平安の冬

 あっという間に仕事納めとなりました。私にとっては、変化の大きい、激動の1年でした。

 思い起こせば1年前は、メーカーの品質部門の会社員でした。有明高専のことなど知る由もなく。

 当時は、複数のお客様からの品質管理のリクエストに頭を抱えていました。品質部門の人間としてお客様に対して会社の前面に立って身体を張りつつ、各部署に関係文書の作成指示を出していました。指示を受ける他部署の人達にしてみれば、余計な仕事と思ったことでしょう。実際、お客様から遠い部署ほど手を焼きましたけど。

 終業後は自宅で、大学時代に溜まったデータを整理・考察しては、論文を書いていました。実験をしたからといって、すぐに論文を書けるわけではありません。あーでもない、こーでもないと、ひたすら考えて、神さまのパズルを解いていきます。世の人がスポーツジムやお稽古事に通ったり、飲みに行ったりするのと同様に、私は論文を書いていました。アカデミックの世界を離れても、多くの先生方の支えにより、論文を書き続けることができました。

 そして、今があります。

 「忙しいから、○○ができない」と言い張るのは、現状に甘えている証拠だと思います。「忙中閑あり」であり、「小人閑居して不善を為す」です。

 ・・・とはいえ、この師走、仕事が山のようにやって来ました。授業に手が回らなくなり、学生さん達には大変ご迷惑をおかけしました。

 ISO9001を皮切りに、文書主義の世の中です。何でもかんでも文書、文書、エビデンスと。それでも企業は、お客様との時間を作り出すために、効率化に励みます。だって文書は、給料を出してはくれませんから。給料は、お客様が出して下さるものです。さて高専ではどうでしょうか?

 今ここは公共機関。品質管理の人間として文書主義の経験をしてきた私からしても、「これ意味あるの?」というような仕事がたくさん降ってきました。これをこの時期にする意味が全く分からないないものがあります。財務省の顔色を覗う単年度会計が陰で糸を引いているのは知っているつもりですが、美しき後人方よ、何とかなりませんね~。今宵の月は、どっちを見ているだろうか。

 おかげさまで、さすがに今年は年賀状がムリと諦めました。こんなことは、化学の博士後期課程学生時代以来のことです。ちなみに化学とは、ミクロサイズの品質管理です。当時は、「データが出ないぞ!!」と四六時中合成装置と格闘していました。

 冬はつとめて。

 いえいえ、働けという意味ではなくてよ。

 皆さま、良いお年を。

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