あの学生はどうだのこの学生はどうだのと批評します。これが好きな人は、ホント大好きです。

 でもこれって、教職にある人が一番陥りやすい過ちなんですよね。

 当然の前提として、教職にある人すなわち教える者は教わる者(学生)よりも知識や経験は上です。言わずもがな。学生は足りなくて当然です。学生なんですから。知識・経験が十分だったら、わざわざお金払って朝から来ないでしょう。

 学生が教職にある自分と比べて足りないことに対して「あーだ、こーだ」と批評するのは、心理学的には「未熟な防衛」に当てはまるんですかね。そんなヒマあったら、自己研鑽に努めれば良いのにと思います。研究するとか、実験するとか、論文読む/書くとか。研究室掃除して、装置が被った埃を取り払うとか。まあ、研究に限らずですけどね。

 要するに、「社会に対してアナタは十分な能力ですか?」ということです。学生相手にマウント取っても仕方ないです。

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え゛っ、日常用語なんですけど・・・

 広島県呉市のとある高校が、まあ実家から一番近い高校なんですけど、叩かれてますねぇ。同級生達もたくさん進学した高校です。

 生徒さんのトイレ清掃が不十分だっとことに対して、「しばくぞ」と不適切な指導をしたらしい。

 ??? 少なくとも言葉に関しては、「しばくぞ」なんて呉市では日常用語なんですけど・・・。「しばくぞ」とか「ぶちまわすぞ」とかは、怖い人に限らず、女性も使いますよ。全くの日常用語です。

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∩(´∀`∩) 第27回(2023年度)応用物理学会九州支部学術講演会発表奨励賞受賞!! (∩´∀`)∩

 先立つ11/25(土)・26(日)に九州大学 伊都キャンパスにて開催された「2023年度応用物理学会九州支部学術講演会」において、本研究室5Eの内藤 陽大君が、発表奨励賞をいただきましたっ!!

\(゚▽゚=))/…\((=゚▽゚)/

 対象発表は、

氏名: 内藤 陽大
講演番号・題目: 25Bp-7・光電子制御プラズマによるグラフェンの構造制御 (I) ~ ラマン分光解析 ~
共著者: 田中 修斗1、福田 旺土1、山口 尚登2、小川 修一3、高桑 雄二4、津田 泰孝5、吉越 章隆5、鷹林 将1
(有明高専1、ロスアラモス国研2、日大生産工3、東北大マイクロ研究開発セ4、日本原研5)

です。

エネルギーコース版です。

有明高専公式版です。

高専だよりです。

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Copy & Paste

 感想文から論文まで、世の中にはレポート(書き物)という類のものが無数にあります。

 文章・文体というものは、著者自身を表します。著者の生き様を表します。特に日本語は表現性が豊かな言語ですから、その人の人間性が如実に表れます。数式は一つでも、そこへ至る説明の文章は人それぞれです。自然科学の答えは一つでも、その思いは無数です。行間には、著者の思いと悩み、そして人生がちりばめられています。人が携わる以上、無色中立的なんて書き物は存在し得ません。

 さて私、論文を書く際、引用文献には気を遣います。さらにはその文面を参考にすることもあります。しかし、そのままをCopy & Pasteすることはありません。倫理観というよりも、文体が性に合わないからです。どうにも合わなくて、私なりに表現をアレンジします。

 そんなことしていると、しばしば、「文章が理科的ではなくて文学的すぎる」なんて批判されます。文学少年でも青年でもなかったんですけど、そうなる人生だったのかなぁと。自分は無意識でも、他人から見ればそうなのかと。

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4E実験

 着任以来ずっと、4年生エネルギーコースの学生実験(4E実験)を担当しています。4年生の実験は、電機(強電)分野と電子(弱電)分野に分かれていまして、私は電子分野の方をずっと受け持っています。つまり半分だけの担当になります。

 4E実験は通年科目ですが、半年後の後期から卒業研究が併行して始まります。5年生になっても学生実験は続きますから(※こちらは担当していません)、学生実験と卒業研究が併行するのは高専ならではです。学修内容とレベルからして、本来これらは直列に繋ぐべきものなのですが、5年間という短い学修期間では並列作業は仕方がありません。

 このような時間的位置付けもあって、私は4E実験を「卒業研究への試金石」と捉えています。ここで頑張れるかどうかで、その後の人生が変わってくるとさえ思っています。3年生までは目立たなかった学生達の中から、4E実験を通して大化けする者もいます。そしてそれが卒業研究へと繋がっていき、世間にその名を轟かすレベルにまで行く者もいます。このような、それまで見えてこなかった大樹の芽を見出すことは、科目担当として一番の喜びです。ペーパーテストの成績という一次元だけで人を判断するのは宜しくないです。

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刺さる言葉

 昨年末のブックハンティングで得た本が、まとめて図書館に届きました。同時に個人的に併行購入した分も届きました。そのうち、

について述べたいと思います。

 ハンティング中何となく目に留まった本で、当初の計画リストにはなかった本ですが、パラパラめくったその先で、とある言葉に突き刺さりました。しばらく動けませんでした。

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