夏と共に去りぬ

 今回の応物で研究発表は5件が限界であることを身を以て知り、研究室への専攻科生受け入れは最大5名までだなと悟りました。今は3名です。

 研究室としては、5年生は地方大会(支部大会)、専攻科生は全国大会で登壇することを最低限の目標に掲げています。しかしながら今年度は既に5年生2名は全国デビューして、専攻科生は国際会議までも経験済みです。さらには全員受賞もしています。

 我が学生達ながら、敬服です。国際会議や全国大会という大舞台では、年齢も学歴も関係ありません。よほどのプレッシャーであったことは想像に難くないですが、彼らにとっては十分な成長の舞台になったことと思います。

 内容によってはデータや学会での議論も煮詰まってきましたので、あとは私が論文にしていく作業が残っています。論文執筆は一番やりがいがある仕事ですけど、一番大変な仕事でもあります。

 学生さん達の学会発表に拘るのには理由があります。以前にも述べたように、とある大学院の先生に「専攻科出身者は使えない」と言われたことがあるからです。残念ながら、けだし至言です。専攻科生を受け持つ身としては、胸に突き刺さります。

 専攻科生の中には、本科生時代の休み期間にしているというか、怠け癖がついてしまった者達が悲しいかな珍しくありません。研究活動を通じて自分で道を切り開いていくという大人の精神になりきれないまま、就職に進学にと世の中へと出て行きます。高専専攻科を経由して世間一般に偏差値が高いと言われている大学院へ行けることは、コスパが良いようです。しかし大学院へ進学したとしても、研究サボって遊んでいたんだから使えない人です。本当にコスパが良いのでしょうかねぇ。

 そんな無為に過ごすのならば、本科から大学へ編入するか、就職した方が100億倍マシです。それぞれで鍛えられますから。今や編入枠も拡充されてきており、また求人倍率は20倍を軽く超えています。

 本科の頑張り、しかしそれは強いられた頑張りのレベルであり、そこで事切れたまま無為な専攻科時代を過ごすのは人生の損でしかないと思います。

 もっとも、これは学生本人の責任というよりは、指導教員の責任が大でしょうけどね。専攻科制度ができて20年が過ぎています。その評価はどうなんでしょう。私は特例認定教員の資格に恥じないように頑張っていくだけです。

 高等教育機関では、閉講中の長期休みをどのように過ごしたかで、その後の価値が決まります。

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