Author Archives: 鷹林 将

音楽聴かないで脳みそフルパワーと人の境目

 連休中です。しかしやるべき仕事は山積の山積です。みんながオリンピック見ている間に、一つ一つ片付けておかないとね。

 翌日が休日だと夜更かしして良いので、一眠りした後にふと目が覚めたら、机に向かって仕事します。静かな夜です。

 脳みそをわりと使う仕事をしています。特に脳みそフルパワーを使うのが、「研究調書」と「研究論文」です。ナントカDを飲んでファイト一発!!、してから向かうこともあります。値段の高いものはやはりそれなりに効くので、特にレベルを上げたい場合は買ってきます。

 さて世の中、今も昔もですが、音楽聴きながら勉強している人がいます。「器用だな~」と感心します。音楽が嫌いなわけではありませんが、特段聴く趣味はありません。若い頃にはウォークマンやラジカセを買ったことがありましたが、何せ聴く趣味がないので、実用もあまりせず単なるメカ趣味に終わり、周囲に譲りました。

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勉強し直して参ります

 期末試験前までの授業が終了しました。本日から4連休です。ただし明けた後の期末試験が5連続ですけど。

 その最後の授業で、学生さん達から資料ミスを指摘されました。よくよく考え直してみると・・・、ごもっともです。何を血迷ったか、私。別の回で教えたことと矛盾しています。

 言い訳してもしょうがない。ミスはミスです。それに大小も上下もありません。直ちに訂正作業とお詫び通知をしました。有明高専ではインターネット環境が完備されているので、連休に関わらず通知出せて良かったです。もしこんな環境がなかったらと思うと、我が身の責任の重さにゾッとします。

 そんな我が身の恥はさておき、指摘されるということは彼らがしっかり勉強してくれているという証拠であり、言うべきことが言えるということは、授業の雰囲気としては良いと解釈しました。我が失態ながら、嬉しく思いました。一方的に正義を押しつけることは、自身が正義であり続けなければならず、自分にとっても苦しいことです。

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卒研実施中!!

 5年生の卒業研究やっています。お隣メカニクス(M)コースの工場にお邪魔して、材料加工しています。

 Eですか?

 Eですよ。

アルミニウムのインゴットを切断しています。
必要な分、切り出せました。
別のアルミニウム板を削って、精密成形しています。

 実際に手を動かしてみることで、物の有り難みが分かります。色々試行錯誤して考えていると、アイディアと夢が膨らみます。夢のある人生が、一番幸せな人生です。

 お金で何でも手に入れられ、解決できる世の中ですが、お金に頼りすぎることは、退化を意味します。ボタンを押せば望むものが手に入りますが、ボタンを押すことなら原始人だってできます。

未だ木鶏たりえず

 世の中には、「俺すごいんだぞ!!」的な人がわりといます。話す言葉の節々に満ち溢れています。「あーそーですか、アナタの視界の世界ではそりゃアナタが一番ですよねー」、とは内心で。

 私、こういうことに感受性が高いんでしょうか。そこそこ学歴あることもあって、昔からよく挑んでこられますね。いや、別に興味ないんで、ご高説結構なんですけど・・・。

 私を倒しても自慢にはならないですよ。ククク・・・、私は四天王の中でも最弱・・・。残り三名が誰かはご想像にお任せします。

 さて高等教育機関に居ますから、私にとって教育と研究は車の両輪です。どちらが欠けてもなりません。ここではちょっと後者に着目しましょう。

 研究者は世界中を相手にします。ですから、「俺イチバン!!」なんてことを思える人は、まともな研究者の中には一人もいないと思います。イチバンなのは、神さまです。

 それに、イチバンて大変ですよ。その先の道は自分で切り拓いていかないとならないのですから。それも後ろから追い上げられるのを気にしつつ。いやー、大変だ。

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大井さん

 前職で同僚だった大井 克己氏を研究室に招きました。氏は無線の専門家で、前職時代に氏から導波管やアンテナなどの通信技術を教えていただきました。

 研究室学生達が卒業研究で行っている導波管の話、70歳を超えた今でも人工衛星プロジェクトに参加している話、社会で働きそして勉強を続けるという話など、色々な話で盛り上がりました。

 コロナが落ち着き涼しくなった頃に、今度はゆっくりとお話できたらと思います。

大井さん(中央)と研究室学生達。人工衛星の話で盛り上がっているところです。大井さんは生涯現役で活躍されておられます。

Making My Own Time

 以前から本の執筆を頼まれていました。本といっても、編著の一節なので数ページですが、商売繁盛なのは喜ばしいことです。6月末〆切でした。

 しかしながら開講中の多忙さに甘えて、〆切を延ばしていただき、先程やっと投稿しました。日頃から学生さん達には〆切遵守を言っておきながら、これではダメですね・・・。時間を守らないのは、信頼を失う一丁目一番地ですから。

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EnterとJoin

 人間は組織的な動物です。必ず何らかの組織に属しています。小さいのは家族から、大きいのは国家まで。複数に跨がって。学校や会社など中規模の組織に参加することを表す英語の動詞には、enterとjoinがあります。例えば、学校に入学するときはenterを使い、部活に入るときはjoinを使います。じゃあ会社に入るときは? 答えは、joinです。

 権威ある辞書であるOxford English Dictionaryに依りますと、

enter: to become a member of an institution

join: to become a member of an organization, a company, a club, etc.

