リベラルと保守

 企業で5年間抜けていたとはいっても、人生の大半を学問の世界に身を置いています。幸い、何とか餓えることなく生きてきています。ファミリーも、これでもかとお腹いっぱいの日々です。

 この世界に身を置きながら、日本中を駆け巡ってきました。それで感じたことは、「東ほど保守的で西ほどリベラル」ということです。あくまで私自身の感覚ではありますが。

 昔若い頃、研究員(ポスドク)をしていたとき、ちょっと助教の先生と会話する機会がありました。他愛もない会話でした。そしたら、それを耳にした教授にえらく怒鳴り散らされました。「身の程をわきまえろぉぉぉーーーーーーーーー!!」と。

 私は全く「???」でした。何か悪いことしたかなと。研究員という最下層の職員が、助教先生様と対等な会話をするのが許せなかったらしいです。とりとめのない会話すら許されないのですから、当然、その助教様とは仲良くなれませんよね。どんなにコミュニケーション能力があっても不可能でしょう。

 ちなみにその助教先生は年下だったのですが、私は年齢の上下は気にしません。また、大抵の集まりではずっと最年少ないし若手の方だったのですが、最近は真ん中くらいになりつつありますね。

 さてそれからしばらく経った後、助教先生様からある共同研究の提案がありました。その間私が出した成果に関してです。でも、「この人、頭沸いてんのかなー?」と思い、断りました。あれだけのことをしておいて。私はその提案を断っても痛くも痒くもありませんでしたし、今やその内容自体も忘れました。忘れるということは、大したことではなかったということです。結局、助教様と教授閣下は一体何をしたかったのでしょうね。研究は進まなくなるし、ポスドクのなり手はいなくなります。ひいてはその前段階のドクター学生が減り、国力は落ちる。ホント、何がしたかったんだか・・・。

 「学問を通じて、人格を向上させる」という恩師の教えには程遠い人達でした。

 今は九州です。九州はリベラルな環境で、職位に拘らず、一人の研究者として大事にしてされています。目下准教授という職位ですが、日常活動に関して教授との差は実質的にありません。教授の先生方とも普通に会話します。もちろん、その逆である助教や研究員の人達とも仲良くです。雲泥の環境差ですね。

 来月初めに、第40回九州・山口プラズマ研究会という集まりがあります。北部九州は、プラズマ研究が盛んな地域です。その先生方が一堂に会して、議論を行う場です。3年前に参加したものの、昨年・一昨年と校務で参加できませんでした。今年は参加します。向学もさることながら、自分の研究がどこまで受け入れられるか勝負の場でもあります。

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