怒りますか? 怒りますよ

 学生さんによく聞かれます。「先生、怒ることあるんですか?」と。

 いや、怒りますよ、ふつうに。何に怒るかというと、「人として超えてはいけない一線を超えること」に対してです。ここは非常に厳正にします。周囲が引くくらい。それ以外の日常の些細なことに対しては、どーでもよいことと思っています。角を矯めて牛を殺しても意味ないです。

 身近な例で言いますと、研究に関して、「内容はさておき、自分の力でやり遂げなさい」とか「研究は自分一人でできたものではないから、謝辞は大切にしなさい」とかは言いますね。相手への敬意です。

 いやー、当たり前のことを当たり前にやっているだけなんですけどねー。

 世の中、自分の指導力が足りないことを棚に上げて、いい大人が「学生ガー!!」は情けないですよ。大体、新入社員以前の学生さん達に一々ガミガミ & ネチネチ言うなんて、大人げないです。学生がまとまらなかったり、言うこと聞かなかったりすると、アカデミックハラスメントに行き着くんですよね。威嚇とか体罰とか変な反省文とか。何の意味があるのかなと。余計に学習機会を奪うだけじゃん。効果を検証(PDCA)したことあるの?

 昨今とりわけ問題化していますが、特に体育会系部活動からこれらを根絶するのは難しいですよね。

 そんな世を賑わす人に対しては、「ちょっと近くの企業に修行に行ってこいよ」と言いたくなります。そんなんでは人が逃げていって、倒産するですよ。

 前にも述べましたが、退行っていうやつですよ。

 もうすぐ卒業ですけど、この2年間担任やっています。担任は課長級業務と思い、自分自身のレベルアップのチャンスとも認識して努めています。十分にこなすことを求められる歳ですし、こなせないと恥ずかしいかなと。

 教育困難校なら色々やむを得ないこともあるんでしょうが、有明高専の学生さん達は一流です。彼らが時に道を間違えるのは、只々、そう只々、教員の指導力の無さに尽きると思っています。冒頭のことさえ厳正に伝えておけば、あとは大丈夫と思っています。

 高校の時、化学の先生が「学問に王道あり」と仰っていました。要は、当たり前のことを当たり前にすることが、何事も一番の近道です。私はただ単にそれを律儀に守り、実践しているだけです。自分なりに。正々堂々と。

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