来週から学年末試験です。授業も、試験後の答案返却を除いてあと1回です。
これまでどの授業も、教科書をベースにしたPowerPointスライドショーで行ってきました(※こんな感じで)。印刷配布しつつ、アニメーション付きスライドショーでそれを説明と。電気磁気学のような三次元ベクトルの動きが重要になる科目にとっては、アニメーション機能は便利なものです。板書しかない時代だったら、授業できる自信は到底なかったです。無理でございます。良い時代です。
PowerPointスライドショーとの出会いは、遡ること大学院修士1年(M1)の時です。M1で聴衆として参加していた修士論文発表会の際に、他研究室がアニメーション付きで初めて披露しました。皆、「何だあれは!?」でした。PowerPoint自体は以前からありましたが、発表は印刷OHPの時代でした。正に時代の移り変わりに直面しました。
以後、大学院生~研究者~企業人を経て現在に至るまで、発表の際にはスライドの展開やアニメーションを駆使し、その職人芸を磨いてきました。周囲からは、「作りが上手い」と褒められることが間々ありました。しかし毎度新しく作る際、以前の資料を見返す度に「ヘタクソだなぁ」と反省します。これで学会発表を聞かされた先生方や、授業された学生さん達に申し訳ないという気になります。当時は当時で精一杯やったつもりなんですが、タイムマシ~ンがあればやり直したいなと。
有明高専に来てこの一年弱、作ったスライドは延べ1,000枚を軽く超えました。さすがにこれまでの人生でこれほどの密度で作ったことはないです。少しは上達したかなと。
さて、話はここで古典に行きます。論語の学而第一の四に、「曽子曰く、吾日に我が身を三省す。人の為に謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、習わざるを傳うるか」、という三省の有名な文があります。出版社の名前にもなっていますね。でもです。最初の二省はよく知られていますが、最後の一つ「習わざるを傳うるか」を理解できていない人が多い気がします。
世の中で、学生さんや受講生など教えられる立場の人が理解できていないと、壇上に立つ人達からその人を非難する声を聞くことがあります。「あいつはバカだ」などと。ハテ? 壇上の人は、自分の教え方に問題はないと思わないのでしょうか。
書経にも、「教うるは学ぶの半ば」とあります。そう、古の時代から、理解されないことに対しては、教える側にも責任の半分があるということです。
それにしても学生さん達は、よく頑張っているなあと感心します。自分が学生さん達の年齢だった頃を思い返すと、とてもとても、恥ずかしい限りです。正に、「後生畏るべし」です。老後の面倒を宜しくお願いしますです。
ま、そんなこんなで、「教え方マズかったかな・・・」と思いつつ、試験を用意します。試験勉強・・・、この歳ではようしませんけどね。無理でございます。
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