太平記

 現在NHKで、大河ドラマ「太平記」の再放送をやっています。子供の頃も楽しみに見ていたのですが、知識が増えた年寄りの今では特に面白いです。うちの王子様は大河ドラマのOP音楽が好きらしく、冒頭だけ仲良く見ています。

 歴史物の定番としては、戦国時代ですね。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と。でも本当に面白いのは、平安末期、南北朝、幕末などお公家さんが絡んでくる時代だと思います。攻守目まぐるしく変わって、よく勉強しておかないと何が何だか分からなくなります。その点、戦国時代はほぼ武家onlyの世界で立ち位置が分かりやすく、万人受けするのでしょう。

 幕末を例に挙げると、禁門の変では官軍だった會津が、鳥羽伏見ではπ [rad]変わって賊軍です。その間の政治的動向が未だよく理解できていません。??です。

 さてさて話変わって、私、直近の企業人時代は品質部門にいました。製品(商品)の品質責任を一手に負う品質部門には日々、お客様からのご意見、お問い合わせ、お叱り、クレームがわんさかやって来ます。都度都度、手分けして対応していました。

 ごく当たり前のことですが、企業はお客様が商品に対して相応の金額を支払ってくださることで存在でき、社員は生活できています。一般に、「お客様第一主義」とか「品質第一主義」とかというスローガンにまとめられます。

 ただし企業でも、営業や品質などお客様に直接対応する部門から離れてお客様と距離が離れると、どうしてもその意識は弱くなっていきます。

 大企業になるとそれが顕著になっていき、活動がいわゆる「万人の万人に対する闘争」になっていきます。自己生存本能を最優先するために。お客様のため、社会のために一生懸命働いて大きくなった会社が、美しい後人達に蝕まれていき、企業の本分を忘れてそして潰れていくのは、古今東西珍しいことではありませんね。売家と唐様で書く三代目で、只春の夜の夢の如し。

 これが公家と武家の関係にも当てはまるのかな~と、冒頭の太平記に戻ります。現実を訴える武家に対して、理念先行の公家。太平記っていうタイトルに、不詳作者の皮肉が思いっきり込められています。

 高専でのお客様は当然、学生さんとその保護者です。さらに国立高専は国立学校なので、納税者は株主です。お客様のために働き、その成果は株主に還元される。学生さんのために一生懸命教育し、卒業生が世の中をより豊かにすることで、納税者に還元される。そして私の現在と老後も保障され、寒い冬はいいお湯に浸かるのです。

 全国高専は一つの大きな組織です。当たり前のことが当たり前であり続けるようにと。

 一陽来復の短冊に込めて。

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