という意味となっています。どちらも似たようなものですね。でも、enter schoolとは言いますが、enter the schoolとは言いません。join the companyとは言いますが、join companyとは言いません。theがないのは、具体的な枠のない「機能」を表します。theがあるのは、具体的な枠のある「入れ物」を表します。enter the schoolを敢えて使うなら、それは校舎の工事業者さんなどか言うことですね。学校は工事現場の一つに過ぎないということです。

 つまり、enter schoolは学校教育(という機能)に参加する、すなわち入学するという意味になるので、受け身の学生の立場となります。一方、join the comapnyは会社という人の集団に参加するので、自身は対等なメンバーの一員となります。

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群れないんです

 ここ最近特に忙しいです。「ナニ? こんな徒な文章書いてるヒマがあるではないか!!」、まあそうなんですけど。これはちょっとした息抜きです。すぐ書き終わりますよ。

 さてその徒な話題。いつの世もですが、授業中騒ぐ学生はいます。騒ぐ学生って、実は複数形。騒ぐ学生達。一人で騒ぐ学生って、思い浮かびます?

 一方で教員の私。歳を取ったのでしょうか、今はとにかく自分だけの時間、一人で過ごす時間が欲しいです。

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マウンティング a Go-Go!!

 世の中には、マウンティングが好きな人がいます。そんな人と会話していると、こちらの意見に対して必ず否定してきます。その人は気づいているのだろうか、相手を不快にさせていることを。

 私、人と会話をするときは、その人の意見を聞くこと、理解することをを重視するようにしています。まずはその人の意見を聞いてから。言いたいことがあっても、じっと我慢をして。だって、自分の意見はいつでも聞けますからね。会話では、その人との共有時空間でしか得ることのできない情報が得られますから。

 「論語」から「貞観政要」に至るまで中国の古典には、「君子は人を得てその人の話をに耳を傾けるべし」という類の格言が頻繁に書かれていますね。そう、「他人の話を聞いて理解に努めること」は、人物の優秀さの判断基準の一つです。

 ちょっと話がずれますが、学生時代に古文・漢文を習うのは、何も考古学へのマニアックな招待ではなくて、↑のことすなわち人の生き方について学ぶためです。文法をどこまで学ぶべきかは意見が割れますが、これら古典を全く学んでいない人、ないし意に介していない人に対してはちょっと遠慮したくなります。古典というものは、数百年もしくは千年以上の長きに渡り幾百世代の審判を経た来たものですから、一見の価値はあります。古典を卑下して独善的な人生論を振りかざす人は、ん~、ゴメンナサーイ。夢の中だけで会いましょう。いや、夢でも嫌だな。快眠万歳!!

 話を戻します。会話って、意見という商品の物々交換です。押し売りでは経済が回らず、人は死にますよ。 

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5分前集合完了!!とエリート

 郷里広島県呉市は、言わずと知れた海軍の街。海軍の慣習の一つに、「5分前精神」というものがあります。表現を平たくすると、「5分前集合完了」です。定められた時刻の5分前には準備を完了し、定刻と同時に行動開始するということです。その伝統は海上自衛隊の現在でも引き継がれています。

 海軍(海上自衛隊)と共にある都市なので、小学校・中学校では5分前集合完了は当然のように教えられてきました。成績が良い悪い、素行が良い悪い関係なく、どんな生徒も当然のことと思っていました。遅刻とかありえない環境でした。しようものなら、かなり目立つ存在でした。

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論文出してました

 ちょっと時間が遡りますが、論文出しました。OPEN ACCESSなので皆さん読めます。

Processes, 2021, 9, 2

 九州大学大学院 システム情報科学研究院 古閑一憲教授との共同研究です。こちらもこれから発展させていく予定です。まあ、コロナが終息すればなんですけど。

 本科ではプラズマってあまり触れないんですけど、電気の世界にはこんな地方もあります。

よろしくです。

年功序列 de Part II: 院政と律令制と武家政権樹立

 続きのお話ということで。

 日本の政治システムの歴史を語る上で欠かせないものの一つに、平安末期の「院政」があります。天皇の上にそれを退いた上皇、上皇の上にそれを退いた法皇です。本来の律令制度では天皇が頂点なのに、その上にまだいる。日本の政治の不思議なところは、ま、現代にも通じるのですが、根本の法律つまり律令や憲法を変更するのには激しい抵抗を示すけど、実質的には骨抜きにされているということです。701年の大宝律令によって確立された日本の律令制度は、723年の三世一身法により早々に運用がおかしくなってきました。743年の墾田永年私財法に至っては、「え、律令では土地は国家所有(公地公民)じゃなかったの?」です。

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