学会発表と研究活動

 今週は応用物理学会です。今回は新潟開催で、明日9/17(火)に移動して翌18(水)から途中参加です。フル日程は何かと通常業務に支障を来しますし、予算もね・・・。

 今回は研究室から5名5件の発表としました。学生6名と私の総勢7名の小さな研究室から5件です。何とか準備が間に合いました。命削りました。5件という数は初めてですが、ここが限界です。「研究を精力的に進めたい!!」というよりも、学生さん達に学会活動を通じて広い世の中の何かを学び得てほしいと、頑張りました。何も学会活動が全てではないですが、私にできることといったら先ずはこれかなと。

 研究室を開いて早いもので、学生さん達は4代目です。年月を積み重ねていくことで、チームとして上々の仕上がりとなってきました。今や、20歳前後と非常に若いながらも、世の誰に対しても誇ることのできるメンバーだと自負しています。この歳になると、自身が先陣を切るよりもマネージメントの方が楽しく感じたりします。否、先陣を切るのは、万物を創造できる化学者としての誇りですけどね。

 「化学はCentral Science」です。学生時代に有機化学の講義で聴いたフレーズで、今でも心に響いて忘れません。今は電気系にいますけどね。精密制御できる電気エネルギーをCentral Scienceにどう繋げるか。電気化学で博士号を得た私の研究に対する根本思想です。

 高専における卒業研究つまり研究活動に対しては、色々考えるところがあります。ただし、やる以上はきちんとやります。しかしながら高専というところでは、教授という称号は名ばかりで、自分の名前を冠した研究室が埃を被っていても気にも留めない人がいます。研究は、ほぼほぼ人事評価の対象外ですからね。だってガチで評価したら世の中ひっくり返るかもしれませんしね。確かに高専の職務はハードではありますが、だからといって掃除もしないというのは違いますよね。日中ダラダラと学生批評していて何が楽しいのやら。あれっ? 忙しい・・・んですよね??

 一方で世の中には、自身の研究推進のためなら何をしても構わないという人がいるのも事実です。一将功成りて万骨枯る、アカハラってやつですね。学生達や助教・ポスドクなどの若手スタッフを奴隷か何かと勘違いしている人です。昔、ある有名な教授が、自身の研究室のある研究テーマの集団を「部隊」と表現していました。とある大企業の研究部門から転身した有名な先生だったのですが、「こりゃダメだ」と思ったものです。

 残念ながら、埃もアカハラどちらもそんなに遠くない縁がありますね。

 この歳になると、有名な先生方の定年退職にいささか心響くものがあります。いつまでも第一線におられると思っていた方が「え゛っ、もう定年退職!?」て感じで。いくらその先生が世界的業績を残したとしても、引退してしまえばタダの人で、早晩忘れ去られます。

 世界的業績は一時の功です。こういう仕事をしている以上、人を残すというのが最大の務めになるんだろうと思います。「千里馬常有、而伯楽不常有」です。千里の馬にもとてもなれそうにもないですが、小さな伯楽にはなりたいなと。だってその方が、将来支援や介護してもらえるかもですよ。全ては老後のために。

 誰か学生講演賞取ってほしいなーと。

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