学年末試験

 明日1/31(火)から一週間、学年末試験です。担任をしている4Eでは、放課後教室に有志が残って勉強中です。

 高専は学年制です。基準成績をクリアして必要単位数を揃えていないと留年し、来年度その学年をイチからやり直しとなります。落とした科目だけではありません。基本的に「全部」やり直しです。

 たとえ必要最低限の単位を揃えて進級できたとしても、単位不足はその先の進学・就職活動にとって大きなペナルティーとなります。

 そのため学生さん達は皆必死です。

 一方、大学は単位制ですね。落とした科目だけ注力すれば良いです。そして所により制度が異なりますが、私のいたところでは4年生になる際、つまり研究室配属される際に進級の関門がありました。私は一年旅に出ましたけどね。

 そう考えると、高専は厳しいです。頑張りに感心します。頑張りに応えるためにも、試験の難度はそれなりにですかねー。

それは必死に勉強しています。

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モノの価値となぜなぜ?

 目下世間では、疫病や他国間の戦争などの影響で物価が高騰しています。先日コンビニにポテチを買いに行ったら、えらく高くなっていて買うのを止めました。いや、むしろ毎度Suicaで支払っていて現金を使っていないので、気づかなかっただけかもしれませんが。

 物価高なのに給料は変わらないどころか減るので、生活は苦しくなるばかり。しかしそんな世の中でも業績好調な企業があります。何か画期的なモノや経営法があるのかと思えば、確かにあるのかもしれませんが、最も分かり易い相違点は「外国と商売している」ことです。貿易ですね。

 貿易が何故儲かるかといえば、「適正な価格で」商売できているためです。

 日本国内の企業は大抵、コストダウンに涙ぐましい努力をします。それは取引先にも要求します。どの業界も複数の企業の繋がり、いわゆるサプライチェーンで成り立っていますから、一つの支配的な企業のコストダウン要求はサプライチェーンを渡り歩くにつれて、非常に厳しい要求となっていきます。

 このような厳しい要求は、結局給料に跳ね返ることは言うまでもありません。一生懸命コストダウンに努力したのに、もらえる給料は雀の涙。その上日本人は大の貯蓄好きです。当然、支出は削減し生活は切り詰めます。

 結局、世の中にお金が回らなくなり、経済は疲弊していきます。お金は、世の中を豊かにするための触媒です。

 このような話は昔々にもありましたね。ダイエー・松下戦争ですね。今から見れば、当時は高度成長時代でしたから、そのようなことをしても経済へのダメージはなく、それどころか購買層が増えて経済は好転していったと思います。今やったら、自滅かと思います。

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導波管(その2)

 前回上げた導波管の話の続きです。当該の6E授業で導波管の実習を行いました。測定は自作(卒研生と技術職員さん作の2つ)の可変ダミーロードを使って、長さを変えたときのLogMagの変化を見てもらいました。長さを得るために、同様に自作のストレート管を付け替えました。同軸変換器(下写真の灰色の信号入力部)は既製品です。測定はNanoVNAを用いてです。

 導波管理論は成熟したものですが、だからといって簡単に学べるものではありません。現在でも大電力通信には欠かせないものです。

導波管と実習セットです。右隅にNanoVNAが写っていまして、ノートPCで制御しています。
ストレート導波管を付け替えして、方形導波管の全長を変えています。
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というわけで、雪です

 昨日1/24(火)は寒波から雪になり、吹雪きました。仙台東北大学にいた頃は何ともない光景だったのですが、ここは南国九州です。ニュースによると、10年に一度の低温だそうです。

 4限目から一斉休講になりました。ただし、学生達は見慣れぬ雪にはしゃいでいました。

 本日25(水)は自宅待機です。雪への対策ですか? 私には何の問題もありませんよ~。

Eコースの中庭です。吹雪いています。なお、ここは九州です。
担任である4E学生達が雪だるま作っています。
作っています。
これは5E学生達の作。卒業論文の〆切間近なんですけどね・・・。

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Nice 真空!!

