EnterとJoin

 人間は組織的な動物です。必ず何らかの組織に属しています。小さいのは家族から、大きいのは国家まで。複数に跨がって。学校や会社など中規模の組織に参加することを表す英語の動詞には、enterとjoinがあります。例えば、学校に入学するときはenterを使い、部活に入るときはjoinを使います。じゃあ会社に入るときは? 答えは、joinです。

 権威ある辞書であるOxford English Dictionaryに依りますと、

enter: to become a member of an institution

join: to become a member of an organization, a company, a club, etc.

という意味となっています。どちらも似たようなものですね。でも、enter schoolとは言いますが、enter the schoolとは言いません。join the companyとは言いますが、join companyとは言いません。theがないのは、具体的な枠のない「機能」を表します。theがあるのは、具体的な枠のある「入れ物」を表します。enter the schoolを敢えて使うなら、それは校舎の工事業者さんなどか言うことですね。学校は工事現場の一つに過ぎないということです。

 つまり、enter schoolは学校教育(という機能)に参加する、すなわち入学するという意味になるので、受け身の学生の立場となります。一方、join the comapnyは会社という人の集団に参加するので、自身は対等なメンバーの一員となります。

 何が言いたいか?

 そう、「会社の売り上げは、アナタが自身が稼ぐんですよ」ということです。学生さん達は、平均給料が良いとか、福利厚生が良いとかで会社を選びたがります。いえいえいえ、それらって天から降ってくるものではなく、アナタ自身が創りかつ維持させるものなんですよ。アナタは対等なメンバーであり、同等の責任を負う一員なのですよ、と。

 平均って、トコトン意味のない指標ですよね。例えば、みんな60点だったら、平均は60点ですね。でもね、100点3人と0点2人でも、平均は60点なんですよ。残念ながら高専は、後者の分布の方が支配的です。

 会社は、稼げない人に給料は出しません。高専で何年も過ごして経験してきたのに、就職活動となると、なぜほとんどの学生さん達は自分は100点の側だと思い込むのでしょうか? フシギダナー。

 そして入社後、給料が安い等々ぼやかれても困りますよ。だって、それがアナタの実力であり、世間の評価なのですから。

 私? 自分では生活費は恵まれていると思っています。けど、研究費は欲しいなぁ・・・トホホ。まあこれが、私の研究者としての評価なのでしょうけど。

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