一日の過ごし方

 6年目となり、今年度は3Eの担任となりました。51名の学生さん達を相手にするので、何かと忙しい日々です。そこで日々の生活を改めて見てみます。

 朝は5時半に目覚まし時計をかけています。けれど歳をとったせいか、それよりも早く目が覚めます。朝の用意をしたら、まず研究室です。8時過ぎでしょうか。研究室は通勤ルート上にあるので、ちょっと立ち寄ります。解錠して装置のイオンゲージ真空度をチェックします。そのうち湿度のチェックも入ります。装置に異常があれは、真空度の値がおかしくなっています。人間の体温みたいなものです。もし異常があれば、朝の時間の許す範囲で応急処置をします。

 続いて8時半から、コースの朝礼が始まります。その日の行事、変更情報の確認や学生さん達の状態などを教員間で確認します。その後8時40分から、3E教室で朝礼です。SHR (short homeroom)と呼ばれています。有明高専では、世間で高校生扱いとなる3年生までSHRがあります。大学生扱いとなる4年生以降はありません。ここでは、当日のクラスの予定や行事、変更情報などを学生さん達に伝えます。ただし月曜日は、副担任へお願いしています。続く8時50分からの授業で、離れた他コース教室へ出向かわなければならないからです(5CL 電気工学基礎I)。

 有明高専での授業時間は90分です。一般的な大学の時間割と同じで、一日最大4コマです。50分授業が基本の高校に例えると8コマにもなりますから、学生さん達は毎日大変だなと思います。特に3Eは毎日4コマと、最も厳しい時間割となっています。必修授業の一つでも欠席回数が全回数(15回)の1/3を超えたら、すなわち半期で4回以上欠席したら即留年という厳しい評価制度になっています。3年生までは完全学年制なので、留年したら全て一からやり直しです。4年生以降は、たとえ留年したとしても、一定の成績を残した科目は単位認定されます。

 前期の担当授業は、3E~5Eと5CLの本科専門課程のみです。現在2年生へは、前後期通じて担当していません。1年生ならびに6Eと7Eの専攻科もありません。有明高専は総合学科制を採用していますから、専門コース分けは2年次後期からです。つまり、後期から2Eが誕生します。しかし2Eは過去一度も担当したことがないので、彼らとは3Eに上がって初対面となります。目下、放課後に新年度面談を行っています。51名もいますのでなかなか終わりません。今月末まで続きます。新年度面談はお上からの指示です。面談時間は指定されていないので5分10分で終わらせることもできますが、初対面だし個々じっくりお話ししたいので30分の時間を取っています。それ以上長くても悪くないのですが、51名分終わりませんので30分で区切っています。なお51名といっても、過年度生を幾分含みますね。

 担当授業は週12コマです。ただし、学生実験は2コマの枠で行っています。学生実験は、ずっと4E分を担当しています。LHRはlong homeroomのことで、SHRと同様に3年生まであります。LHRでは、短い時間のSHRでは行えないクラス活動を行っています。高校と同じですね。卒業研究は大学と異なり高専では科目扱いで、2×2コマです。卒業研究は4E後期から始まるのですが、今は前期なので5Eのみです。しかしながら2×2コマで卒業研究が終わるはずありませんから、研究室の5年生には空いた時間も頑張ってもらっています。そのため5年生の時間割はスカスカです。遊べると勘違いする者がいますけどね。この前期では、木曜日午後は研究室メンバーである私ならびに5E~7E全員が揃って空くので、研究室の共通時間としています。この時間を使って、九大などへ出張実験に行ったりしています。有明高専の設備が不十分でも、手の届く距離に九大など実験研究施設があるので、研究活動にはさほど困りません。

2025年度前期のスケジュールです。

 週12コマ授業はわりと大変です。一般の人には「空き時間たっぷりじゃん」と思われる方もいるかもしれません。いえいえ、「授業準備を忘れていませんか?」です。他の先生に譲りたい気持ちがないわけではありませんが、担当授業はどれも楽しいです。自身の勉強とスキルアップになるからです。人生で一番楽しいことは、自身のスキルアップです。学生達が自ずと行っているゲームのクリアやレベルアップも属するでしょう。生ある人間の本能ですね。

 空き時間はもちろん、研究室で研究活動もします。自分の城ですから。有明高専の研究室は講座制ではないので、生きるも死ぬも自分次第です。

 放課後、学生さん達は、各教員から特段の指示がなければ、19時まで在校することができます(後期は18時半まで)。部活動を楽しむ者もいれば、教室でレポートに勤しんでいる者もいます。一般の高校と違ってレポート課題が多く厳しいため、教室に後者が絶えることはありません。

 今年度は担任なので、早くとも彼らが全員下校する19時過ぎまでは勤務しています。下校後に教室をチェックする必要があるからです。翌日も快適に過ごせる教室であることを確認します。

 そして居室に戻って翌日の授業準備を済ませたら、最後は研究室です。研究室では研究作業をしたり、残っている学生達と議論をしたりして過ごします。真空計をチェックして装置に問題がないことを確認して、ようやく帰宅です。

 帰宅したら自宅でのんびり・・・というわけにはいきません。幾分くつろぎながらではありますが、残った仕事をします。

 こうして一日が終わります。

 

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