 本日1/24(火)は寒波です。九州ですが、寒波です。

 寒い環境ではありますが、真空にとっては良い環境でもあります。それは、乾燥して湿度も低いので、真空チャンバー内に残存しているガス分子が大人しくしていてくれるからです。ガス分子の運動は真空を悪くし、実験に悪影響を与えます。

 イオンゲージ(真空計)の値が約6×10-6 Paを示しています。市販品ではここまで下がらないですよね!? Niceな実験日和です。

「追い込み実験して下さい」と言わんばかりですね。

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卒研追い込み中!!

 目下5年生の卒研追い込み中です。

 発表資料や論文を書いていますと、足りないものが必ず出てきます。

 卒業研究は、論理的思考力を養う絶好の教科科目です。研究内容に目が行きがちですが、本質はそれの教育です。ですから卒業研究は「総まとめ科目」とも言い、一番取り組むべき科目です。

みずほ号の立ち上げ確認です。
卒業論文を書きながら、足りない実験をします。

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無線LAN

 夜は自宅で仕事をしています。校内にずっと残って仕事をしても良いのですが、周囲にお店がないので、お腹が空きます。お腹が空くと仕事能力が落ちるので、帰宅します。頭脳労働には糖分が必要です。

 とはいえ、最近は歳のせいか疲れが早く、晩ご飯食べたら家族みんなで寝ます。夜中一人ふと目が覚めて仕事をするのは以前にも書いたとおりです。ノートPCはONのまま寝て、ふと起きては仕事の続きをします。

 今朝はゆっくり寝て、目覚ましが鳴る5時半前に起きました。さて、メールでもチェックしようかと思いましたら、無線LANが切れていました。接続が切れること自体はPCの節電機能の一部らしく珍しくないのですが、今回はデバイス自体が動いていませんでした。

 修復プログラムを起動させても、デバイスマネージャーで再起動させても、本体再起動でBIOSをいじっても治りません。「やばい、1限から授業だよ・・・」と困り果てました。

 最後の手段として、スマホを手に取り、外付け無線LANアダプターを急遽Am○zonで発注しました。授業は有線LANで対応しようと。

 それで発注完了して、ふとノートPCに目を向けると、なんと無線LANが復活していました。

「???」

 何が何だか分かりませ~ん。何かのたたりか嫌がらせですか。まあ、発注した外付けアダプターは何か使い道があるでしょう。

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お金がない!!

 年度末が近づいてきて、お金がないことに気づきました。公費予算システムっていうのは遅れて請求されるので、気がついたらなくなっていました。いや、私の執行計画が悪いだけなんですけどね・・・(ノД`)。

 なんでこんなにお金がなくなるかというと、理由は2つあります。1つは真空装置です。真空装置の各部品はどれも一万円札がたくさん要ります。学生さんに請求書を見せると、ビックリします。良いものは高くて当然ではありますが、もう少し安くならないものかと昔から思います。

 しかしながら、真空部品は取り扱いをきちんとしておければ、ずーっと使えます。つまり初期投資はとてもかかりますが、維持費はさほどでもないです。逆に化学では、機器はさほどでもないけど、消耗品となる薬品代が嵩みます。そう考えると、今年の立ち上げ期は仕方ないのかなと。

 2つめは、出張費です。地方にいるとどうしても出張交通費が嵩みます。会合は何かと東京などの都会で行われますので。その点からすると、都会の研究者ってイイナーと羨ましく思います。

 いや、私一人だけならば何とか賄えます。しかし教育の責務も負っている以上、学生さん達も同様に連れて行きます。そうすると、もちろん出張費は何倍にもなります。一方、特に大学の偉い先生方にいると思いますが、「勉強させてやるんだから自腹で付いて来て当然だ!!」という人達がいます。私は決してそちら側には付かないことをポリシーとしています。「育ちの経済的側面が向学の妨げになってはいけない」と思い、連れて回って見聞を深めさせています。広い世界を知ることはとても大切です。目前だけの世界に挫折したり、またその世界だけでの鳥なき島の蝙蝠ではいけません。特に高専は国立の高等教育機関ですから。

 ・・・などとカッコいいことを言っても、空からお金が降ってくるわけではありません。

 来年度はよく考えましょう。

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旭精機さん

 昨年は、光電子制御プラズマCVD装置2台を東北大学から移設しました。過去に慣れ親しんでいた装置ではあるものの、東北生まれ東北育ちの装置ですから、はるばる九州にやってくると何かとトラブルが頻発しました。

 このような真空装置をメンテナンスするには、専門業者さんが絶対に必要です。しかし九州には縁がないので心配でした。幸い、ここ大牟田には株式会社旭精機さんという専門業者さんがいて、何かと助けて頂きました。

 知ったきっかけは、地域FM局のFMたんとをいつも通勤車内で流しているのですが、旭精機さんのCMが流れているのを聴いて、「ここだ!!」と思いました。有明高専では地域企業との産学連携活動が活発でして、校内担当部署に問い合わせて、早速ご挨拶に伺いました。ちなみにFMたんとでは、有明高専の番組も学生主体でやっています。地域FMですけど、インターネット経由で世界中で聴くこともできます。着任当初インタビューにも出ました。

 おかげさまで、装置も稼働でき、研究も軌道に乗ってきました。

 旭精機さんは昨年創立40周年だったということです。企業人だったら分かりますが、企業が一世代40年続けることができたというのは、信用の証です。御祝い申し上げます。

記念品の扇子です。大蛇山まつりですね。

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学会のお知らせ(2023年1~3月) (3/18 update!!)

 2023年1~3月の学会参加予定です。

  • KRIS2023 (The 1st. KOSEN Research International Symposium)
    • 3月1日(水)~2日(木) @ 一橋講堂 (東京都千代田区)
    • 3月1日(水) 17:30~17:50 B-O-3-1 (オーラル): S. Takabayashi, “Diamond-like Carbon Films Synthesized by Photoemission-assisted Plasma-enhanced Chemical Vapor Deposition”.
    • 3月2日(木) 10:45~11:45 P2-11 (ポスター): H. Koga (5E) et al., “Controlled Doping into Diamond-like Carbon by Photoemission-Assisted Townsend Discharge Plasma”.
    • 3月2日(木) 10:45~11:45 P2-12 (ポスター): A. Fukuda (5E) et al., “Modification of Graphene Sheet by Photoemission-assisted Townsend Discharge Plasma”.
  • 第70回応用物理学会春季学術講演会
    • 3月15日(水)~18日(土) @ 上智大学 四谷キャンパス (東京都新宿区)
    • 3月15日(水) 13:15~13:30 15p-A408-2 (オーラル): 福江 紘幸(岡山理科大学) 他, “HiPIMSおよび高周波HiPIMS法を用いたDLC膜の化学結合評価”. (※岡山理科大学他との共同研究)
    • 3月15日(水) 13:30~13:45 15p-A408-3 (オーラル): 福江 紘幸(岡山理科大学) 他, “高周波HiPIMS法を用いたDLC膜の膜密度と炭素結合の関係”. (※岡山理科大学他との共同研究)
    • 3月15日(水) 14:00~14:15 15p-A408-5 (オーラル): 鷹林 将, 古賀 永, “ダイヤモンドライクカーボンへのナノ制御ドーピング”.
    • 3月15日(水) 18:30~18:45 15p-B309-19 (オーラル): 鷹林 将, 塚嵜 琉太, 古賀 永, “ガス制御による光電子制御プラズマの形状制御”.
    • 3月17日(金) 11:15~11:30 17a-B309-10 (オーラル): 鷹林 将 他, “光電子制御プラズマ処理によるグラフェンの修飾”.

都度updateしていきます。

よろしくです。

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導波管

 専攻科6Eの授業で導波管を教えています。3E(通年)&4E(前期)で電気磁気学を1年半、5Eで電子回路設計を半期教えていまして、その総まとめとして、導波管を用意しています。電気磁気学で電磁波を導き、電子回路設計でインピーダンスマッチングを実習させています。その両面を併せ持つのが、導波管です。

ネットワークアナライザと導波管。中3対象のオープンキャンパスでも展示しています。在校生からは引かれていますけど。

 電気磁気学(電磁気学)の面白さと醍醐味は、Maxwell方程式から電磁波を導けることから始まります。それらは授業カリキュラムでは4Eの後半で行っています。それまでの1年と少しの間はひたすら○△の法則ばかりの話です。これらを面白いという人は、世の中にまずいないでしょう。学生さん達には、「面白くないけど耐えて頑張ってね」と言っています。

 19世紀末のMaxwell方程式からの電磁波の予言とその実証により、電気工学は劇的に発展しました。無線通信ですね。量子力学はまだ産声を上げたかどうかの時期ですから、当時の研究者はMaxwell方程式の魅力に取り付かれたのでしょうね。分かります、その気持ち。しかし導波管の等価回路とか、また使用先の例であるマグネトロンとか、当時よくもまあこんなの考えたなあと関心します。シミュレーションやネットワークアナライザがあるわけでもないのによく開発できたなと。理論書も今読んでも分かりません。

 導波管の理論導出の授業資料をつくっていると、スライド50枚になりました。2日くらいかけてつくりました。一応授業1回分です。低学年の授業では1回につきスライドは大体15枚弱ですから、3倍の量になりますね。

 低学年では懇切丁寧に教えていますが、専攻科ともなれば、資料を渡して「勉強しておいてね」で良いと思います。丁寧に教えていたらとても時間が足りないし、丁寧すぎるとかえって自学習しなくなります。学齢に合わせて、段々と離していくべきかと。

 授業資料を作るのはかなりのプレッシャーですが、作ることで自分自身も理解が進みます。なるほどね、と。教うるは学ぶの半ばです。この仕事の醍醐味でもあります。

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修業年限と教養

 人生長くやっていると、後悔することはたくさんあります。中でも最も選択を誤ったなと思うのは、中学受験をしなかったことです。

 中学受験をする先というのは、まず中高一貫進学校ですね。高校受験からそんな進学校に行き、それなりに有名な大学に入って、今は准教授という肩書きを得たのですから、中学受験をしていたとしてもゴールは結局同じだったかもしれません。

 しかし後悔するのはそういう受験的なことではなくて、教養を積む時間を失ったということです。大学受験からまだ程遠い中学3年間で、高校受験に囚われずに教養を積んだり(たとえば読書)、はたまたスポーツに勤しむ時間を失いました。これらの点では、今でも引け目を感じます。

 中学受験をしなかったのは、一人みんなと別れるのが寂しかったからというセンチメンタルな理由でした。けど小学校の卒業を迎えて、親しかった友人達が進学していくのを見て、とても後悔しました。

 さてさて、本題はそんな昔話ではありません。高等教育を目指す者にとって、学校の選択は修業年限が長いものが望ましいと思います。中高一貫校なら前半の3年間、高専なら2年間、大学も2年間程度は、進学や就職活動といった世俗なことに囚われず、好きなことやりたいことをじっくり深く掘り下げることができます。そんなゆったりとした時間、冒険であり修養である時間が、若い頃には絶対に必要です。テストは必要悪でしかありません。

 高専の初めの2年間はほぼ一般科の範疇ですので、専門課程所属の私にとってはほぼ縁がありません。高専のカリキュラムは厳しいのですが、学生の皆さんには教養を積んで欲しいなと思います。それだけの学力はあるので。専攻科も、研究半分教養半分といけば良いのですがね。専門バカは、やはりバカです。

 大学&大学院は結局10年間いました。けれど、教養を積むという点では不十分だったと思います。もっともそれは環境のせいではなくて、私の無知のせいだったのですが。無知はどこから来たのか? やはり中学の無為な時間だよなと。

 そんな訳でこんな歳になっても、教養、すなわち真の知を追い求めます。

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